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第52回「韓国不動産バブル崩壊 住宅担保認定比率(LTV)が仇に」

52回「韓国不動産バブル崩壊 住宅担保認定比率(LTV)が仇に」

配信日:2012年7月22日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週の韓国経済は韓国の不動産特集。まずは住宅担保認定比率(LTV)を紹介して、不動産バブルが弾けた悲惨な現状を明らかにする。では、記事のチャートを貼る。

記事のチャート

住宅担保認定比率(LTV)→韓国不動産バブルの崩壊→今週の韓国経済

住宅担保認定比率(LTV)

loan to value ratio. 韓国語では担保認定比率。 銀行などが住宅商店街ビルディングなどを担保にして金を貸す時担保物の実際価値対応大出金額の比率を意味する。 銀行は現在60%内外でLTVを適用している。

この説明だけで理解出来るなら良いのだが、書いてあることは初心者では難しい。簡単に言えば住宅を購入するときにその金額の60%までは銀行から貸してもらえる。例を出そう。

>会社員A氏(45)は、2009年7月に京畿道高陽市の5億2500万ウォンのアパート一戸を買った。当 時、住宅価格の60%にあたる3億1500万ウォンを銀行から借りた。ところが今、その家は4億3000万ウォンまで価格が落ちた。3年満期が近づき、貸 出しを延長しようとするとLTVが問題になった。<

2009年といえば韓国でも不動産バブルの時代。実際、リーマン・ショック後で、世界経済が暗雲が立ちこめる中、いち早くその危機を脱した韓国が世界で認められたとか。そんな偽りのニュースが流れていたときだ。

もちろん、韓国がいち早くリーマン・ショックから立ち直ったなど真っ赤な嘘。米韓通貨スワップ300億ドル協定によって、命からがら経済破綻を救っても らったにすぎない。そして、過度なウォン安政策により、輸出は伸びて、輸入が減少する不況型黒字で経済成長を3%ぐらいまで伸ばした。それが簡単な韓国経 済の経緯だ。

その頃、不動産バブルで、韓国では不動産を投資に使うことがあり、実際、住む家ではなく、不動産価格が上昇したら売るという投資ビジネスが盛んだった。 借金して購入した不動産でも、価格が上昇すればプラスになったわけだ。そこで使われたのが例のLTVだ。

住宅価格はうなぎ登り、韓国でも不動産バブルが弾けないという土地不敗神話が横行していた。だが、そんな弾けないバブルなんてものは存在しないのが歴史の必然。サブプライムローンから回りに回って韓国でも同じことが起きることになる。

当時、飛ぶように売れたアパートの6割を銀行から借りて、三年満期である。その頃にはアパートは売れてて儲けも莫大。そんな投資家の夢があったのだろう。だが、それは夢だ。現実はこうなる・・・。

>下がった住宅価格で計算するとLTVが73%になり、銀行からは金融当局のガイドラインである60%以上 は貸出しを延長することができないという伝言がきた。住宅価格の60%にあたる2億5800万ウォンだけ貸出延長が可能で、限度を越えた5700万ウォン は返済しなければならないということだ。A氏は”借金を返すために、また金を借りなければならない状況”としながら泣きべそをかいている。<

三年後の住宅価格は4億3000万ウォンとなり、その60%、 2億5800万ウォンだけ貸出延長が可能。それ以上は払えという。このA氏はアパート売りたいのに住宅価格が下がる一方でいっこうに売れない。そして、借 金の延長するのに、また借金をするという多重債務に陥った。行く末はどうなるかなんて結果は見えている。奇跡的に住宅の値段が上がる?それこそ夢というも のだ。

LTVは住宅価格が維持、上昇することが前提の制度にしか思えない。だが、ひとたび、住宅価格がある一定のラインまで下がれば、今度は凶悪なモンスターに早変わりする。恐ろしい。さらに興味深い文章を乗せておく。

>’不動産バブル崩壊→住宅貸出不健全化→銀行破産→金融危機’と続いた、米国のサブプライムモーゲージ(非優良住宅担保貸出)事態が、韓国でも発生する可能性があるという話だ。<

可能性がある。いや、現在進行形中だ。大丈夫、韓国の場合はもっと酷い。特にLTV制度はかなり酷い。では、現状はどうなのかを見ておこう。

>昨年8月現在の全国の住宅担保貸出LTV比率は47%なので、全体的には安全な方だ。しかし、住宅価格が急落する首都圏郊外周辺と一部地域のアパートで、韓国版サブプライムの影が落ちている。

B銀行が地域別に、2009年5月と今年5月現在のLTV比率を比較した結果、京畿道金浦市の住宅担保貸出しの平均LTVが50%から57%へと7%ポイ ント上がった。京畿道東豆川市と楊平郡も5月現在の平均LTVが各々56%と51%で、3年前に比べて各々6%ポイントずつ上がった。

今年から来年にかけて、全体住宅担保貸出305兆ウォンの46%が満期になるか据置期間(元金は返さずに利子だけ払う期間)が終わる。ウリ・国民・新韓・ ハナ・農協など5大都市銀行で、今年の末までに満期がきて一時償還しなければならない住宅担保貸出しは23兆8000億ウォンに達する。

住宅価格下落を理由として銀行が貸出者に元金の10%程度を償還しろといえば、計2兆3800億ウォンを返済しなければならない。(省略)

結局、借金を返せずに延滞するケースも増加している。4月、銀行圏の家計貸出延滞率は0.89%で、5年2ヶ月ぶりに最高値を記録した。4月の1ヶ月間に新たに発生した家計貸出延滞額は9000億ウォンに達し、そのうち住宅担保貸出しが4000億ウォンを占めた。

現代経済研究院によれば、我が国のハウスプアは108万世帯に達し、このうち約3分の1にあたる33万世帯が”貸出延長できなければ、元利金を返済することはできない”と答えた。

ハウスプア階層は、すでに可処分所得の40%以上を住宅貸出の元利金償還に使っている。 住宅価格がさらに落ち、借金償還の負担が大きくなれば、家計消費を急激に萎縮させて景気低迷を触発する可能性がある。<

http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=101&oid=023&aid=0002408154)

以上、LTVのことを説明した。次は韓国の不動産バブル崩壊について。

韓国不動産バブルの崩壊

取引が盛んな時は、1分差の遅れで契約をできなかったと泣き喚くこともありました。今考えてみれば、その時の仕事があたかも夢のようですね。-ソウル江南区大峙洞O認定の関係者

一晩過ぎれば価格が上がるため、無理に借金して投資した人々が多かったんですよ。ところが今では、貸出費用まで考えれば価格がほぼ半分になったので、火病になった人が何人もいます。-ソウル松坡区蚕室洞D公認の関係者

不動産市場の長期沈滞で価格下落傾向が続く中、夏のオフシーズンに入りソウル江南一帯の仲介業者は静かだった。時々、借家の問い合わせ電話はあるが、売買の客は問い合わせ電話さえない日も多いというのが、大多数の仲介業者の共通した反応だった。

取引きが切れると、これまでに売物を出した売却者は価格を下方調整しているが、これも何の効果もなかった。(省略)

問題は価格が高点に比較し’半額’内外に下落しても、なかなか取り引きが生き返らないということだ。江南区 大峙洞O公認の関係者は”好況時は、間髪の差で遅く到着して契約をのがしたと惜しむ現象がありふれていたが、今は問い合わせの電話さえまばらだから、隔世 の感”と話した。

蚕室のD公認の関係者も”当時、高点で無理に借金して買った人々の場合、今は利子費用まで考えれば物価上昇率を除いても、ほとんど半分ほど無くなったもよ う”としながら”5年間でアパート価格が半分になったが、まともな精神状態の人がどこにいるか”として”損切りしてでも売って出て行こうとするが。これま た取引きが失踪して難しい状況”と説明した。

http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=101&oid=014&aid=0002672992) 
 
5年後に住宅価格は半分になっても、まだ誰も購入しない。損切りしてでも売ろうとしたら、取引が失踪して難しい状況。このように不動産バブルが弾けた今、韓国では恐ろしいことが現在進行形で起きている。だが、その中ですら住宅の貸借価格は急上昇している。

ええ?どういうことだって?それは次回のお楽しみ。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 外国人 先物

16日 1817.79 1147.0 483.50 -965億 240.0
17日 1821.96 1143.6 480.61 -1296億 240.9
18日 1794.91 1142.6 472.88 -563億 237.3
19日 1822.96 1139.1 478.68 -565億 241.5
20日 1822.93 1141.2 481.83 1900億 241.2

以上。今週の韓国経済はギリシャがまた一騒動を起こしたぐらいでそれほど変わってはいない。ただ、気になる情報が一つある。それは中国の不動産バブルである。

>中国官営通信神話は19日’国務院緊急告知’を引用してこのように報道した。告知は”地方当局が不動産規制政策を厳格に実行しなければならない”とし”規制を緩和してはいけない”と強調した。

ただ、この記事だけでは中国の不動産バブルが弾けたのかはまだわからない。中国のバブルは統制できるとか思っている投資家もいるが、管理人はそんなことはないと思っている。どんなバブルだって弾ける。韓国の次は中国かもしれない。

次回のメルマガは引き続き、韓国の不動産を特集していく。次回は韓国特有の制度や事象について解説する予定だ。

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第51回「イラン産原油輸入再開で中小企業の連鎖倒産を救う」

51回「イラン産原油輸入再開で中小企業の連鎖倒産を救う」
配信日:2012年7月15日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは韓国のイラン産原油輸入の話題。韓国はイランから原油をだいたい1割ほど輸入していたのだが、その輸入がイランへの経済政策のために出来 なくなりつつあった。そして、一度はアメリカから韓国は制裁国の対象となった。そういった経緯を踏まえながら特集していく。では、記事のチャートを貼る。

記事のチャート

EUがイラン産原油輸送船の保険を中断→イラン産原油輸入再開の見通し→今週の韓国経済


EUがイラン産原油輸送船の保険中断

韓国の石油会社のイラン産原油輸入が7月から全面中断される危機に陥った。欧州連合(EU)が施行を控えている対イラン制裁措置の余波だ。イラン産原油の輸入を禁止しようとする米国政府に対し例外国として認められるために交渉を進めている韓国の立場ではまた「欧州暗礁」にぶつかったことになる。

知識経済部のムン・ジェド産業資源協力室長は14日、「原油輸入船舶に対する保険提供を中断するEUの制裁措置がそのまま施行される場合、7月からイラン産原油輸入が中断される恐れがある。EUに対し猶予措置を受けるため最大限説得する一方、原油需給に支障が出る状況に備え、代替輸入先の確保など対策をまとめている」と明らかにした。

3月23日にEUは外相理事会の決定でイラン制裁措置を発表した。これによるとEU加盟国は7月からイラン産原油の輸入を中断しなければならず、イラン産原油を輸入するタンカーなどの輸送手段に対する保険サービスも提供できない。
問題は世界の船舶・貨物・事故賠償責任(P&I)などの再保険市場をEUの保険業界が掌握しているという点だ。韓国の保険会社は海運会社と保険契約をする場合、リスク分散のために欧州の保険会社と再保険契約をする。

欧州の保険会社が再保険を受け入れない場合、韓国の業者は事実上保険加入が難しい。また、事故に備えた保険に加入していなければ外国の港湾への入港が難しい。

イラン産原油は昨年の韓国の原油輸入量の9.4%を占めた。米国の制裁措置が本格化し今年第1四半期には輸入量が昨年比22%ほど減った。

だが、イラン産原油は依然として韓国の輸入分の7.6%を占めており、輸入価格も他の原油に比べ安いため、イランからの輸入ができなくなる場合には韓国市場の需給や価格に相当な影響を与えかねない。

韓国政府は韓国と似た境遇の日本とともにEUに対する説得に出ているが状況は大きく変わっていない。米国のイラン制裁と違いEUの措置には例外を許容する 根拠がない。また、27加盟国で構成されたEUの特性上、意志決定過程が複雑で猶予措置に対する合意を引き出すのは容易でない。

ソース:中央日報日本語版 2012年05月15日09時28分

全文長いんだがこの記事は上手くまとまっているので読んで欲しい。ポイントは保険である。外国船の輸入には海賊などに襲われたり、嵐で船が座礁するなど、 現代でもそれなりに危険がある。そして、世界の保険を取り仕切っているのはアメリカと欧州なのだ。中東は欧州に近いので、 当然、欧州の独壇場となる。

この保険についての知識がある人はほとんどいないだろう。だが、世界は保険というシステムによって守られている。船の保険以外にも、空港、荷物、海外旅行傷害保険など、様々な保険が存在する。何かあったときに賠償してもらえる保険というシステム。それがなければ外国に物一つ運ぶことだって難しいわけだ。

まとめると、EUは27カ国あるので猶予措置を引き出すのは無理となる。つまり、このままではイラン産原油は輸入できない。そして、イラン産原油輸出に頼っているのは韓国の2900社の中小企業なのだ。

輸出と輸入はイコールと考えて欲しい。輸入があるから輸出ができると。輸入がなくなれば輸出は出来なくなる。それが中小企業の連鎖倒産につながる。

韓国政府はまずアメリカから制裁を解くように交渉する。イラン産原油を10%~20%輸入減らす条件で制裁国から免れる。もう一つの保険問題はどうするか。それについてはイランがこのような提案をしてきた。

イラン産原油輸入再開の見通し

韓国政府は国内の石油元売り各社に対し、イラン産原油の輸入再開方針を伝えた。この決定を受け、今後は石油 元売り各社とイラン側との間で輸入再開に向けた細かい条件について合意に至れば、来月中にはイランからの原油輸入が再開される見通しとなった。同時に、イ ランに商品を輸出する韓国の中小企業およそ2900社にとっても、輸出再開の道が開けそうだ。

韓国政府と石油元売り各社が13日に発表したところによると、韓国政府は最近、イランから提案された取引再開の条件 に対する検討を終え、元売り各社に輸入再開の方針を伝えたという。イラン産原油の輸入中断は、欧州連合(EU)が船舶保険の提供を中止したことが大きな理 由の一つだったため、イランは韓国政府に対し、自国が保有するタンカーで原油を運搬することと、船舶保険の提供を提案した。

ある石油元売り会社の関係者は「(韓国)政府から口頭で、イラン船籍のタンカーの入港を許可すると言われた。これを受けてイラン側とは、保険の適用に向けた具体的な協議を開始する予定だ」と述べた。

イランから韓国まで原油を輸送するには20日ほど要するため、協議が早期に妥結すれば、8月中にはイラン産原油が韓国に到着するものとみられる。

韓国石油公社によると、イランで生産される原油は1日当たり280万から330万バレル。また、韓国の石油元売り各社が昨年イランから輸入した原油は8718万バレルで、イランで生産される原油全体のおよそ7-8%に当たる。

米国は先月、今年の原油輸入量を前年に比べて10-20%ほど減らす条件で、韓国を制裁の適用除外国として認めた。あとは保険の問題さえ解決すれば、原油輸入の障害はなくなる。(省略)

韓国政府が外交摩擦を予想しながらあえてイラン向け輸出の再開に踏み切ったのも、中小企業の連鎖倒産を懸念したからだ。韓国からイランに商品を輸出している企業のおよそ90%以上は中小企業だ。

これでお互いハッピーという感じだが、問題はEUである。外交摩擦の恐れがあると書いてあるが、どのような影響があるかは不透明過ぎる。イランのタンカーが襲われなければいいのだが。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 外国人 先物

09日 1836.13 1141.1 495.23 3320億 242.4
10日 1829.45 1143.7 492.34 -1144億 242.0
11日 1826.39 1140.9 491.93 -2405億 240.9
12日 1785.39 1151.5 486.38 -2389億 236.2←基準金利引き下げ3%に
13日 1812.89 1150.3 484.32 -2430億 238.7

以上。今週の韓国経済では予期せぬことが起こった。それが韓国政府が基準金利を3%(0.25%下げ)に引き下げたことだ。管理人は凍結するものだと思っていたので、これは予想外だった。市場もそのようで失望売りで12日は下がっている。

だが、どの程度影響が出るのか判断するのは難しい。お金が借りやすくなって市民は不動産不況に悩まれている救いにはなるんだろうか。ただ、家計債務と不動産不況はある意味、繋がっているのでこの二つは同次元で解決する必要がある。

今週はこれで終わりだが、次回はその不動産の状況について見ていく。久しぶりの不動産特集だがあれからどうなっているのか。バブルは弾けているのか。楽しみにして欲しい。

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第50回「これからの韓国経済の行方 証券市場から債券市場 流れ出る外国マネー」

第50回「これからの韓国経済の行方 証券市場から債券市場 流れ出る外国マネー」

配信日:2012年7月8日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは50回記念。何かイベント用意しているわけではないが、現時点で予想できる範囲で韓国経済の行方を追ってみる。特に証券市場から債券市場に向かう動きが強まっていることに注目だ。まずは、ここ数年間の背景をまとめてみる。では、記事のチャートを貼る。

記事のチャート

財閥寡占化とFTA、韓国国内の動き→中国依存が鮮明に。韓国証券市場から逃げていく投資家→サムスンだけが過去最高益に→債券市場が新しい投資先に→今週の韓国経済

財閥寡占化とFTA

韓国の民間企業100社が保有する資産総額は政府資産の95%水準に達することが1日、分かった。

財界専門サイトの財閥ドットコムがまとめた「大韓民国100大グループ」によると、公営企業と民営化した 公営企業を除き、財閥総帥が率いる企業の資産ランキングで、上位100社の資産(2011年末ベース)は合計で1446兆7620億ウォン(約101兆 円)となった。韓国政府が今年5月末に発表した政府の資産総額1523兆2000億ウォンの95%に上る。

政府が保有する資産は緩やかに増加するため、100社の資産は早ければ2012年末に政府の資産規模を超えるとみられる。 100社のうち上位5社の資産は754兆ウォンと、全体の52%を占めた。

サムスングループの資産が279兆820億ウォンで最も多く、現代自動車(154兆7140億ウォン)、SK(136兆4670億ウォン)、LG(100兆7750億ウォン)、ロッテ(83兆3910億ウォン)の各グループが続いた。 100位となったシンドリコーの資産は1兆3150億ウォンで、サムスンの212分の1にすぎなかった。

韓国経済、民間企業上位100社の資産総額が政府試算の95% 上位5社だけで全体の52%

韓国は0.01%の財閥グループが支配する国。それを表したのが上の記事となっている。リーマン・ショック以後、経済格差はここまで進行した。以前にサムスンが韓国政府より上だと指摘したが、韓国ではサムスンが支配階級と頂点となった。

ある意味では、もっとも近未来に韓国は生きている。一企業グループにより、政治と経済の掌握。だが、実際はサムスンと現代以外の財閥グループは切り離されている。

さて、興味深いデータがある。それは欧州とのFTAの成果だ。

>今月から欧州の自動車メーカー各社は、乗用車の価格を一斉に1-2%引き下げ、韓国市場攻略を強化してい る。韓国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)が発効してから1年たち、昨年7月の値下げに続き、追加値下げに踏み切った形だ。1億ウォン(約 690万円)を超える高級車の中には、FTA発効前より1000万ウォン(約69万円)ほど値下げされたモデルも多い。

欧州車の販売がFTA効果で好調な伸びを示す一方で、韓国の国産車は上半期の販売実績が前年同期を6%近く下回り、業界は非常事態に直面している。現代自動車は今月、ソナタを70万ウォン(約4万9000円)、ソナタ・ハイブリッドを250万ウォン(約17万3000円)それぞれ値引きするなどして対抗している。<

韓国経済、韓国とEUのFTA発効から1年 欧州車攻勢、韓国の国産車販売が6%減

FTA政策が韓国庶民に恩恵をもたらすことは何度か指摘した通り。それは国内の寡占化が関税を取り払うことで、欧州市場に対抗するために値段を下げざる得 なくなったためだ。管理人の視点からすれば、韓国、EUのFTAは成功だと思う。庶民は安くで物が購入できるようになった。物価高を抑えるにも貢献した。

韓国企業にとっては失敗かもしれないが、このメルマガはあくまでも韓国経済の分析であって、韓国企業経済の分析ではない。管理人の優先は庶民の暮らしである。

中国依存が鮮明に、サムスンだけが過去最高益

>世界証券市場の5月末現在の時価総額が47兆9000億ドル(約3857兆3869億円)となり、過去最 高を記録した2007年末の78%程度に縮小したと推計された。韓国取引所が25日、国際取引所連合(WFE)に加盟する20取引所の時価総額を集計した 結果を公表した。

世界証券市場の時価総額は、5月に欧州債務危機が再燃したことを受け昨年末に比べ0.43%(2000億ドル)減少し、韓国証券市場でも133億ドルが消失したとみられる。

地域別では欧州債務危機の打撃を受けた欧州地域(アフリカ・中東を含む)の時価総額が昨年末に比べ11.18%減少し、最大の下げ幅を記録した。一方、米州は4.43%、アジア・太平洋地域は3.09%増加した。

アジア・太平洋地域の株式時価総額が世界証券市場に占める割合は31.52%となり、2009年から連続で欧州地域を上回った。欧州地域の割合は25.41%で、2007年末から5.09ポイント減少した。

韓国経済、韓国証券市場の時価総額は昨年末に比べ133億ドル低下

さて、欧州危機、アメリカの景気後退などで、アジア・太平洋地域が人気が高まっているが、韓国からは明らかに投資が逃げている。世界の中国依存が証券市場 からでもよくわかるわけだ。韓国の場合は貿易でもさらに中国依存をしているわけだが。では、次はこの不景気でもなぜか過去最高を記録するサムスン電子であ る。

>【ソウル時事】韓国のサムスン電子が6日発表した今年4~6月期決算(暫定値)によると、 営業利益は前年同期比78.7%増の6兆7000億ウォン(約4690億円)と、四半期ベースで過去最高を記録した。売上高は同19.2%増の47兆ウォ ン(約3兆2900億円)と、昨年10~12月期に次ぐ高水準だった。スマートフォン(多機能携帯電話)の新製品「ギャラクシーS3」の販売好調が業績を 押し上げたとみられる。<

明らかにおかしいわけだが、どうやったらサムスンほどの大きな企業営業利益が78.7%も増えるのか。まあ、そのからくりの正体は韓国での財閥優遇策と ウォン安なんだが。むしろ、サムスン優遇策でもあるんだろうか。サムスンバブルとでもいうべきもの?サムスンについては黒い噂が絶えないので、この発表は あくまでも表向きだと思われる。

だが、韓国は喜んでもいられない。サムスンが過去最高益をたたき出そうが、その配当金は外国人投資家が持って行く。そのために、一生懸命に株価対策をしな ければならない。といっても、サムスンの株価は下がっている。実はこれ市場予測(7兆ウォン)には届いていないのだ。要するにはこれでも失望売りなのだ。

債券市場が新しい投資先に

>3年物国債利回りが韓国銀行(中央銀行)の基準金利である7日物レポ金利を下回る逆転現象が4年ぶりに起きた。6日の債 券市場では、3年物国債利回りが前日を0.04%下回る年3.23%となり、基準金利(3.25%)を下回った。こうした逆転現象は2008年のリーマン ショック当時以来4年ぶりのことだ。3年物国債利回りは、無担保コール翌日物金利(3.25%)も下回った。

債券市場では通常、長期債ほど債券保有者のリスクが大きいため、長期債の利回りは短期金利よりも高い。3年物国債利回りが7日物レポ金利を下回るというのは正常な状況ではない。

逆転が起きた原因は複合的だ。まず、前日に中国と欧州の中央銀行が基準金利を引き下げたことが要因だ。韓銀関係者は 「中国と欧州が利下げを行わなければならないほど、世界景気が悪いのではないかという懸念が高まり、韓銀も基準金利を引き下げるのではないかという期待感 が高まったため、国債に買いが集まった」と指摘した。

国際金融市場では、韓国の国債が一種の安全資産として認識されており、外国人による投資需要が増えている。欧州財政 危機以降、国際債券市場は、米国、ドイツ、英国などの国債が取引される「プレミアリーグ」とスペイン、イタリア、ギリシャなど財政不安の国々の国債が流通 する「マイナーリーグ」に二分化された。

そうした中、韓国は国家財政が比較的安定しており、国債の発行金利も先進国より高いため、「準プレミアリーグ」扱い され、外国人の債券投資を引き寄せている。金融監督院によると、5月末現在で外国人のウォン建て債券保有額は88兆5460億ウォン(約6兆2000億 円)で、上場債券全体に占める外国人の保有割合は7.1%だった。保有額、保有割合ともに過去最大となった。

しかし、債券人気が好ましいとは言い切れない。ソロモン投資証券のイ・ジョンウ・リサーチセンター長は「過度の流動 性が生産に投じられず、債券に集中したことによる怪現象だ。債券バブルが発生し、将来的に基準金利が引き上げられた際、損切り売りが集中し、債券利回りが 急激に上昇する可能性がある」と述べた。

Chosun Online | 朝鮮日報

これは7月7日の最新記事。重要なのは証券市場から逃げた投資が債券市場に集まっていることだ。そして、外国人のウォン建て債券保有額が過去最大となっていること。といっても、まだ全体の保有割合は7%に過ぎない。

新しい動きではあるが、確実に移行するとはいえない。基準金利が引き上げられる可能性は限りなく低いのは韓国の家計 債務が莫大に増加しているためだ。ずっと3.25%に据え置かれている。ただ、こうなってくると、韓国に求められるのが「ウォン高」となる。つまり、これ からウォン高になれば、債券を持っている外国人投資家は儲かるわけだ。

今までウォン安政策で輸出を促進してきた韓国。だが、外国人投資家が債券市場に移行するなら、展開は全く真逆になる。これから債券市場にも注目するほうがいいというのが結論だ。今後の動向をまとめるとこうなる。

韓国内→FTAで寡占化が崩壊 VS 財閥グループ経済格差

韓国外→中国依存高まる。中韓FTA政策でさらに?

外国人投資家→韓国証券市場→韓国債券市場(バブル?)

韓国企業→サムスンの独占が加速!他グループ減収

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 外国人 先物

02日  1851.65 1146.1 490.43 399億 245.7
03日  1867.82 1138.3 493.91 197億 245.5
04日  1867.82 1135.8 495.81 164億 248.4
05日  1875.49 1135.0 497.34 138億 240.4
06日  1858.21 1137.8 497.22 161億 245.6

以上。今週もそれほど大きな値動きはなかった。試験的に先物を入れてみたが先物相場の基準がよくわかっていない。最もそれほど大きな市場ではないのだが。

今週は50回記念として今後の動向を追ってみた。来週は韓国の輸入原油についてだ。今、イランがアメリカやEUの経 済制裁の元に、各国が原油輸入規制し始めた。核開発疑惑のイランと取引を減らすように仕向けられたためだ。韓国はイランからだいたい1割ほど輸入してい た。そのため、イラン輸入ができなくなれば、国内の原油価格も高騰するおそれもある。その辺りを詳しく見ていく予定だ。

50回という記念すべき大台を配信できたことを読者様に深く感謝する。これからも応援のほどをよろしくお願い致します。

 

第49回「サムスン危機なるか。アメリカでサムスン携帯ギャラクシータブ・ネクサス販売差史止めの仮決定

第49回「サムスン危機なるか。アメリカでサムスン携帯ギャラクシータブ・ネクサス販売差史止めの仮決定
配信日:2012年7月1日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今回のメルマガは世界中で訴訟合戦を繰り返しているアップルとサムスンの特許訴訟を巡る争いについてだ。すでに数え切れないほどの訴訟があり、裁判結果が 決まっていくのにはまだまだ長い時間を要する。しかし、少しずつその結果が、仮決定という形で出てきている。では、記事のチャートを貼る。

記事チャート

サムスンの携帯シェア→サムスンのアメリカでのアンドロイドタブレットシェア→サムスンの勝利?→サムスンタブレットの仮差し止め→サムスン携帯仮差し止め→今週の韓国経済

サムスンの携帯シェア

韓国のサムスン電子が今年1-3月(第1四半期)に販売した基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載の携帯電話端末は、全世界で売られた同端末の40%余りに達し、同社は世界最大の携帯電話メーカーとなった。米調査会社ガートナーが発表した。

ガートナーが電子メールで配布した資料によると、世界の携帯販売台数は2%減り4億1900万台となった。低価格モデルの販売減少が響いた。スマートフォン(多機能携帯電話)は45%増えた。

サムスンは米グーグル開発のアンドロイドを搭載した端末で幅広い価格帯モデルを取り揃え、恩恵を受けている。スマートフォン市場におけるアンドロイド端末 のシェアは56%で、米アップルの携帯の2倍余りとなっている。ガートナーは、アンドロイド端末で10%以上のシェアを握っているメーカーはサムスン以外 にはないと指摘した。

米マイクロソフトのOS搭載端末の1-3月のシェアは1.9%。前年同期は2.6%だった。ノキアの携帯電話市場全体でのシェアは19.8%と、アップル の7.9%を上回っている。ノキアが手掛けたシンビアンOS搭載のスマートフォンのシェアは8.6%と、前年同期の約3分の1に落ち込んだ。

サムスンが携帯首位、アンドロイドのシェア40%超-ガートナー – Bloomberg
シェアの数字だけ見ればサムスンの携帯シェア4割を誇る世界一の販売台数がある。後、アメリカのタブレットシェアも見ておこう。

2月の情報だがアマゾンが発売した「Kindle Fire」の売れ行きが凄まじいらしい。サムスンのタブレットシェア15.4%で、こちらも高い。

サムスンのアメリカでのアンドロイドタブレットシェア

>Kindle Fireは2011年11月に発売されて以来高い人気を博し、12月には米国で販売されたAndroidタブレットのなかで早くも29.4%のシェアを獲得。さらに今年2月のシェアは54.4%に達しているという。

これに対し、サムスン(Samsung)「Galaxy Tab」のシェアは合わせて15.4%。また2月時点では、サムスン以外にふた桁のシェアを押さえたメーカーはなく、モトローラ(Motorola)が 7%、アスース(Asus)が6.3%、東芝が5.7%、ソニー(SONY)が0.7%。<


アマゾン「Kindle Fire」、Androidタブレットでシェア過半数に – 米2月(コムスコア調査) – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

まとめておくと、サムスンの携帯シェアが4割。アンドロイドタブレットシェアがアメリカでは1.5割ということになる。これだけでも莫大なシェアなのはおわかりだろう。

サムスンの勝利?

>[アムステルダム 20日 ロイター] スマートフォン(多機能携帯電話)をめぐって米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)と韓国サムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)が世界的な法廷闘争を繰り広げるなか、オランダの裁判所は、アップルが同国でサムスンの特許を侵害していると認定し賠償金の支払いを命じた。

裁判所はアップルの一部携帯電話やタブレットPCで使用されている、インターネット接続に絡むサムソンの特許1件が侵害に当たると認めた。対象機種は 「iPhone(アイフォーン)」3G、3GS、4、「iPad(アイパッド)」1、2で、賠償額は同国での一定の売上高に基づいて決定されるべきとし た。

一方、サムスン側が同様に特許侵害を主張していた他の3件については、侵害を認めなかった。

韓国経済、オランダ裁判所、アップルがサムスン特許侵害認定

この記事だけを読めば、オランダではサムスンが負けたように見えるのだが、この特許侵害については元々侵害しているのをわかっていたようだ。ええ?どういうことなんだって?次の記事を出そう。

 

>今回侵害が認められた特許権は、UMTS技術関連の、業界標準に準拠するために必要な「必須標準特許」とされるもので、FRAND(公平、妥当、非差別的)という原則にのっとった他社へのライセンス提供が求められるもの。

この特許権に関しては、アップルが以前、FRAND原則に準拠した額でのライセンス料の支払いを申し出たものの、金額についてサムスンとの間で合意にいたら なかったという経緯がある。

今回の判決では、アップルからサムスンへの支払いに関し、FFRAND原則に準拠したライセンス料を受け入れるようサムスンに 命じており、アップルの主張も認められた形での判決となった。
サムスン、オランダで勝訴 – 対アップル訴訟、UMTS関連特許で・・・内容はアップルの勝利?

つまり、元々金額について合意いたらなかったので支払いをしていなかったもの。アップルもサムスンが訴訟起こせば100%、特許侵害になることはわかっていた。そして、サムスンはFRAND原則に準拠したライセンス料を受け入れるよう命じられた。つまり、アップルは元々支払う予定の特許料を払うだけでいいことになる。

この裁判の結果、特許侵害が認められたからといって果たしてサムスンの勝利と主張できるだろうか。どう見てもできない。100%サムスンの負けだ。そして、サムスン危機がここから始まるように次の裁判結果が出てきた。

サムスンタブレットの仮差し止め

>[26日 ロイター] 米連邦地裁のルーシー・コー判事は26日、韓国サムスン電子(005930.KS:株価, 企業情報, レポート)のタブレット端末「Galaxy Tab(ギャラクシータブ)10.1」について、米国での販売仮差し止め命令を出した。

韓国経済、米連邦地裁、韓国サムスン電子の「ギャラクシータブ」の米国販売を仮差し止め

ここに来て、アマゾンがシェアを伸ばす中、ギャラクシー・タブ10.1に販売仮差し止め命令が下る。そして、30日の最新ニュースでは、ギャラクシー・ネクサスでも同じ動きが。

サムスン携帯仮差し止め

>米カリフォルニア州の連邦地裁は29日、韓国サムスン電子のスマートフォンについて、米国での販売差し止めの仮処分を命じた。米アップルの特許を侵害している可能性があると判断した。本裁判の行方に影響を与えそうだ。

連邦地裁は26日、サムスン製のタブレット型多機能端末はアップル製品に酷似しているとして同様の仮処分を出した。

今回の対象はサムスンが米グーグルと開発した旗艦モデルの「ギャラクシー・ネクサス」。インターネットや連絡先などから一括して情報を検索できるアップルの特許を理由とした。

韓国経済「アップル特許を侵害の可能性」米地裁がサムスン携帯「ギャラクシー・ネクサス」販売差し止め)

 
このように仮決定ではあるものの、販売差し止めが行われた。訴訟の行方として、サムスンが不利なのかどうかは技術的な特許のために素人ではわからない。ただ「サムスン危機」が現実になる日も来るかもしれない。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 外国人(ウォン)

25日 1825.38 1161.7 484.44 -5060億
26日 1817.81 1158.4 484.34 -3146億
27日 1817.65 1156.2 483.03 -2414億
28日 1819.18 1154.2 485.91 -658億
29日 1854.01 1145.4 489.16 -1593億

今週の動向だがギリシャ危機は一時的に回避されて、次はスペインの動向に焦点が当てられた。管理人の予想通りの低調推移だったわけだが、29日は少し上がっている。これはEUの首脳会談で、スペインの救済の緩和に好意的だったためだ。ここだけ抜粋しておく。

>ヘルマン・ファン・ロンパウ欧州連合(EU)常任議長は首脳会談では、スペイン救済の優先請求権を適用していないなどの条件を緩和し、銀行監督機関の設立とユーロ通貨の安定機構(ESM)の銀行を直接支援可能などで合意したとした。

何はともあれスペイン救済が上手くいけばウォン高、株高となり、駄目なら株安、ウォン高となる。介入がはいるのでそのままダイレクトには反映されないが。韓国の動向を見極めるには難しい。韓国経済ではなく、欧州経済推移であるためだ。

韓国だけなら経済の停滞は避けられないと予想できるが。長期的な展望なら9月辺りから面白くなり、数年は駄目だろう。

以上。今週はこれで終わるが次回は連載50回目を迎えるのだが、韓国経済の今後の展望を記事を書こうと思う。外国人投資家はKOSPIなどの株を切って、債券市場の投資が増加してきている。

記念すべき50回目のテーマとしては面白いと思うので、次回は韓国の債券と今後の展望について特集する。

また、50回も続けて来られたのは購読してくださる読者のおかげだ。これからも応援のほどをよろしくお願い致します。