第39回「13日、北朝鮮のミサイル発射→失敗 日本、韓国の市場は反発」
配信日:2,012年4月16日
最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)
今週のメルマガは、13日、北朝鮮がミサイル発射したことによる市場の影響を特集する。といっても、既にご存じの通り、日本が迎撃するまでもなく、発射は失敗だった。なので、地政学的なリスクは回避されたといえる。そのため、13日の日本と韓国の株価は反発していた。
だが、それを外国人投資家がどう受け止めたのかというと、話が異なってくる。まずはミサイル発射関連ニュースを振り返っていこう。では、記事のチャートを貼る。
記事のチャート
北朝鮮ミサイル発射→失敗して空中分解→ミサイル発射失敗で市場は反発→今週の韓国経済
北朝鮮ミサイル発射
韓国の聯合ニュースは13日午前、北朝鮮が13日「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルを発射したと伝えた。
ソースは日経。時間は8時1分
ミサイルが発射されたのは7時39分だとアメリカが述べているのが、それが日本でわかったのはなんと発射してから20分後だった。Jアラートは鳴らず、民主政府もミサイル発射の確認に手間取ったようだ。但し、こんなニュースがある。
10カ所のレーダーで確認。約10分間飛行 防衛省
日本政府関係者は、北朝鮮のミサイル発射について、防衛省が置く10カ所のレーダーで、13日午前7時45分から54分までミサイルが飛行していたことを確認していると明らかにしました。
この関係者は前回2009年の発射の際に、ミサイルの下半分がばらばらになって落下したものの、上半分は飛んでいたと指摘し、今回もミサイルの一部だけ飛行を続けていた可能性があるとの見方を示しました。
宮古島で信号弾発射の「瞬間」 北“ミサイル”で
沖縄県宮古島市では、警備態勢を敷いていた自衛隊が、13日朝、ミサイル発射の直後に早期警戒を知らせる信号弾を発射していたことが分かりました。
午前7時44分ごろ、宮古島分屯基地で砲弾の音とともに赤い煙と閃光が走るのをANNの取材班が確認しました。航空自衛隊那覇基地渉外室によりますと、午前7時40分ごろ、那覇基地のレーダー部隊である南西航空警戒管制隊から宮古島分屯基地に対し、早期警戒情報が入ったため隊員に警戒態勢を一斉に取らせるために屋上から信号弾2発を発射したということです。
(http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220413046.html)
自衛隊そのものはミサイル発射を掴んでおり、即応していたことは上のニュースから明らかになった。混乱したのは民主政府ということになる。現場はしっかりしているのはいつものことか。
情報が錯綜しており、ミサイルの飛行時間にかなり時間の空きが存在する。最初は1分ぐらい飛んで、空中分解という話だったが、ミサイルの破片は飛んでいたという話もある。この辺りは防衛上の秘密もあるので、深くは突っ込まない。
また、韓国のメディア報道が一番早かった。ここは北朝鮮に一番近いためなので、仕方がない。ちなみにロシアも動きを掴んでいたことが明らかになっている。
【北ミサイル】「韓国・群山西側近海に残骸が落下」~世宗大王艦が発射数秒後に捕捉
北朝鮮が13日に発射した長距離ロケットは1段目と2段目が分離しないまま、いくつかの部品に分割されて群山(クンサン)西側の近海に墜落したようだと軍の高位関係者が明らかにした。
この関係者は、「ロケットの残骸物が群山西側190~200kmの海上に落ちたようだ」としながら、「1段目と2段目が分離しないまま、そこまで飛行したものと分析されている」と話した。
北朝鮮のロケットが発射された直後、わが軍の世宗(セジョン)大王艦が初めてロケットの発射および、その軌跡を探知追跡した事が分かった。
韓・米軍当局では現在、北朝鮮が発射したロケットの失敗原因と残骸物の落下地点などを詳しく分析している。
ソース:NAVER/聯合ニュース(韓国語)
ソースは韓国語なので2CHより記事掲載。訳してくれた人に感謝する。
失敗して空中分解
米メディアは政府高官の話として、北朝鮮が「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルが発射後に空中で分解して海上に落下し、 打ち上げは失敗に終わったと報じた。
(http://sankei.jp.msn.com/world/news/120413/kor12041308370007-n1.htm)
ミサイル発射失敗で市場は反発
さて、ここからが韓国市場に与えた影響を見ていくのだが、市場が開いたのは9時なので、それまでに発射→失敗という流れだ。そのため、影響は小さかったといえる。さて、今週の市場流れを先に見ておこう。
今週の韓国経済
日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 外国人(ウォン)
09日 1997.08 1138.2 486.80 -651億
10日 1994.41 1139.6 484.77 -1233億
11日 お休み(総選挙)
12日 1986.63 1140.6 485.71 -3673億
13日 2008.91 1134.8 499.46 -2106億(←北朝鮮ミサイル発射7時39分)
以上のようになっている。総選挙については与党が過半数を維持した。大苦戦すると思われていたのだが、あっさりと終わった感じだ。選挙に関しては来週のメルマガで特集したいと思う。
今回は総選挙対策の株上げと北朝鮮のミサイルリスクが合わさったのが前半ということになる。2000台を割っているのが証拠だ。そして、13日は再び2000台を戻している。
ポイントは外国人投資家。実は6日は1016億ウォンの純買いだったのだが、その後は、ずっと投げ売りしているのだ。ミサイル発射リスクを怖れてのことだ ろう。ただ、それならどうして13日も投げ売りしているのかが気になる所だ。なので13日はもう少し詳しいデータを載せる。
コスピ 2,008.91 ▲22.28
コスダック 499.46 ▲13.75
先物 268.15 ▲3.60
為替レート 1,134.80 ▼5.80
投資主体別売買動向
外国人 -2,106億
機関. 3,150億
個人.. -1,284億
プログラム売買動向
差益 -30億
非差益.. 834億
全体 804億
国庫債 3.49 ▼0.01
社債 4.26 ▼0.01
CD(91日) 3.54 0.00
コール金利 3.23 ▼0.06
これを見る限りでは、KOSPIの反発は機関の買いということになる。つまり、韓国政府が年金などを使ってKOSPIを支えた可能性が大いにある。しかも、個人も売り抜けている。ミサイル発射のリスクは回避されたが、まだ北朝鮮には核実験懸念がある。
北朝鮮はミサイル発射失敗を素直に国民に知らせたことも気がかりだろう。北朝鮮の新体制が大きな打撃を受けたことで、核実験を強行する確率がさらに高まったとも言える。
そして、中国のGDPが予想を下回ったこと、スペインを憂慮するなどといったリスクで、投資家は様子見というところだ。ちなみに、13日の日経は9637円と前日より113円あがっている。
これを見る限りでは、北朝鮮のミサイル発射が終わっても、韓国市場が一気に急反発ということはなさそうだ。そのあと、国連決議などもあって、アメリカは食糧支援を中止すると発表した。
このように慌ただしく一日が過ぎているのだが、どう転ぶかは予想が立てにくいのが現状だ。しばらくは管理人も韓国経済の様子を見守りたいと思う。それからまた分析したいとおもう。
さて、今週はこれで終わりだが、来週は韓国の総選挙を特集する。与党が大苦戦すると思われた総選挙で、出口調査でもかなりの接戦だった。しかし、蓋を開ければ与党が過半数維持した。次回も楽しみにして欲しい。
読者様の購読に深く感謝する。これからも応援のほどを宜しくお願い致します。