第51回「イラン産原油輸入再開で中小企業の連鎖倒産を救う」

51回「イラン産原油輸入再開で中小企業の連鎖倒産を救う」
配信日:2012年7月15日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは韓国のイラン産原油輸入の話題。韓国はイランから原油をだいたい1割ほど輸入していたのだが、その輸入がイランへの経済政策のために出来 なくなりつつあった。そして、一度はアメリカから韓国は制裁国の対象となった。そういった経緯を踏まえながら特集していく。では、記事のチャートを貼る。

記事のチャート

EUがイラン産原油輸送船の保険を中断→イラン産原油輸入再開の見通し→今週の韓国経済


EUがイラン産原油輸送船の保険中断

韓国の石油会社のイラン産原油輸入が7月から全面中断される危機に陥った。欧州連合(EU)が施行を控えている対イラン制裁措置の余波だ。イラン産原油の輸入を禁止しようとする米国政府に対し例外国として認められるために交渉を進めている韓国の立場ではまた「欧州暗礁」にぶつかったことになる。

知識経済部のムン・ジェド産業資源協力室長は14日、「原油輸入船舶に対する保険提供を中断するEUの制裁措置がそのまま施行される場合、7月からイラン産原油輸入が中断される恐れがある。EUに対し猶予措置を受けるため最大限説得する一方、原油需給に支障が出る状況に備え、代替輸入先の確保など対策をまとめている」と明らかにした。

3月23日にEUは外相理事会の決定でイラン制裁措置を発表した。これによるとEU加盟国は7月からイラン産原油の輸入を中断しなければならず、イラン産原油を輸入するタンカーなどの輸送手段に対する保険サービスも提供できない。
問題は世界の船舶・貨物・事故賠償責任(P&I)などの再保険市場をEUの保険業界が掌握しているという点だ。韓国の保険会社は海運会社と保険契約をする場合、リスク分散のために欧州の保険会社と再保険契約をする。

欧州の保険会社が再保険を受け入れない場合、韓国の業者は事実上保険加入が難しい。また、事故に備えた保険に加入していなければ外国の港湾への入港が難しい。

イラン産原油は昨年の韓国の原油輸入量の9.4%を占めた。米国の制裁措置が本格化し今年第1四半期には輸入量が昨年比22%ほど減った。

だが、イラン産原油は依然として韓国の輸入分の7.6%を占めており、輸入価格も他の原油に比べ安いため、イランからの輸入ができなくなる場合には韓国市場の需給や価格に相当な影響を与えかねない。

韓国政府は韓国と似た境遇の日本とともにEUに対する説得に出ているが状況は大きく変わっていない。米国のイラン制裁と違いEUの措置には例外を許容する 根拠がない。また、27加盟国で構成されたEUの特性上、意志決定過程が複雑で猶予措置に対する合意を引き出すのは容易でない。

ソース:中央日報日本語版 2012年05月15日09時28分

全文長いんだがこの記事は上手くまとまっているので読んで欲しい。ポイントは保険である。外国船の輸入には海賊などに襲われたり、嵐で船が座礁するなど、 現代でもそれなりに危険がある。そして、世界の保険を取り仕切っているのはアメリカと欧州なのだ。中東は欧州に近いので、 当然、欧州の独壇場となる。

この保険についての知識がある人はほとんどいないだろう。だが、世界は保険というシステムによって守られている。船の保険以外にも、空港、荷物、海外旅行傷害保険など、様々な保険が存在する。何かあったときに賠償してもらえる保険というシステム。それがなければ外国に物一つ運ぶことだって難しいわけだ。

まとめると、EUは27カ国あるので猶予措置を引き出すのは無理となる。つまり、このままではイラン産原油は輸入できない。そして、イラン産原油輸出に頼っているのは韓国の2900社の中小企業なのだ。

輸出と輸入はイコールと考えて欲しい。輸入があるから輸出ができると。輸入がなくなれば輸出は出来なくなる。それが中小企業の連鎖倒産につながる。

韓国政府はまずアメリカから制裁を解くように交渉する。イラン産原油を10%~20%輸入減らす条件で制裁国から免れる。もう一つの保険問題はどうするか。それについてはイランがこのような提案をしてきた。

イラン産原油輸入再開の見通し

韓国政府は国内の石油元売り各社に対し、イラン産原油の輸入再開方針を伝えた。この決定を受け、今後は石油 元売り各社とイラン側との間で輸入再開に向けた細かい条件について合意に至れば、来月中にはイランからの原油輸入が再開される見通しとなった。同時に、イ ランに商品を輸出する韓国の中小企業およそ2900社にとっても、輸出再開の道が開けそうだ。

韓国政府と石油元売り各社が13日に発表したところによると、韓国政府は最近、イランから提案された取引再開の条件 に対する検討を終え、元売り各社に輸入再開の方針を伝えたという。イラン産原油の輸入中断は、欧州連合(EU)が船舶保険の提供を中止したことが大きな理 由の一つだったため、イランは韓国政府に対し、自国が保有するタンカーで原油を運搬することと、船舶保険の提供を提案した。

ある石油元売り会社の関係者は「(韓国)政府から口頭で、イラン船籍のタンカーの入港を許可すると言われた。これを受けてイラン側とは、保険の適用に向けた具体的な協議を開始する予定だ」と述べた。

イランから韓国まで原油を輸送するには20日ほど要するため、協議が早期に妥結すれば、8月中にはイラン産原油が韓国に到着するものとみられる。

韓国石油公社によると、イランで生産される原油は1日当たり280万から330万バレル。また、韓国の石油元売り各社が昨年イランから輸入した原油は8718万バレルで、イランで生産される原油全体のおよそ7-8%に当たる。

米国は先月、今年の原油輸入量を前年に比べて10-20%ほど減らす条件で、韓国を制裁の適用除外国として認めた。あとは保険の問題さえ解決すれば、原油輸入の障害はなくなる。(省略)

韓国政府が外交摩擦を予想しながらあえてイラン向け輸出の再開に踏み切ったのも、中小企業の連鎖倒産を懸念したからだ。韓国からイランに商品を輸出している企業のおよそ90%以上は中小企業だ。

これでお互いハッピーという感じだが、問題はEUである。外交摩擦の恐れがあると書いてあるが、どのような影響があるかは不透明過ぎる。イランのタンカーが襲われなければいいのだが。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 外国人 先物

09日 1836.13 1141.1 495.23 3320億 242.4
10日 1829.45 1143.7 492.34 -1144億 242.0
11日 1826.39 1140.9 491.93 -2405億 240.9
12日 1785.39 1151.5 486.38 -2389億 236.2←基準金利引き下げ3%に
13日 1812.89 1150.3 484.32 -2430億 238.7

以上。今週の韓国経済では予期せぬことが起こった。それが韓国政府が基準金利を3%(0.25%下げ)に引き下げたことだ。管理人は凍結するものだと思っていたので、これは予想外だった。市場もそのようで失望売りで12日は下がっている。

だが、どの程度影響が出るのか判断するのは難しい。お金が借りやすくなって市民は不動産不況に悩まれている救いにはなるんだろうか。ただ、家計債務と不動産不況はある意味、繋がっているのでこの二つは同次元で解決する必要がある。

今週はこれで終わりだが、次回はその不動産の状況について見ていく。久しぶりの不動産特集だがあれからどうなっているのか。バブルは弾けているのか。楽しみにして欲しい。

読者様の購読に深く感謝する。これからも応援のほどをよろしくお願い致します。

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