第43回「貯蓄銀行の営業停止処分に第1位のソロモンが含まれる→取り付け騒ぎ→横領、不正で逮捕」

第43回「貯蓄銀行の営業停止処分に第1位のソロモンが含まれる→取り付け騒ぎ→横領、不正で逮捕」

配信日:2012年5月20日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今回のメルマガは2012年5月5日に起きた韓国の貯蓄銀行の営業停止処分から一連の流れについてだ。管理人がこのニュースを知ったのは5月4日の出来事。これは第二金融圏崩壊への序章。まずは金融圏の意味を整理しておこう。

第一金融

都市銀行、地方銀行、農協などといった一般の銀行のことをいう。多くの日本人はこの銀行を毎日利用している。庶民にも、一番馴染みがある金融機関だろう。

では、銀行の一般業務とはなんだろうか。簡単だろう。資金の貸し付けである。それと、簿記では良くでてくる手形割引き。他にも為替決済などが主な業務だ。まあ、他にも色々やっているのだが。

第二金融

貯蓄銀行、信用組合、保険会社、投資証券などだ。

昨年の取り付け騒ぎでお馴染みの貯蓄銀行。信用組合というのは、その組合員に必要な資金を融通する。ある一定の保険料を支払うことで、何かがあったときにお金を支払う保険会社。投資証券は、株や債券、FX、先物などを扱うのはすでにご存じだろう。クレジットカードは第二金融に属する。韓国では消費者金融もこちらに分類されている。

第三金融

その他。

それだけじゃわかりにくいか。金融機関として登録されていないのだが、お金を貸すようなところ。つまり、ヤミ金市場などが当たる。第二・第三金融圏の違いはわかりにくい。韓国ではごちゃ混ぜになっていることも。

以上だ。これを踏まえて、今回の記事を楽しんで欲しい。では、記事チャートを貼る。

貯蓄銀行営業停止措置→貯蓄銀行4つ。営業停止で取り付け騒ぎ→処措置を受けた貯蓄銀行の真の自己資本比率→検察捜査本格化→ソロモン貯蓄銀行の会長逮捕→今週の韓国経済

貯蓄銀行営業停止措置

>金融当局が早ければ5日に貯蓄銀行追加営業停止措置を断行すると発表された中で、貯蓄銀行業界1位のソロモン貯蓄銀行も退出名簿に含まれていると伝えられていて、相当な影響が予想される。

金融当局は5日貯蓄銀行経営評価委員会を開き、昨年9月に適正な時期是正措置(不良金融会社経営改善処分)の猶予を受けていた貯蓄銀行4行が提出した自助計画案を審査し、その結果を金融委に伝達するという方針だ。<

韓国経済、貯蓄銀行退出措置、貯蓄銀行業界1位のソロモンも含まれる

2011年2月に韓国の貯蓄銀行はまったく同じことをされているのはご存じだろうか。その時、このソロモン貯蓄銀行を含む4つの銀行が営業停止の対象となっていなかった。当時を簡単に振り返ると次のようになる。

>営業停止処分とは、行政が銀行に業務の改善を求めるために、一定の期間内、営業停止の処分を課すことをいう。その行政(金融委員会)が貯蓄銀行のブラックリストを先月、公開した。

そして、そのブラックリストに載っていた貯蓄銀行の経営が危険だという噂が、営業停止処分によって、確信へと変わり、大勢の人々が窓口に集まり、預金を引き出すことで、取り付け騒ぎが発生した。2日で引き出された金額はおよそ4000億ウォンという。

この営業停止処分が下された背景には、貯蓄銀行が金融混乱、つまりシステミック・リスクを防ぐために、早い段階で、危険な銀行をブラックリスト化し、大きな騒動に発展しないようにするためだった。

その証拠に、営業停止処分が下された貯蓄銀行、ブラックリストに載っていた貯蓄銀行のみで取り付け騒ぎが起きており、健全だといえる銀行には、引き出された預金が預けられている。もちろん、韓国政府も取り付け騒ぎに対処するために、現金供給を3兆ウォン増やしていた。

このような対策で取り付け騒ぎはいつしか終息していくように見えた。また営業停止処分が下された銀行は調査後に売却することで自体の安定化をすすめようと した。だが、この営業停止処分は二つの銀行だけでは終わらず、6つ、最後には8つとなり、この8つの銀行だけでも、昨年の韓国の貯蓄銀行の資産は12兆6 千億ウォンで、貯蓄銀行資産の15%に匹敵するという。

明らかに小規模の取り付け騒ぎには思えないわけだが、では、一体、なぜ、金融委員会は営業停止処分を下したのか。それが韓国版のサブプライムローンといわれる不動産プロジェクトファイナンシグ(FP)からの負債、自己資本比率の低下である。

 

日本ではまったく騒がれなかった銀行の取り付け騒ぎ | 本当はとんでもない。韓国経済の実情

ちなみにこの記事は管理人が書いたので引用ではない。今回もこれだ。理由も同じで FPにある。ここで疑問に思うのではないだろうか。なぜ、1年後にでてきたのかだ。おそらく、2011年現在でFPが原因なら、莫大な負債と危険極まりな い自己資本比率のはずだ。このようなことが1年後に再び起こっている時点で異常なのだ。

起こった時点で、普通は全ての貯蓄銀行はチェックされているはず。見落とすなんてあ りえない。つまり、これは不正が行われていると。この時点で、取り付け騒ぎを知っていた管理人は間違いなく逮捕者が出て、本来の自己資本比率が偽証されて いることもわかっていた。では、さらに追っていく。

貯蓄銀行4つ。営業停止で取り付け騒ぎ

>貯蓄銀行業界10位以内の大手3行と小規模行1行の計4行が今週末にも営業停止処分を受ける見通しとなった。(道中省略)

貯蓄銀行に対する追加的な営業停止処分が迫ったとのうわさが広がり、3日には、貯蓄銀行業界で資産規模1位のソロモン貯蓄銀行の本支店では、取り付け騒ぎ が起き、預金の払い戻しが普段の5-6倍の500億ウォン(約35億6000万円)以上に達した。また、上場企業である同行の株価はストップ安を記録し た。H貯蓄銀行など他行にも預金者からの問い合わせが相次いだ。<

必読!韓国経済、貯蓄銀行4行、営業停止の見通し…取り付け騒ぎが発生中

まさに想定内、シナリオ通りの動きである。1年前と何も変わらない。貯蓄銀行の名前が違うだけだ。

処分措置を受けた貯蓄銀行の真の自己資本比率

>退出が決定した貯蓄銀行4行は、金融委の点検結果ではとうてい回復が不可能なほど、深刻な不良を抱えていることが明らかになった。

業界1位のソロモン貯蓄銀行は昨年末現在のBIS比率は4.35%だったが、総資産4兆9758億ウォン、総与信3兆1881億ウォン、総受信4兆5723億ウォンで、純資産が-3623億ウォンであることが分かった。

ソロモンの場合、2010年6月末には5兆7194億ウォンあった総資産が、1年半で7000億ウォン以上減少した。この期間に受信規模が5000億ウォン以上急減した影響が大きかったと見られる。

特に自己資本は短時間に急激に減った。2010年6月末には1711億ウォンあったソロモンの自己資本は、1年後の昨年6月末には608億ウォンまで減り、昨年末には-1801億ウォンと急激に悪化した。これによりBIS比率も2010年6月末9.12%、昨年6月末9.16%から、昨年末には4.35%まで縮小した。(以下、省略)<

韓国経済、貯蓄銀行不良はどれくらい深刻だったのか 未来貯蓄銀純資産-3千億、漢州BIS -37%

文章が長いので整理しておく。自己資本比率は2011年6月末→2011年末。

銀行名        総資産           自己資本比率

ソロモン貯蓄銀行 総資産4兆9758億ウォン 9.16%→4.35%
韓国貯蓄銀行 総資産2兆243億ウォン   6.04%→-1.36%
未来貯蓄銀行 総資産1兆7594億ウォン  9.34%→-16.20%
漢州貯蓄銀行 総資産1502億ウォン    -7.78%→-37.32%

このようになった。12兆ウォンで15%なので、前回よりは規模が今のところ少ないが、それでも10%以上はある。一年で悪化するようなレベルでないことはよくわかるんじゃないだろうか。さて、ここから検察捜査が本格化していく。

検察捜査本格化

【ソウル聯合ニュース】経営不振や不正問題などで営業停止措置を受けた貯蓄銀行に対する検察の捜査が本格化する対象となるのは、6日に韓国金融委員会から6カ月間の営業停止措置を受けたソロモン貯蓄銀行、未来貯蓄銀行、韓国貯蓄銀行、漢州貯蓄銀行の4行。


検察は経営不振に対する責任糾明や横領・背任の有無はもちろん、金品授受や政界へのロビー工作なども視野に捜査を進める方針だ。捜査が始まれば、貯蓄銀行の筆頭株主や行員に対する家宅捜査などが相次ぐ見通しだ。主要関係者は既に出国禁止措置が取られている。

一方、昨年9月に営業停止措置を受けた貯蓄銀行7行に対する捜査では50人を超える関係者が司法処理を受けている。 

営業停止の貯蓄銀行4行 検察捜査本格化へ=韓国 | Joongang Ilbo | 中央日報

そして、捜査が進むとソロモン貯蓄銀行の会長が逮捕された。まさに様式美としか言えない。しかも、不正の証拠を隠滅使用とするなど、相変わらず腐っている。しかも、権力者だから逮捕されないとか。それが可能なのはサムスンだけなのにな。

ソロモン貯蓄銀行の会長逮捕

貯蓄銀行不正融資合同捜査団(崔運植〈チェ・ウンシク〉団長)は、ソロモン貯蓄銀行の林錫(イム・ソク)会長(50)が、会社の金170億ウォン(約11億7100万円)を横領したり、1500億ウォン(約100億円)の不正融資を行ったりしていた証拠をつかみ、17日中に逮捕状を請求する方針を固めた。

検察は今月15日夜、林会長を緊急逮捕した。これについて検察は「林会長が証拠隠滅や口裏合わせをしようとしていたため、逮捕に踏み切った」と説明した。林会長は、今月6日にソロモン貯蓄銀行が営業停止処分を受ける前から、同行の役員らと共に、捜査に対応するための戦略を練っていたという。

行員らに対する検察の捜査が進んでいるのを受け、林会長は行員らから供述内容を聞き出したり、圧力を掛けたりしていた、と検察は話した。 検察はまた、7日に林会長の事務室に対し家宅捜索を行った際、パソコンのハードディスクの内容が削除されていたことを突き止めた。

林会長は営業停止処分を受ける直前、約20人の役員に対し特別賞与として15億ウォン(約1億300万円)を支給し た。また、役員や行員らに対し、同行の株式を購入するための資金として融資した金も、同行の金37億ウォン(約2億5500万円)を横領して充当した。検 察はこうした動きを「口封じ」とみている。

検察は、同行の系列会社が、融資先を募集するスタッフに支給した手数料の一部を巻き上げるなどの方法で、同行の金170億ウォンを横領していたことが分かった、と説明した。

また検察は、林会長が違法な融資額の大部分を特定目的会社(SPC)に融資しており、事実上自分たちのビジネスに使っていたとみて、調べを進めている。さらに「林会長による横領や背任の被害額は、捜査が進むにつれ大幅に増えるだろう」と検察は話した。

また、政・官界に知人が多いとされる林会長によるロビー工作についても、検察は本格的な捜査を行う方針だ。2002年にゴールド相互信用金庫を買収した林会長は、その後3年間に金融機関の合併・買収(M&A)を繰り返し、業界1位の貯蓄銀行を立ち上げた。

ソロモン貯蓄銀行は昨年、貯蓄銀行の構造調整が問題になった当時、業界で「営業停止処分を免れないだろう」という話が出ていたが、高級官僚がバックにいるとのうわさが絶えなかった。

金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権下で成功した林会長は、現在の野党側の主な政治家たちと親交があるほか、李明博(イ・ミョンバク)政権の実力者とも人脈を作っているとされる。

李政権の発足後には、高麗大大学院や所望教会の人脈を生かし、李政権の実力者たちに接近したという。検察は林会長が、営業停止処分を受けないため、李政権の実力者に4億ウォン(約2800万円)を渡したという情報も得ており、真偽について調べを進めている。

ソロモン貯蓄銀行が金融当局の調査を受けた際にも、林会長の側近らは「林会長は非常に顔が広いため、逮捕されるようなことはないだろう」と話していたという。今回、営業停止処分を受ける直前、林会長はメディアのインタビューに対し「悔しい」と口にするなど、強く反発した。


韓国経済、横領に不正融資、ソロモン貯蓄銀会長逮捕 ハードディスクの内容を削除、行員に口止め

ここまでが最新情報となる。まだまだ色々と出てきそうなのだが、こうして整理していっても、韓国の金融業界はあまりにも腐敗しすぎているのが手に取るようにわかる。

今週の韓国経済

さて、今週の韓国経済は大暴落している。主な原因は格付会社によるスペイン銀行の格下げと、ギリシャの再選挙によるユーロ圏脱退の真実味というところだ。 明らかに欧州危機再燃で世界同時株安となった。韓国はこの1週間でKOSPIが10%以上の大暴落。ウォンは1172まで下落した。貿易依存国家「韓国」 が如何に脆いかがよくわかる。

日本も外国人投資家が投げ売りして、安全な円を購入。日経平均は8600円を割り、79円台になっている。上海・香港・シンガポールのアジア株も軒並み下落した。

日付 KOSPI  ウォン KOSDAQ 外国人(ウォン)

14日 1913.73 1149.2 488.53 -1656億
15日 1898.96 1154,1 480.50 -1710億
16日 1840.53 1165.7 465.01 -4995億
17日 1845.24 1162.9 468.13 -632億
18日 1782.46 1172.8 448.68 -4349億

しかし、誰がここまで大暴落すると予想できただろうか。先週、管理人も暴落すると書いたと思うがここまで行くとは思わなかった。為替介入も見当たらないので、一体どこで歯止めをかけるのかが難しい。

さて、今後の予想だがギリシャはもう無理だろう。再選挙まではこのまま不安は続く。スペインの債務もヤバイ。残念ながら韓国経済が上がる材料はひとつもない。つまり、来週も欧州の動き次第で韓国市場は暴落している。

為替介入、年金砲などで止める可能性はあるが、ここまで来ると介入ラインが見えない。1150までの心理戦はとっくに超えた。あまりにも暴落スピードで、 介入タイミングを相談していた頃にはもう下がっているという感じだ。1180,1200ぐらいだろうか。来週中に行きそうで怖い。

ひとつだけ言えることはこんな市場には絶対、手を出さない方がいい。

さて、来週のメルマガ予定だが、韓国で万博が開催されているのはご存じだろうか。入場目標数が一日に10万人で、初日は35000人という不人気。5日間で予想収益のたった10%という面白い数字が騒がれている。これを特集する予定。

だが、欧州危機で韓国市場はさらに大暴落しているかもしれない。そのため、予定を変更して、ギリシャとスペインの近況と今後のイベント。それに韓国市場を見ていくかもしれない。

判断は面白そうならそうする。面白いというのは経済的な意味だ。たまに管理人は批判されるが、人の不幸を喜んでいるわけではない。ダイナミックな経済変動が面白いと述べているにすぎない。

読者様の購読に深く感謝する。これからも温かい応援のほどを宜しくお願い致します。

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