第71回「韓国の相次ぐ原発事故。部品偽造、原発の事務室で覚醒剤使用と問題が山積み」

第71回「韓国の相次ぐ原発事故。部品偽造、原発の事務室で覚醒剤使用と問題が山積み」

配信日:2012年12月16日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週の韓国経済は電力事情とも関連する韓国の原発事故である。日本ではほとんど報道されないが、韓国では原発事故が相次い でいる。しかも、ただの事故だけでは済まない。核心部品偽造から、事務室で覚醒剤使用ととんでもないことが多発している。では、記事のチャートを貼ってい く。

記事のチャート

新月城原子力発電所1号機が稼働19日で故障→原発事務室で覚醒剤使用→品質検証書を偽造→核心部品17個も偽造→今週の韓国経済

新月城原子力発電所1号機が稼働19日で故障

慶尚北道(キョンサンブクド)の新月城(シンウォルソン)原子力発電所1号機が19日に故障により停止した。先月31日に商業運転を開始してからわずか19日だ。

新月城1号機は年初からの試運転期間にも部品異常など3回にわたり故障を起こしており、安全性に対する不安が大きくなっている。不足する電力需給にも支障が懸念される。(途中省略)

今回の故障は国際原子力機関(IAEA)が定めた7段階の事故レベルのうち安全に異常がない「0等級」に相当すると韓国水力原子力は明らかにした。原発運 営時に発生する軽微な事故という説明だ。しかし新月城1号機が1月の試運転後に相次いで停止事故を起こしたという点から安全性をめぐる議論は簡単には静ま りそうにない。(途中省略)

最近このような原発事故が頻発している。霊光(ヨングァン)原発6号機は先月末に制御棒装備に電気を供給する発電機が故障して停止し、猛暑が猛威を振るっ た5日に再稼働した。電源供給に異常が生じて稼動が中断された古里(コリ)1号機も5カ月ぶりに今月初めに再び稼働した。

今年に入って韓国内23基の原発で起きた事故は新月城1号機を含め3件に達する。韓国水力原子力は昨年の7件をはじめ毎年同規模の事故が発生していると明らかにした。日常的という説明だ。

ソウル大学原子核工学科のファン・イルスン教授は、「原発は部品100万個が必要とされる複雑な設備だが竣工初期と老朽化時期に故障率が多い。

古い原発も管理しなければならないが新設発電所の管理策も強化しなければならない」と話した。だが、韓国水力原子力は原発の試運転期間中に発生した停止事故に対しては集計さえしていないことが確認された。

(http://japanese.joins.com/article/799/157799.html?servcode=400&sectcode=430)

これは2012年8月20日の中央日報の記事だ。これ一つの記事を読むだけでどれだけ韓国で原発事故が相次いでいるのが良くわかる。大きな原発事故が起き ていないだけで、これが日本より安全だと到底いえるはずもない。そして、この原発事故で覚醒剤を勤務中に使用していたことが明らかになる。

原発事務室で覚醒剤使用

韓国水力原子力(韓水原)古里(コリ)原子力本部の職員が覚せい剤を使用した容疑で検察の捜査を受けている。覚せい剤の投与は事務室でも行われたことが分 かった。今年に入って停電事故の隠蔽と納品不正で物議をかもした古里原発の勤務規律弛緩がどれほど深刻なレベルかを見せている。

釜山地検は古里原発災難安全チーム所属の2人を麻薬類管理に関する法律違反容疑で拘束したと昨日、明らかにした。2人は暴力団関係者から覚せい剤を入手し、数回にわたり使用した疑いだ。うち1人は勤務時間に災難安全チーム事務室で使用したことが分かった。

2人は原発施設で発生するおそれがある火災などに対処するため、古里原発側が別途に運営する消防隊の所属だ。原発関係者は「該当職員の業務は火災鎮圧などに限定されていて、発電設備の運営とは直接関係はない」と述べたという。

しかし職員の覚せい剤使用を個人レベルの問題と済ませるのは難しい。その間、古里原発では理解しがたいことが相次いだからだ。2月には発電機の故障で電力の供給が中断したが、これを隠ぺいしたことが後に明らかになった。

7月には納品会社から金を受け取った容疑で幹部が多数拘束された。結局、停電・隠蔽の責任を取って韓水原の社長が辞退し、納品不正捜査時は強力な経営刷新を誓う役職員決意大会を開いた。

(http://japanese.joins.com/article/341/160341.html?servcode=100&sectcode=110)

事故の隠蔽などの不正なんて当たり前、しかも、災害安全チームが事務室で覚醒剤を使用している。こんな状態で今まで大きな事故が起きていなかったことが不思議に思える。

韓国社会の裏に潜む、このような事故の隠蔽体質はどのジャンルにもあるわけだが、一歩間違えたらメルトダウンの恐れもある原発でこれとは調べていて恐怖した。だが、こんな物では済まない。運営や管理がずさんなら、その部品を提供する企業にも不正が横行する。

品質検証書を偽造

「原発部品」の管理に10年間穴が空いていたが、独立的な安全規制当局である原子力安全委員会も、原発産業政策責任者である知識経済部もこれを全く知らなかった。

問題が明らかになったのはにせ物部品と中古部品納品不正事件と同じく外部からの情報提供のおかげだった。知識経済部と韓国水力原子力は5日、品質検証書を偽造して輸入した原発部品が2003年から2012年にかけ韓国内5カ所の原子力発電所に供給されたと発表した。

該当部品が大挙投入された全羅南道(チョンラナムド)の霊光(ヨングァン)5・6号機はこの日から稼動を止め、年末までに部品を全面交換することにした。原発2基が一度に停止し、今年の冬は過去に例がない電力難は避けられない見通しだ。

知識経済部の洪錫禹(ホン・ソクウ)長官と韓国水力原子力の金均燮(キム・ギュンソプ)社長はこの日の緊急記者会見で、「国内の納品業者8社が10年間に提出した海外機関の品質検証書60件が偽造されたことが確認された。

検察に捜査を要請した」と明らかにした。金社長は、「9月に外部から情報提供を受け調査に着手した」と話した。該当部品はヒューズ、温度スイッチ、冷却ファンなど237品目の7680点に達した。

これらの部品は古里(コリ)、月城(ウォルソン)、蔚珍(ウルチン)、霊光の4カ所の原発本部に供給されたが、部品が使われたのは霊光3~6号機と蔚珍3 号機の5基だった。実際に使われた部品5200点余りのうち98%が霊光5・6号機に集中投入されたことが確認された。(後は省略)

(http://japanese.joins.com/article/609/162609.html?servcode=400&sectcode=430)

このように品質検証書の偽造が明らかとなり、それを10年間誰一人気づかなかった。まさか、さすがに核心部品の偽造までしていないだろうな・・・・・・と、思った矢先、やっぱり偽造していたことが判明する。

核心部品17個も偽造

民官合同調査団に摘発された部品は、ほとんどが原子力発電所の安全を脅かすほど重要なものだ。国内試験成績書を偽造して摘発されたのは180品目で、部品 数は1555個。うち海水取水ポンプに入る8品目17部品は原発の安全と直結する。これまで摘発された品目をすべて合わせると、計370品目、部品数は1 万100個にのぼる。

海水取水用ポンプ内の核心部品であるインペラー・バルブ・ウェアリングも含まれている。このポンプは原子炉以外の原発機器の過熱を防ぐ冷却水の熱を海水を引いて冷ます役割をする。冷却水を海水でまた冷却するということだ。

インペラーはポンプ内にある羽根車で、水を引き込む。バルブはそのポンプの流入口を開閉し、ウェアリングはインペラー周辺の摩耗を防ぎ、密閉する役割もす る。このポンプがきちんと作動しなければ、各種計測器など原発内の機器が過熱し、誤作動する可能性が高い。その場合、原発の状況を正しく把握するのが難し くなる。

このポンプは非常用発電機が稼働すれば、その熱を冷ますための冷却水をまた冷却したりもする。ポンプが故障すれば、非常時に作動する非常用発電機が過熱で停止する可能性もある。この場合、原発全体の電源供給が中断するおそれもある。

ポンプは非破壊試験成績書を偽造した。非破壊検査は、部品を分解できないため、内部に亀裂がないかどうかを超音波やX線で内部をのぞいて見る検査法。こうした検査をしない場合、部品に異常があっても確認できない。

外国の品質検証書を偽造したことが確認された継電器・フューズ・スイッチは電源系統の安全と直結する。継電器は異常電流を感知して電源遮断機に信号を送り、作動させる役割をする。

異常電源監視装置ということだ。継電器が不良品なら、異常電流をきちんと確認できず、電源を遮断すべき時に遮断できない。電源を遮断すべきでない時に遮断 するなど誤作動が起こる可能性もある。結局、電源系統に異常が発生すれば、原発が突然停止するなどの深刻な事故が発生する。

原子力安全委員会のオム・ジェシク安全政策課長は「この10年間に国内会社が納品した安全等級部品に対し、試験成績書の偽造がないかどうか全数調査する計画」とし「原発の安全を脅かすことが再発しないよう改善対策を用意していく計画」と述べた。(後、省略)

(http://japanese.joins.com/article/445/164445.html?servcode=400&sectcode=430)

再発防止とかのレベルじゃない。核心部品に偽造とか、本当に何かあったときに大惨事一直線だろうに。韓国の原発が安全なんていう言葉はどこにもない。部品 からして老朽化以前に偽造されている。不正するにもほどがあるだろうに。もし、何かあったら韓国の一都市が全滅するのだ。

このようなことが日本ではほとんど報道されてない。韓国の電力事情もそうだが、韓国旅行がどれだけ危険かがわかるだろう。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

10日 1957.42 1079.00 489.59 259.15 1246億
11日 1964.62 1076.70 481.59 260.10 1970億
12日 1975.44 1075.00 485.33 262.00 2095億←北朝鮮ミサイル発射
13日 2002.77 1073.00 490.15 264.90 5391億
14日 1995.04 1074.60 491.65 264.85 123億

今週の韓国市場は北朝鮮ミサイル発射といったイベントの他に、アメリカのQE4政策といわれる量的緩和の期待、長期国債の買い入れ継続などでドルが売られた。おかげで1070ウォン目前に迫ったわけだが、今週は表だった韓国銀行の介入が見られない。

そのせいもあって、ウォン高がかなりの速さで進行したといえる。ただ、1070ウォンを突破すれば、介入するという警戒感があり、そこまでは進まなかった。

だが、来週は日本は総選挙、アメリカは財政の崖問題で議会は紛糾している。また、欧州はイタリアの借金が2兆ユーロ突破などと悪材料が色々ある。日本は選挙の結果で円安になると思われるが、来週は為替が大きく動く可能性が高いので手を出すのは控えたほうが良いだろう。

来週の韓国市場は1075ウォン付近だと思われる。ただ、介入するかしないかは韓国銀行の判断が怪しい。韓国も選挙前なので、ウォン高で放置するのは票に響くと思う。

以上。今週はこれで終わるが、来週はサムスンと他企業を比較して韓国経済の表と裏に迫ろうと思う。表はサムスン帝国がますます好調で韓国経済は絶好調だと吹聴されること。その裏ではサムスンや現代以外の韓国企業は全てぼろぼろになっているという現実。

どちらを強調するかで韓国経済の見方も変わってくる。管理人はサムスンだけは韓国経済で勝ち組なら、他が死んでもいいというのは好まない。サムスンこそが 韓国人が真に潰すべき企業の筆頭である。だが、それが出来る時代は終わった。今はサムスン帝国の下に韓国という国がある。

今年一年の韓国経済の総括もまさにそれである。結局、サムスンや現代の株価だけが大幅上昇している。

読者様の購読に深く感謝する。これからも温かい応援のほどをよろしくお願い致します。

0 0 vote
Article Rating
Subscribe
Notify of
guest
0 Comments
Inline Feedbacks
View all comments