第25回「韓国経済にとって格付は重要なのか」

第25回「韓国経済にとって格付は重要なのか」

配信日:2012年1月8日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

新年明けましておめでとうございます。今年も韓国経済ブログ、メルマガの方も頑張りますので、温かいの応援のほどを宜しくお願い致します。

1月8日なので、少し遅い新年の挨拶となったが、今年は昨年よりさらに大荒れの予感がする韓国経済の動向を楽しみにして欲しい。

挨拶はこれぐらいにして、今回のメルマガは「格付」を特集していく。

なぜ、韓国経済にとって格付が重要かを簡単に述べると、格付とは、会社の業績・財務内容などを基準にして行われ、社債の発行条件はこの等級によって決定するからだ。ムーディーズにおける信用格付の説明は以下の通りとなっている。

>格付は、支払いが行われなかったか、遅延した、あるいは一部しか行われなかったことにより生じ得る信用損 失を予測し、その指標となるものです。信用損失とは、発行体が支払いを約束した金額と実際に支払いが行われた金額との差です。ムーディーズの格付は、発行 体がデフォルトを起こす確率と、デフォルトが発生した場合に予想される損失規模の両方を考慮に入れた信用損失を評価したものです。<

しかし、これはあくまでも建前上の意味だ。ご存じの通り、世界三大格付(S&P.ムーディーズ、フィッチ)会社は、お金をもらって会社の格付をしている。

そのため、この三大格付会社が業績や財務内容を本当に精査しただけで、格付を決定しているかは定かではない。リーマン・ショックでの不動産債券も格付でトリプルAだったし、日本の格付を意図的に下げたりすることもあった。

また、韓国で言えば、格下げが1997年に起きたアジア通貨危機をさらに拡大させた。欧州危機だってそうだ。このように格付そのものの必要性はこれから問 われてくることだろう。格付に何らかの規制措置が導入されるかは定かではないが、格付会社の信頼性は日本ではそれほど高くない。

今、日本の銀行は日本の国債を大量に所持しているわけだが、過去に日本国債が格下げされたときも、普通に日本の国債を買い続けた。誰も日本の国債が格下げされても動じなかったのだ。そして、気がつけば、日本国債は格上げされていた。

このように日本ではあまり格付は重視されないが、世界からすれば格付は重要な意味を持つ。そのため格付は良くニュースで取り上げられる。韓国メディアも格 付を非常に重要視する。まずは、今の韓国がどのランクにいるのかを紹介しよう。では、いつものように記事チャートを貼っていく。

記事のチャート

韓国の格付→格付ランク→外平債の金利→今週の韓国経済

韓国の格付 S&P「A」(2011年12月16日)

韓国経済、韓国の格付け見通し、S&Pが「A」「安定的」を維持…「韓国の財政状態は堅実」

国際格付け会社のスタンダードアンドプアーズ(S&P)は14日、韓国の信用格付けと格付け見通し(アウトルック)をそれぞれ「A」と「ステイブル(安定的)」で維持すると明らかにした。

韓国の良好な財政健全性と純対外債権国の地位維持などを高く評価したという説明だ。S&Pは報告書を通じ、「2005~2008年の一般政府財政収支が持 続的に黒字を記録し、2011年の一般政府純負債も国内総生産(GDP)の22%にすぎず良好な方。韓国の財政状態は堅実だ」と評価した。

また「韓国は対外債務より債権が多く、ウォン取り引きが活発で外貨負債に対する危険度は大きくない」と付け加えた。

企画財政部関係者は、「先月7日のフィッチの格付け見通し引き上げ、そして今回のS&Pの格付け維持で韓国の対外信用度が高まった」と評価した。

韓国経済、韓国の格付け見通し、S&Pが「A」「安定的」を維持…「韓国の財政状態は堅実」

格付ランク

韓国の格付はS&Pでは「A」ということだが、これはどの程度良いランクなのか。まずは格付ランクがどのようになっているかを整理しておく。

>~長期債及び発行体格付の格付記号~

日本における格付機関5社の格付記号は以下の通りである。
~長期債及び発行体格付の格付記号~

信用リスク  ムーディーズ 他の4社

信用リスクが低い(信用力が高い)
Aaa AAA
Aa AA
A A
中程度の水準
Baa BBB
Ba BB
B B
Caa CCC
Ca CC
信用リスクが高い(信用力が低い)
C C
債務不履行に陥っている
D D

上記の格付記号は、格付機関により、公表している定義は異なるが概ね対応していると考えてよい。

但し実際には同一企業に対して異なる格付が与えられることもあるため、特定企業の信用力を格付で見る場合には、各格付機関の格付分布における当該企業の相対的な位置を確認する必要がある。

特に日本において格付機関間の格付格差は大きい。ただし、近年はいわゆる新BIS規制の影響もあり、極端な差異はみられなくなる傾向にある。

例1)ムーディーズの Baa の定義「信用リスクが中程度と判断される債務に対する格付。中位にあり、一定の投機的な要素を含む。」
例2)S&P のBBB の定義「債務を履行する能力は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって債務履行能力が低下する可能性がより高い。
例1及び例2の出典、ムーディーズホームページ、S&Pホームページ

ムーディーズはAa~Caaまで1~3の数字を用いさらに細かく分類をしている。数字が大きくなると信用リスクは高くなる。R&I、フィッチはAA~CCまで+、-の記号をつけて分類している。

+の記号は、信用リスクが低くなり、-の記号は信用リスクが高くなる。同様に、S&P はAA~CCCまで、JCR AA~Bまで、+、-の記号をつけて分類している。R&I、JCR、S&Pが用いている格付記号は、フィッチが考案したものである。

上記の格付記号は、発行体格付及び長期債務に対して用いられるものである。短期債務や、中小企業の発行体格付などは、別の記号が用いられる。<

信用格付け – Wikipedia

基本的なことなので一番まとめてあったWIKIからもってきた。ムーディーズだけ特殊な記号を用いており、フィッチ、S&Pなどは同じ記号を使っていることに留意したい。

これを見た上で、韓国(ソブリン債券)のS&Pの格付「A」とはどの位置なのか。

信用リスクが低い(最高AAAの三番目ということ)ということになる。さらに細かく見ておこう。

外貨建て格付け(長期) A(見通しは安定的)
外貨建て格付け(短期) A-1
自国通貨建て(長期)A+(見通しは安定的)
自国通貨建て(短期) A-1

以上のようになっている。これが韓国の格付である。上の記事を読んでも、到底、信じられないと感じたと思うが、他の格付を見るとさらに信じられないのがわかったのではないだろうか。参考までに日本の格付を見ておこう。

日本の格付はどうかというと外貨建て格付け(長期) AA-となっている。しかも、見通しはネガティブである。外貨建て格付け(短期) A-1+、自国通貨建て(長期)AA-(見通しネガティブ)、自国通貨建て(短期)A-1+ 現状からさらに格下げされれば、Aに格下げされるかもしれないのだ。

日本の格付と韓国の格付がわずか一ランクしか差がないということになる。この時点で信用に値しないのは言うまでもない。格付会社は韓国政府が出したデータだけで格付ランクを決めているとしか思えない。

そもそも、政府の純負債がGDPの22%とか、これまでメルマガを読んできた読者様なら、本来なら導入するはずの通貨安定証券、外国為替平衡寄金債券(外平債)などの負債は含まれていないことが知っていると思われる。そうした導入してないものを含めると、韓国の本来の負債はGDPの二倍に達する計算となったことは以前のメルマガで紹介したとおりだ。

さて、外平債の話がでてきたので、韓国の国債の信用度を示すもう一つの数値、外国為替平衡寄金債権(外平債)の金利を見ておく。

外平債の金利(2011年12月4日 東亜日報)

>韓国国債の選好度を示す、外国為替平衡基金債権(外平債)加算金利も同様の流れを見せた。外平債加算金利は、国際金融市場で流通する韓国政府債権の収益率だ。米国財務省債権に対する加算金利で表記され、信任度が改善されるほど低くなる。

2014年4月満期の外平債加算金利は、8月5日の160bpが9月30日には242bpまで急騰して、先月末は174bpに下がった。1ヶ月周期でおよ そ30~50%の変動幅を見せたのだ。2019年満期外平債加算金利も、8月5日の98bpから、10月4日は201bp、先月末は130bpと急騰落し た。<

(http://news.donga.com/Economy_List/3/01/20111204/42342284/1)

管理人のチェックマークリストにあったのだが、今、調べて見るとブログには記載していない情報だった。リンクは張ってあるが、韓国語なので、翻訳は2CHのワクテカスレからである。

bpはCDSプレミアムを紹介する時に説明しようと思うのだが、今、簡単な説明だけしておくと、1bp (ベーシスポイント)は0.1%である。つまり、174bpは1.74%の金利ということになる。当然、高い方が信用リスクが高くなる。

今週の韓国経済

お正月ということもあって、それほど値動きはなかった。たまにソースも確認出来ない北朝鮮関連の噂でウォン安になった程度だ。先週のメルマガはお正月でお休みだったので二週間分の動きを出しておく。

2011年12月

日付 KOSPI  ウォン KOSDAQ 外国人

26日 1856.70 1155.0 501.37 788億
27日 1842.02 1158.8 491.64 896億
28日 1825.74 1156.0 495.22 358億
29日 1825.74 1151.8 500.18 145億

2012年1月

02日 1826.37 1155.8 506.79 -1500億
03日 1875.41 1150.8 513.83 3150億
04日 1866.22 1148.6 516.30 2836億
05日 1863.74 1152.7 521.96 -482億
06日 1843.14 1162.9 518.94 -461億

以上。30日、31日、1日は韓国市場が休みだったので省いてある。

長くなったが今回のメルマガはこれぐらいで終わりにする。

さて、次回の予告であるが、年末、1月になって韓国の様々な最新の統計データがでているので、これを特集したいと思う。投資に必要な情報は過去ではなく、出来る限りの最新データであるので、まとめておくことは有益なことだと思う。

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