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第68回「韓国の大統領、不正土地購入疑惑で大統領官邸が家宅捜索!?1080ウォンからの介入」

第68回「韓国の大統領、不正土地購入疑惑で大統領官邸が家宅捜索!?1080ウォンからの介入」

配信日:2012年11月25日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは、韓国の大統領、不正土地購入疑惑についてだ。現、韓国の明博大統領が不正土地購入に関与したかどうかの証拠品捜しで、捜査の対象が大統領府にまで及ぶこととなった。これは前代未聞のことであり、日本の首相官邸が家宅捜査されるようなものだ。

現、韓国のトップがここまで捜査の対象となるのは異例のことではあるが、実はこの事件、結論から述べると、うやむやで終わりを迎える。黒か白かでいえば、 黒に近いグレーというところで、捜査は突然、打ち切りとなる。今後、捜査が行われるかはわからない。では、記事のチャートを貼る。

記事のチャート

大統領夫人に事情聴取→大統領府、家宅捜索の令状取得→韓国の大統領、家宅捜索を拒否→大統領夫人が関与していない陳述書→今週の韓国経済

大統領夫人に事情聴取

>【ソウル聯合ニュース】 李明博(イ・ミョンバク)大統領の私邸用地の不正購入疑惑を捜査している特別検事チームは5日、金潤玉(キム・ユンオク)大統領夫人に対し、事情聴取を行 う方針を決めたと明らかにした。青瓦台(大統領府)と時期や方法などを調整しているという。<

これは後に書面での事情聴取に変更された。本当に大統領の身近にいる者が関与している可能性が出てきた。そして、さらに事件の捜査は進められていく。

大統領府、家宅捜索の令状取得

>韓国の李明博大統領の私邸用地の不正購入疑惑で、韓国メディアは11日、特別検察官が大統領府の警護所に対する家宅捜索令状を取ったと報じた。

大統領府への家宅捜索は過去に例がなく、実行されれば史上初。早ければ12日にも捜索令状の執行を試みる可能性がある。

ただ、国家機関に対する捜索には当該機関の同意が必要とされ、特別検察官が大統領府側と捜索方法や時期について調整しているとみられる。捜索令状を提示して大統領府に妥協を迫り、資料を任意提出させる可能性もある。<

家宅捜索は行われるのか。ワクテカして、続報を待っていた。

韓国の大統領、家宅捜索を拒否

【ソウル聯合ニュース】李明博(イ・ミョンバク)大統領の私邸用地の不正購入疑惑を捜査している特別検事チームは、12日午後からソウル市鍾路区の金融監 督院研修院で青瓦台(大統領府)警護処に対する家宅捜索を行おうとしたところ、青瓦台側がこれを拒否した。これにより史上初となる青瓦台の家宅捜索は事実 上、不発となった。

特別検事チームは捜索令状に記載された条件により、強制家宅捜索に先立って任意提出の形式で関連資料を受け取った。提出された資料を捜査した結果、十分な証拠が得られなかったと判断。家宅捜索実施を通告したところ、青瓦台側は刑事訴訟法規定により承諾できないと拒否した。

特別検事チーム関係者は「今日の家宅捜索は、執行不能なので終了する」と話した。特別検事チームは青瓦台側と家宅捜索の場所として調整した同研修院で捜索令状を提示し、任意提出の形式を取って警護処のコンピューターハードディスクと私邸用地の購入契約関連書類を確保した。

( 韓国大統領府 家宅捜索を拒否=土地不正購入疑惑 (聯合ニュース) – Yahoo!ニュース)

韓国の刑事訴訟法の規定まではわからないが、明らかに疑惑だけが残る形で家宅捜索は行われなくなった。

大統領夫人が関与していないと陳述書

韓国の李明博大統領の私邸用地不正購入疑惑で、特別法で設置された特別検察官は13日、李大統領の金潤玉夫人から、問題の土地取引には関与していないとの趣旨の陳述書提出を受けた。聯合ニュースが報じた。

特別検察官は12日に大統領府の家宅捜索を試みたが大統領府が拒否し、疑惑の真相を見極める資料を得られていないとみられる。特別検察官は14日に捜査期限を迎え、捜査結果を発表する。

疑惑は、李大統領が長男の李始炯氏の名義で土地を購入し、購入資金の一部を大統領府が公金で肩代わりして国に損害を与えたとの内容。(共同)

(韓国大統領夫人が陳述書 土地疑惑、捜査終結へ – MSN産経ニュース)

結局、大統領夫人の陳述書は関与していないとのことだけ。捜査の延長の要請をしても認められず、これにて打ち切りとなった。

野党からの批判はもっともだが、これが大統領権限というものだ。しかし、任期が終わればただの人。大統領でなくなった時からが捜査の本番かもしれない。

しかも、長男は不起訴と、極めて後味の悪い終わり方なのだが、司法の独立がどこまで許されるかという極めて重要な焦点もあったので、これがこのまま沈静化はしないだろう。このような政治腐敗は韓国の恥ずかしい伝統だと、朝鮮日報や中央日報が社説で批判している。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

19日 1878.10 1087.00 493.14 246.50 -1383億
20日 1890.18 1082.20 496.66 248.30 548億
21日 1884.04 1083.20 492.19 247.15 1375億
22日 1899.50 1085.90 497.03 249.95 -386億
23日 1911.33 1086.05 498.82 251.90 1625億

終値の数値だけではわからないが、21日に1080ウォンを超えそうだった。その時、韓銀は為替介入した。その結果、1080ウォンから1084ウォンと なり、後の二日は介入を警戒しながらのウォン安へと触れている。5日チャートで見れば見事にワロス曲線が再現されている。

今週末までには6ウォンほど下がった。1週間前と見た目は変わらないが、大規模な介入は韓銀の限界ラインを禿げに教えるもの。韓国政府のスムージングオペレーション効果は一時的なものと思われる。来週もウォン高の圧力が続くだろう。

しかし、為替介入が来る以上は、さらに戻す可能性もある。1100ウォンまでは危険水域認識でいいと思われる。

今週はこれで終わりだが、来週の予定は最新の韓国の不動産について特集したい。ただ、延期していたナロ号の打ち上げが29日にあり、北朝鮮がその後に、ミサイル発射するかもしれないというニュースがある。

この辺りは流動的なのでいかんともしがたいが、地政学的なリスクにおいて、北朝鮮がミサイル実験を始めた場合には韓国経済にも色々な影響があるので注意したい。

読者様の購読にいつも感謝する。これからも温かい応援のほどをよろしくお願い致します。

第67回「今週もウォンは最高値を更新。現代自動車の燃費水増し問題で破産するまで補償することに」

第67回「今週もウォンは最高値を更新。現代自動車の燃費水増し問題で破産するまで補償することに」

配信日:2012年11月18日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは、ウォン高で苦戦する自動車産業の現状と現代自動車の燃費水増し問題を特集する。前者のウォン高はヘッジファンドに仕掛けられているわけだが、後者は現代自動車の自業自得なので同情の余地すらない。

ウォン高における韓国企業が耐えられる最重要防衛ラインは1085ウォン。ここを過ぎると為替高で利益が吹きとんでしまう。まずはこの辺りから見ていこう。では、記事のチャートを貼る。

記事のチャート

時価総額が1ヶ月で12兆ウォンほど消える→現代・起亜車の燃費水増し→7億7500万ドルの集団提訴→現代・起亜自動車の株価大暴落→今週の韓国経済

時価総額が1ヶ月で12兆ウォンほど消える

韓国ウォンが今年の最高値を更新し、代表的な輸出業種の自動車関連株の時価総額が12兆ウォン(約9000億円)ほど消えた。自動車業種の株価はすでに大きく落ちたが、ウォン高ドル安のペースによってはさらに落ちる可能性もある。

30日の金融投資業界によると、現代車、起亜車、現代ウィア、現代モービスなど自動車関連4銘柄の時価総額は1カ月間に12兆ウォンほど減った。特に29 日の終値基準で起亜車の株価は6万ウォンを割った。この日の取引中、一時1年ぶりの安値水準となった。1カ月間に時価総額が4000億ウォン減った。

現代車は1カ月間に株価が9.13%落ち、起亜車は14.21%、現代モービスは10.1%、現代ウィアは6.78%値下がりした。同じ期間、KOSPI(韓国総合株価)が4.66%下落したのに比べて落ち幅が大きい。

自動車関連株がこのように急落したのはウォン高ドル安で成長が止まるという懸念が強まったからだ。現代・起亜車は輸出の比率が75%を超える。韓国ウォンが10ウォン値上がりすれば、現代車の売上高が1200億ウォン、起亜車は800億ウォン減少するという推定値もある。

(ウォン高の直撃弾…韓国の自動車関連株の時価総額1カ月で12兆ウォン減 | Joongang Ilbo | 中央日報)

これは10月31日の記事で少し古いのだが、ウォン高の影響を受けて自動車関連株はだだ下がりしている。つまり、1085ウォンから仮に1000ウォンな どになれば、それぞれを8×1200億ウォン、8×800億ウォンと計算しても。現代自動車は9600億ウォン。起亜車は6400億ウォン。

合計で1兆6000億ウォンの売上高が減少することになる。だいたい、日本円に直すとだいたい1000億円ぐらいとなる。1000ウォンのウォン高は予想 範囲内なので、ここまで行くと利益は確実に吹っ飛ぶことだろう。こんな単純な計算にはまずならないが、韓国の自動車産業に降りかかるウォン高の恐怖は十分 伝わったのではないだろうか。

さて、このような非常事態の中に、現代・起亜自動車はアメリカで燃費を水増ししていたことが発覚する。

現代・起亜車の燃費水増し

現代・起亜(ヒョンデ・キア)車が北米市場で販売中の一部の車の認証燃費を自発的に引き下げる。

米国で販売される2011-2013年型モデル20車種のうち13車種の燃費が誇張されたという米環境保護局(EPA)の調査結果に基づくものだ。

また現代・起亜車米国法人は、該当車を購入した消費者に車の所有期間、燃費の差に相当する金額を補償することにした。該当車を購入した北米地域の顧客は90万人と推測される。

AP通信などは2日(現地時間)、「ある製造会社で燃費誇張の事例がこのように明らかになったのは初めて」とし「米国政府の制裁と数百万ドルの消費者補償の可能性がある」と報じた。

EPAは調査について、「消費者から現代・起亜車の燃費が誇張されているというクレームが10余件以上あったため」と明らかにした。

現代・起亜車が燃費表記を引き下げる車種は起亜車6車種、現代車7車種。ベストセラーモデルの現代車ソナタと起亜車オプティマ(国内名K5)は変更の対象から除外されたが、サンタフェ・エラントラ・スポーテージ・ソウルなどの主要車種が含まれた。

90万台のうち58万台は認証燃費を1ガロン(3.78リットル)当たり1マイル(1.6キロ)、24万台は2マイル、8万台は3、4マイル引き下げることにしたと、海外メディアは伝えた。

現代車側は「決して意図的なものではなく、米国燃費試験手続き上の規定の解釈と試験環境・方法の違いによる」と説明した。

現代・起亜車北米法人は燃費の変更に基づき、該当車を購入した顧客に地域燃料価格などに基づいて補償すると明らかにした。また不便による補償(燃費補償額の15%)も追加でする予定という。

例えばフロリダ州に住む該当車所有者が1ガロン当たり1マイルの燃費差があり、年間1万5000マイル(約2万4000キロ)を運転した場合、補償される 費用は年間88ドル。90万人が毎年88ドルを受けると仮定する場合、現代・起亜車が補償する金額は年間7900万ドルとなる。

現代車の関係者は全体補償額について「各州で燃料価格が違い、顧客別に走行距離が異なるため、いくらになるかは分からない」とし「これまで積み立てた販売保証引当金で充当できる規模」と話した。

2012年11月03日08時55分 [中央日報/中央日報日本語版)

素早い対応をしているようだが、北米アメリカの住人がこんなぐらいの補償金額で許すはずもない。そこで購入者を代表して集団提訴が行われた。勝つのはわかりきった訴訟。多額の賠償金が簡単に手に入る。

7億7500万ドルの集団提訴

現代・起亜自動車を買った米国消費者23人が6日(現地時間)、米国ロサンゼルスにあるカリフォルニア連邦裁判所に7億7500万ドル(約8400億ウォン)の損害賠償を請求する集団訴訟を起こした。

彼らは訴状で「現代自・起亜自が出した補償案は燃費が下方調整されたのに伴った中古車価値下落分が含まれていない」として「中古車価値が下がったことに対し経済的損失まで賠償を」と要求した。

また、現代自・起亜自が不公正競争防止および消費者救済法に違反したと主張した。彼らは燃費が調整された車両を買った米国消費者90万人全体を代表して7億7500万ドルの損害賠償を請求した。

1人当り860ドル(約94万ウォン)の賠償を受けなければならないと計算したわけだ。

原告団は訴訟代理人として米国、シアトルにある法務法人(ローファーム)「ハーゲンス・バーマン」を選任した。

自動車専門紙であるオートモチーフニュースによると集団訴訟専門担当者がローファームはトヨタ自動車を相手に進行中である急加速事故に対する訴訟を主導しているローファームの中の1つだ。

これに先立ち、今月4日には米国、オハイオ州で現代・起亜自を購入した3人が燃費誇張で被害を受けたとし、補償するよう訴訟を起こした。補償要求金額は明らかにされていない。

(韓国経済、“8400億ウォン(7億7500万ドル)賠償”米国で現代・起亜車集団訴訟)

当然、この賠償金は現代・起亜自動車が補償する88ドルとは別である。それの10倍ほどが要求されている。これが鵜呑みで通ることはないにせよ、88ドル なんて少なすぎるのは言うまでもない。明らかに詐欺の手口だ。その燃費の悪さを知っていたなら購入しなかったかもしれないからだ。

つまり、ウォン高と燃費水増しによる信用力の低下と賠償で現代・起亜自動車はこれから窮地に陥っていく。その最初の反動をご覧頂きたい。

現代・起亜自動車の株価大暴落

米国環境保護庁(EPA)の勧告を受け、現代・起亜自動車が北米で販売している13モデルの燃費表示を下方修正し、消費者に補償を行うと発表したことで、同社関連銘柄の株価が暴落している。

5日にソウル株式市場では、時価総額2位の現代自動車、3位の現代モービス、5位の起亜自動車の株価が4-7%急落し「自動車産業が韓国経済を揺るがせた」との声も聞かれた。

米国メディアは今回の事件が最近業績好調だった現代・起亜自にとって打撃になると予想した。ウォール・ストリート・ジャーナルは「現代・起亜自は燃費を売 りにしてきただけに、評判に傷が付くことになりそうだ」と報じた。現代自グループ側は「株式市場の反応があまりに厳しい」として戸惑いを隠せず、5日午前 には緊急対策会議も開いた。

現代・起亜自は4日付のニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなど主要紙に謝罪広告を掲載し、該当車両の購入者に対する補償プログラムの内容を詳細に説明した。

米国内の販売業者を対象としたテレビ会議を開き、状況を説明するとともに、謝罪も行った。現代・起亜自は「迅速な対応に現地の反応は好意的だ。米国では今回の事態が特に話題にならないほど沈静化した」と指摘した。

カリフォルニア州の販売店経営者は5日、「注文が殺到している状況で懸念したが、キャンセルはまだない。本社の対応が顧客に評価されているようだ」と話し た。しかし、今回の事態が長期化し、補償金額が予想よりも膨らむとの懸念も聞かれる。現代・起亜自は米国市場で90万台を対象に9070万ドル(約73億 円)の補償を行うとしている。

しかし、カナダでの販売分12万台を追加しなければならない上、補償を受けた消費者も転売または廃車まで補償を受け続けることができるためだ。アメリカは自動車の維持費も安いので乗らなくて放置するだけでも新車が買えてしまいそうだ。

(記事は11月6日の朝鮮日報)

朝鮮日報の記事なので信用はほとんど出来ないが沈静化なんてするはずもない。カナダが新しく追加されて、補償も一生涯となってきた。

消費車は持っているだけでお金が入る宝を手にいれたようなもの。現代・起亜自動車はアメリカ・カナダ市場でとんでもない爆弾を抱えてしまったことになる。おそらくこの問題で現代・起亜はアメリカを撤退することになるだろう。

さて、管理人はこれがアメリカやカナダだけの問題とは思っていない。おそらく、世界中で同じようなことを現代・起亜車は行っていると推察できる。欧州、中国、韓国辺りを調べると色々出てきそうな予感がする。

さて、話はこれだけでは終わらない。当然、中古車価格にも影響が出る。そうなってくると中古車も補償対象になるとおもうのだが、現在の所、そのような補償はしていないようだ。

現代・起亜自動車が相当躓いたことで、GMをはじめとするアメリカ企業、または日本企業がそのチャンスを逃すはずはない。クリスマス商戦が楽しみだ。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

12日 1900.87 1088.60 521.43 249.25 -1542億
13日 1889.70 1089.90 513.80 -357億
14日 1894.04 1084.90 503.24 248.30 -740億←スムージング
15日 1870.72 1086.70 493.84 244.40 -2612億
16日 1860.83 1092.20 482.99 243.65 -1386億

今週はウォン高への最高値を少し更新したのだが、結構な頻度の介入があったことがチャートから読み取れる。朝に介入してウォン安にした後、昼までにウォン高となっている日が多かった。

特に14日のウォン市場は最高値を更新した。スムージングオペレーションが何度も行われたようで、朝1088ウォンから階段のように下がって1084.90ウォンまであげている。

ウォンに注目が行きがちだが、なにげにKOSPIが1860まで下がっている。もう一つの気になる動きとして中国株も暴落している。アジア株は日本以外は軒並み下げている。

今週の日経平均は野田総理の解散宣言で瀑上げして9000円台を回復した。どれだけ民主党政権が投資家に期待されていなかったがよくわかる。

以上。今週はこれで終わりにする。さて、次回予告だが、今週、韓国の大統領が例の不正土地購入疑惑に関与しているかどうかの捜査が行われていた。そして、韓国大統領邸が家宅捜査の対象となった。前代未聞の家宅捜索が本当に行われるのか。楽しみにしてほしい。

読者様の購読に深く感謝する。これからも応援のほどをよろしくお願い致します。