第38回「韓国の中小企業の酷い実態。財閥が中小企業を潰す現実」

第38回「韓国の中小企業の酷い実態。財閥が中小企業を潰す現実」

配信日:2012年4月8日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは前回の予告通り、韓国の中小企業の実態に迫りたいと思う。その前に簡単なチャート図をご覧頂きたい。

サムスン→韓国政府→財閥→中小企業→庶民

以前は、サムスンと韓国政府の位置関係が逆、もしく=だった。しかし、現在では完全に立場が逆転しており、「サムスン経済、他韓国」とよんでも差し支えがない。では財閥と中小企業の数はどうなっているのか。

財閥 0.1% 中小企業 99.9%

こんな感じだ。信じられない数値かもしれないが、韓国の新聞がこのように報じている。つまり、韓国の中小企業は0.1%のサムスンを筆頭に現代、LGなどの財閥を肥えさせるために存在することになる。では記事のチャートを貼る。

記事のチャート

0.1%の財閥だけが栄える韓国→サムスンというもう一つの政府→財閥税の導入を検討→大企業の直接規制に反対→今週の韓国経済

0.1%の財閥だけが栄える韓国

[0.1%財閥の国] 4 韓国版スティーブ・ジョブスはなぜ出てこないのか

‘財閥捕食者’、企業生態系を蹂躪…ベンチャー精神 立つ瀬がない大学街 ベンチャーサークルも既に “大企業就職スペック用”創業で売上1兆以上に成長した会社は30年間で2社のみ技術略奪・系列会社への仕事口集中配当などで中小企業‘枯死’

(省略)青年ベンチャー精神が消えたことにはさまざまな要因があるが、財閥の略奪的形態が最も重要な原因に挙げられる。最近、財閥パン屋論難が起きた時、 英国<ファイナンシャル タイムズ>は「パンが決定的問題なのではなく、重要なことは韓国の財閥が日本やドイツスタイルの小規模専門技術業者の養成を阻んでいるという点」と し「韓国の企業家が革新力量を持ち始めれば、財閥は該当業者を吸収し資産と人材を奪う」と批判した。正鵠を衝いた指摘だ。

全てを飲み込む恐竜財閥グループのためにベンチャー創業熱気は急速に冷めている。 韓国取引所・ベンチャー企業協会などの資料を見れば、昨年の年間ベンチャー企業数は2万6148社で史上最大だったが、昨年5月に283社が減ったのを始 め、6月には400社、9月126社、12月228社など5月以後だけで848社が減った。

現在、国内の企業生態系は0.1%の大企業と残りの零細な小企業で構成された‘尖塔型’だ。 実際、去る30年間に創業を通じて成長した会社の中で、売上1兆ウォンを越えたところは熊津(ウンジン)とNHNしかない。

売上1000億ウォン以上のベンチャー企業も315社に過ぎない。 新たに創業する企業は多いが、ほとんどが中小企業まで成長して停滞したり、再び淘汰されるケースが大部分という話だ。

企業の創業、成長、発展の経路が詰まった主要な理由は、納品業者取り纏め、ベンチャー企業の技術・人材略奪、タコ足式事業拡張、系列会社への仕事口集中割当など、財閥の横暴のためだ。

国内で企業家精神を破壊する当事者は財閥だということだ。 ある中小企業役員は「口では相生と共生を言うが、実際に(企業)生態系を破壊している張本人は財閥」とし「財閥総師がまともに企業家精神を備えていないう えに、財閥中心の生態系になった結果、若い事業家も挑戦的な企業家精神を持てなくなっている」と話した。

財閥中心の企業生態系は最近になってより一層強固になっている。 財閥グループの新生系列会社が仕事の集中割当などグループの後押しに力づけられ数年で大企業に急速成長するためだ。創造力の優れた中小企業が大企業に成長 する空間がない。実際、現代車グループの物流企業である現代グロービスは2001年に設立され10年後の昨年の売上は8兆ウォンを越えた。(以下、省略)

‘三星(サムスン)動物園’に閉じ込められた韓国、ますます深刻になる(ハンギョレ新聞) – livedoor ニュース

これは2012年2月16日のハンギョレ新聞であるが、あまりにも酷い財閥の横暴が暴かれている。中小企業がどれだけ頑張っても、枯渇するか、技術や人材 をとられて、消える運命にしかない。 二束三文で技術が財閥に奪われるなら、誰が好きこのんで研究などするかという話だ。しかし、その財閥を超えるのがサムスンである。最初に示したチャート図 の意味がよくわかるだろう。

サムスンというもう一つの政府

(省略)昨年3月24日午後2時20分、公正取引委員会の複数の担当者がサムスン電子水原工場を訪れ、自ら の身分と訪問目的を告げ、敷地内に入ろうとした。すると、工場の警備員たちは「事前の約束なしに中に入ることはできない」として、担当者たちを制止した。 しばらくして中から2人の社員が出てきて、警備員と共に公取委関係者の立ち入りを50分も遅らせた。

後から公取委が入手した工場内部の監視カメラ映像には、その間にサムスン側が関連資料を全て廃棄し、机や引き出しを取り換え、調査が行われる予定だった社員のパソコンを新品に交換する様子が映し出されていた。

公取委から電話を受けた役員は、そのとき敷地内にいたにもかかわらず「ソウルに出張中」とうそをついて現 場から逃れ、それ以外の関係者も全員が現場から立ち去った。後に公取委は担当部署を訪問したが誰にも会えず、資料も押収できないまま、手ぶらで戻らざるを 得なかった。韓国最大財閥の主力企業で、しかも業界では世界トップを走るというサムスン電子の役員(専務)が、大韓民国政府機関の業務を先頭に立って妨害 したというわけだ。

サムスン電子の傍若無人な行動はこれだけでとどまらなかった。サムスン電子は事件後、セキュリティー体制をさらに強化し、建物の出入り口はもちろん、正門でも車の立ち入りを禁止してバリケードまで設置した。さらに重要資料を対外秘に指定し、必要なら永久廃棄するなどの対策も取りまとめた。

上記の問題が起こった数日後、現場で公取委の捜索を妨害して資料を破棄、あるいは差し替えた容疑について調べるため、公取委が当時建物内にいた人物の記録 を求めたところ、サムスンは問題の社員の氏名が記載されていない虚偽の資料を提出した。騒動後、サムスン電子社内の会議で、当時警備を担当した会社とその 社員の行動は大きく称賛されたというが、これらの事実は公取委によってすでに確認されている。

サムスンが正門前にバリケードまで設置し、政府担当者の立ち入りを妨害したという事実は、この国には大韓民国以外にサムスンというもう一つの政府が存在することを意味している。

サムスン電子がこれほどの横暴を働くからには、何か頼れる黒幕がいるのは間違いないだろう。これまで数十年間、政府が左右のどちらを向いていたとしても、 議員や官僚、司法、学会など、この国の中枢部に「奨学生人脈」を送り込み、さらに韓国でトップクラスの法律専門家を確保することにより、サムスンは大韓民 国の法律による規制を跳ね返す自信を得たようだ。(以下、省略)

(http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1332246420/)

これは2012年3月20日の朝鮮日報の社説である。サムスン寄りの朝鮮日報がここまでサムスンを批判する記事を書いたことに驚いたわけだが、サムスンがいかに横暴で強大な力を手にしているのかがよくわかるだろう。もはや、韓国政府ではサムスンにはかわないのだ。

さて、財閥による中小企業の搾取が続く中、国民からの財閥批判も高まり、韓国政府も重い腰を上げて、財閥税の導入を検討し始める。もちろん、検討するだけだ。そんな税が通るはずもない。

財閥税の導入検討

韓国政府が「出資総額制限制度(出総制)」の復活や「財閥税」の新設など政界の動きに制約を加え始めた。大統領から長官級まで組織的に反撃している。

経済部処の関係者は31日、政界で最近強まっている‘企業たたき’を「企業バッシング」という言葉で表現した。英語の「バッシング(bashing)」は 猛非難・猛攻格を意味する。ニュアンスまで込めると「一方的で過度な攻撃」程度となる。1980年代初期、日本との貿易紛争が激しくなった米国では反日感 情が高まり、「日本バッシング(Japan bashing)」という言葉が流行した。

李明博(イ・ミョンバク)大統領はこの日の国務会議で、「企業をあまりにも委縮させれば投資と雇用が減るおそれがある」とし「最近すべての政治環境が企業 を委縮させるように形成されているが、これは決して国民の助けにならない」と述べた。続いて「政治的利害がどうなるかは分からないが、企業が委縮しないよ うに(国務委員が)関心を持ってほしいという気がする」と話した。

政界の「財閥税」導入検討、政府は国際競争力ダウン憂慮=韓国(1) | Joongang Ilbo | 中央日報

財閥は国内を寡占化させる一方で、海外にも数多くの拠点を持っているため、財閥を肥えさせても、雇用の増加に繋がることはあまりない。そのため、韓国では 平均賃金がほとんど上がっていない。しかし、物価だけはどんどん上昇している。つまり、スタグフレーション状態なわけだ。では、もう一つ記事を見て頂こ う。

直接規制に反対

 

【ソウル聯合ニュース】韓国公正取引委員会の金東洙(キム・ドンス)委員長は2日、政界で高まっている大企業に対する直接規制について、反対の対場を表明した。

金委員長は財閥系大企業などに対する出資総額制限制の復活や循環出資の禁止について、「大企業の経営形態の改善に役 立たない」と強調した。大企業の寡占問題については、規模の拡大が問題なのではなく、系列企業に対する一括発注などの「贈与」や中小企業や庶民の領域にま で事業進出している点を問題視した。

問題解消に向けては、大企業自らが中小企業などと共生する意識を持ち、内部監視をシステム化することが必要だとの認識を示した。


聯合ニュース

黒幕がどこにいるのか何となくわかるニュースだと思わないだろうか。明らかに韓国政府がやることは所得の再分配機能の強化だ。

財閥が儲ける分を財閥税として徴収して、国民に還元する。そうすれば経済格差が少しはよくなる。だが、そんな夢のようなことが実現するとは到底思えない。 韓国庶民の苦しみはこれからも増大することだろう。そして、いつかはアジア通貨危機の時のように財閥解体が叫ばれることになる。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 外国人(ウォン)

02日 2029.29 1127.9 521.80 -147億
03日 2049.28 1121.8 515.83 2486億
04日 2018.61 1129.5 502.97 -708億
05日 2028.77 1127.3 503.34 -361億
06日 2029.03 1131,7 503.41 1016億

注目は5日だ。一度は2000台を切り、管理人の予想通り終値では2000台に戻したのだが、そのあげ方があまりにもおかしい。ブログでもその時に特集したので参考にしてほしい。その後の異常な株価上昇がよくわかる。

韓国経済、機関と外国人の売りが殺到、コスピが30P以上急落

おそらくは年金か何か突っ込んだのだろう。外国人が投げ売りしていたにも関わらずこの上昇。しかし、見ている限りはKOSDAQがどんどんさがってきている。来週500を切るかに注目だ。

KOSPIの維持をしても、KOSDAQのような新興産業中心である株を維持するかまでは不透明なところだ。

以上。今週はこれぐらいで終わるのだが、次週は北朝鮮がミサイルを発射する可能性がある。北朝鮮が予定している日は12日~16日の間となっている。そのため株価や為替が急変する可能性が高い。なので株や為替レートには一段と注意して頂きたい。

次回は、もし、発射されたのなら、その時のKOSPIとウォンの動き、日本経済の影響についても特集する予定であるが、15日、16日、もしくは中止になってしまうと、それができない。その時は別の経済関連を何か考えておく。

こればかりは北朝鮮の動向次第となっている。予定通りに行かないかもしれないが、ご了承頂きたい。

読者様の購読に深く感謝する。これからも応援のほどを宜しくお願い致します。

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