日別アーカイブ: 2015年12月8日

第80回「韓国1月の貿易収支 2年ぶり赤字転落 欧州とのFTA成果で縮小!」

第80回「韓国1月の貿易収支 2年ぶり赤字転落 欧州とのFTA成果で縮小!」

配信日:2013年2月24日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週の韓国経済は、韓国の貿易収支について見ていく。近年、韓国では盛んに各国とのFTA政策を明博大統領が進めており、特に重要なのが欧州とアメリカの FTAだった。このほかにも韓国は中国とのFTA政策を進めているわけだが、重要なのはそのFTA政策の効果でかえって赤字額を増やしているということ だ。

お互いの関税を撤廃して輸出を増やすことで貿易黒字を増加させていくというのはFTA政策の目的だったのに、どういうわけかEUとのFTAでは逆に輸入が増えて輸出が減ってしまっている現状が出てきた。

この理由に欧州債務危機に伴う景気鈍化を上げる人は多いが、それなら2009年、2010年、2011年でも貿易赤字になっているはずなのだ。欧州債務危機は2012年だけの話ではないので、これだけが理由とは考えにくい。

しかし、このメルマガでFTAについて解説したときの記事を読んでくださっている読者ならこうなることは予想済みだったと思われる。では、記事のチャートを貼っていく。

記事のチャート

韓国1月の貿易収支→韓国対EU貿易収支→輸入物価と輸出物価→今週の韓国経済

韓国1月の貿易収支

2013年1月

輸出 413億5000万ドル(約3兆2451億円)(前年同月比0,.7%減
輸入 433億8000万ドル(約3兆2451億円)(前年同月比3.3%増)

貿易赤字 20億3000万ドル貿易収支が赤字となるのは2年ぶり

原因:年末の輸出集中や旧正月連休による操業日数の減少などの季節要因や、米国、欧州連合(EU)などの景気低迷による輸出鈍化や原材料の輸入増加

■主な輸出品

石油製品が39.5%)

乗用車(2.2%増)

鉄鋼(0.3%増)

無線通信機器(30.7%減

船舶(43.7%減

■主な輸入品

資本財

原油(17.5%増)

石炭(25.4%増)

原材料、半導体製造用装備(121.5%増)

ディスプレーパネル製造用装備(39.4%増)

消費財

小麦(22.9%増)

豚肉(43.7%増)

衣類(16.2%増)

■各国の輸出

対日輸出は13.9%増の33億4612万ドル、輸入は0.8%増の52億3312万ドルで、18億8700万ドルの赤字

中国(30億ドル)、香港(24億ドル)、中南米(13億ドル)、米国(4億ドル)

貿易赤字は中東(80億ドル)が最高で、次いで日本、オーストラリア(16億ドル)の順。

以上。韓国が中国や香港との輸出でドルを稼いでいることがわかるだろう。FTAを結んだアメリカとは4億ドル。欧州のほうは書かれていないのだが、1年を通してみると赤字になっている気がする。

韓国対EU貿易収支

2012年輸出 494億ドル(約4兆5700億円)(前年比11.4%減

2012年輸入 504億ドル(前年比6.4%増)

貿易赤字は10億ドル(前年83億ドルの黒字)(1997年以来の15年ぶり)

原因:欧州債務危機に伴う景気鈍化

■主な輸出品

半導体・船舶・無線通信機器(30%以上減少

FTA(関税優遇措置)自動車・自動車部品・石油製品(10%上昇)

■主な輸入品

石油製品・かばん・衣類・自動車(10~20%ずつ増加)

■各国との輸出

中国 1343億ドル(0.1%増)

アメリカ 585億ドル(4.1%増)

■輸出割合

中国 24.5%

アメリカ 10.7%

■貿易黒字

中国 535億ドル

アメリカ 152億ドル

■貿易赤字

中東 912億ドル

日本 255億ドル

以上。2013年1月と2012年全体の数字を比べて見て欲しい。韓国の輸出の4分の1が中国で成り立っており、アメリカは1割である。貿易赤字もほとんど近年変わっていない。中東は原油輸入があるし、日本の機械・部品がなければ韓国は物を組み立てることができない。

次にEUの話だが、FTAで優遇された商品は10%ずつぐらいは上がった。しかし、それ以外の主力商品が30%落ちている。造船、半導体辺りは韓国が強かったはすだが、どうやらその勢いも減少してきているようだ。

造船に関しては中国に追いつかれそうなわけだが、半導体は未だにサムスンとハイニックスで高い市場占有率を誇っている。これが2013年、どうなるかはまだまだわからない。欧州を見る限りでは減少していきそうではあるが。

FTAでよく言われたウィンウィンの関係が崩れている。15年ぶりの貿易赤字ということは、今まではずっと黒字だったわけだ。FTAを結んだために韓国製品の一部は逆に競争力が弱まったことになる。これは韓国内が寡占市場だったことも注意しておきたい。

一部の財閥企業が値段をコントロールしていたのをEUの安い商品が入ってきたことで、健全なる価格競争が起きているわけだ。需要と供給のバランスが市場の見えざる手によって価格調整が行われるようになった点は評価するところだ。

輸入物価と輸出物価

2013年の輸出物価は前年同月比で10.6%下落(5ヶ月連続で下落

(前年同月比)

石炭・石油製品(-7.6%)

化学製品(-7.2%)

鉄鋼製品(-17.6%)電機電子機器
中間材(-10.4%)

資本財(-9.5%)、消費財(-4.8%)など

1月の輸入物価は前月比では0.8%下落。

>原油価格上昇にもかかわらず、ドルに対しウォンのレートが上昇した結果だ。ドバイ原油価格は昨年12月の1バレル平均106.35ドルから、1月には 107.93ドルへ1.5%上昇したが、 ドル・ウォン為替レートが12月の1077ウォンから1065ウォンに1.1%切上げされた。契約通貨ベースの輸入物価は、 前月比0.6%上昇した。

1月の輸出物価は前年同月比8.1%下がり、前月比では0.1%下落した。

最後に輸出と輸入の物価を見ておくが、先ほど示したとおり中東からの原油が輸入の大半を占める。原油価格上昇での価格がウォン高で少し和らいだといったと ころだ。注目は輸出入ともに下がっていること。ウォン高、ウォン安どちらに触れるかでこれもかなり影響されてくるだろう。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人

18日 1981.91 1082.10 518.52 262.30 168億
19日 1985.83 1081.20 522.49 263.35 592億
20日 2024.64 1078.50 525.69 268.85 5698億
21日 2015.22 1086.20 524.44 267.85 2695億
22日 2018.89 1084.70 528.36 268.60 -42億

今週の韓国経済は次期大統領の口頭介入ばかりである。おそらく、口頭だけではなくスムージングオペレーションという、いわゆる微調整の介入をしていたと考えている。それともう一つが「トービン税導入」の話である。

このトービン税というのは、ジェームズ・トービンというノーベル経済学賞を受賞した経済学者によって提唱された税で、投機目的の短絡的な取引を抑制するため、国際通貨取引に低率を課税するというものだ。

つまり、このトービン税が導入されれば、韓国から短期的な投機資金は逃げてしまう恐れがある。実際、韓国政府はこのトービン税を導入するといいながら、半 月ぶりにその主張を翻した。アメリカなどの金融国の反対が多いからという理由が大半だが、北朝鮮の核実験における市場へ資金の硬直などもあるようだ。これ は短期的な影響はないのだが、長期的に響いてくる可能性はあるようだ。

トービン税については今後も出てくるかもしれないが導入は自殺行為だと思われる。ただでさえ、外資が撤退するフラグをいくつか立てているのに、これ以上、投機資金の抑制は撤退をさらに増加させるだけだろう。

さて、来週の市場予測だがウォン高に対する警戒が続く。また、韓国の新しい大統領が就任する。そのために株高、ウォン安の演出はかかせないだろう。1080~1090ウォン辺りを予想する。そのための口先介入と為替介入をしてくるだろう。

以上。今週はこれで終わるが、来週は韓国の新しい大統領、朴槿恵(パク・クネ)氏を特集する予定であるのだが、もう一つ気になるのが貯蓄銀行の動きだ。いきなり倒産するかは知らないがどうせ嘘だらけの自己資本率なので、中々目が離せない。

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第79回「北朝鮮が核実験を強行……ところが市場は1078ウォンのウォン高となる!」

第79回「北朝鮮が核実験を強行……ところが市場は1078ウォンのウォン高となる!」

配信日:2013年2月17日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは予定を変更して、北朝鮮が核実験を強行したニュースを中心に1週間の韓国市場を振り返る。最初に結論を述べておくと、2月12日、北朝鮮が核実験を行ったのだが、今週の終値は1078ウォンのウォン高となった。

核実験を行う前の最高値が1098ウォンだったので激しい乱高下といえるわけだが、地政学な見解では通貨は下がるはずなのだ。しかし、なぜかウォンは高く なったという逆の結果である。これには金利を据え置きにしたというニュースもあるのだが、それにしてはおかしな話だと思わないだろうか。では、記事のチャートを貼っていく。

記事のチャート

北朝鮮が核実験を強行→今週の韓国経済→核実験前のウォン市場→核実験後のウォン市場→追加ミサイル発射の影響はたいしたことない?

北朝鮮が核実験を強行

【ソウル時事】北朝鮮は12日、咸鏡北道吉州郡で、2006年10月、09年5月に続く3回目の核実験を実施したもようだ。12年12月の長距離弾道ミサ イル発射から短期間のうちに再び国際社会を挑発する強硬策に踏み切ったことで、朝鮮半島情勢はさらに緊迫した局面に入った。

日米韓などは、国連安全保障理事会の緊急協議開催を要請する方針。日本政府は2月12日、安全保障会議を開催し、韓国政府も国家安全保障会議を緊急招集。 韓国国防省報道官は「追加の核実験やミサイル発射の可能性についても注視している」と述べた。また、聯合ニュースは米韓両軍は対北朝鮮情報監視態勢のレベ ルを引き上げたと伝えた。

北朝鮮は公式発表を行っていないが、核実験は吉州郡豊渓里の実験場で行われたとみられる。日本政府によると、核実験によるとみられる人工的な地震波は、 12日午前11時57分50秒に観測。地震の規模はマグニチュード(M)5.2。豊渓里で行われた過去2回の核実験の際の地震規模より大きい。爆発規模に ついて、韓国国防省は6~7キロトンと推定。06年の爆発規模は1キロトン未満、09年は数キロトンとみられている。

実験した爆発物の型は不明。北朝鮮は事前に「高いレベルの核実験」実施の方針を示しており、初めてのウラン型やブースト型核分裂弾(強化原爆)の可能性もある。

秘密裏の開発が容易なウラン型の実験に成功したとすれば、北朝鮮の核の脅威は新たな段階に入る。過去2回と同様のプルトニウム型や、コンパクトで強力な爆 発力を持つブースト型の場合も、ミサイルに搭載できる小型の核弾頭開発につながる恐れがある。(2013/02/12-14:05)

(時事ドットコム:北朝鮮が核実験=3回目、挑発継続-地震規模、過去最大)

北朝鮮が核実験を強行して、過去最大の地震が発生した。国連安保、日本政府の対応なども色々あったわけだが、そういうのは韓国経済にはあまり関係ないので割愛する。問題はこれ以降のウォンである。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

11日 お休み
12日 1945.79 1090.80 503.72 257.20 1353億←北朝鮮が核実験を強行
13日 1976.07 1086.80 507.99 261.85 1125億
14日 1979.61 1083.80 512.53 262.80 764億
15日 1981.18 1078.30 514.58 262.60 20億

以上となった。まずは12日の北朝鮮の核実験前の市場から見ていこう。

核実験前のウォン市場

11日は旧暦の正月で韓国市場はお休みだった。管理人は今週のウォンレートは1100~1110と予測していた。1095ウォンで始まった市場はウォン売 りの圧力が強くて1098ウォンまで下降する。これは北朝鮮の核実験懸念によるウォン安進行の動きだった。ここまではいい。

核実験後のウォン市場

北朝鮮が核実験したニュースが12時過ぎにもたらされた。それまで少し上がっていたウォンだが、数ウォンほど下がり1096ウォンとなった。ところが、核実験懸念が消えたせいなのか、ウォン高へと舵を取るようになり、12日の終値は1090.80である。

このような不思議な結果となったわけだが、本来なら、北朝鮮が核実験を行ったことで大幅なウォン安が進行するはずだった。しかし、市場の反応はわずか数ウォンである。

毎日、核実験を出来るはずもないので、市場の懸念が消えたのはわかる。だが、ここまで北朝鮮の核実験が影響を与えなかった事実はこれからの韓国経済を分析をしていく上では考慮する必要がある。

その後、無慈悲にもウォン高へ一直線である。介入懸念はあってもどんどんウォン高となり、15日の終値は1078ウォンである。また、外国人の動きでは、来週はG20があるので、核実験後は材料待ちの様子で外国人の取引高は少なくなっている。

追加ミサイル発射の影響はたいしたことない?

さて、来週の市場予測は1070~1080ウォンと予想するが、実は北朝鮮はもう一つ、核実験の他に、弾道ミサイル打ち上げへの懸念がある。ただ、核実験 でたいした値動きがないなら、ミサイルぐらいでそれほど変動するとは思えない。以前としてウォン高に触れるのではないだろうか。

以上。今週は急遽、予定を変更して北朝鮮による核実験に対する韓国市場の反応を追った。結果的にはウォン高という驚くべきものだったが、何度も同じことが 繰り返されることで衝撃が和らいでいるということかもしれない。こうなると、アメリカが軍事衝突に動くか、北朝鮮が韓国に戦争でも仕掛けてこない限りは急 激な反応はしないと考えている。

さて、来週の予定だが今週に振り返るはずだった韓国の経済指標を見ていくつもりだ。

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第78回「なぜ、日本のアベノミクスに韓国メディアが恐怖するのか」

第78回「なぜ、日本のアベノミクスに韓国メディアが恐怖するのか」
配信日:2012年2月10日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週の韓国経済は日本のアベノミクスに異常なまでの警戒を抱く韓国メディアを特集する。アベノミクスが目指す政策は日本の デフレ脱出なわけだが、それに伴う円安、株高で韓国経済は沈むという。しかし、管理人が分析したところではそれはただ日本をヒールにしたいがための韓国政府、韓国メディアの口実である。

2012年から顕著に出始めた経済の悪化を日本のせいにしようというわけだ。韓国人がどこまで信じるのかは知らないが、連日に渡って日本を批判するのはそういう魂胆だろう。では、記事のチャートを貼って、韓国メディアのニュースを見ていこう。

記事のチャート

アベノミクス、最大の被害国は「韓国」→日本と競争が激しい輸出製品→中小輸出企業の93%が損失→今週の韓国経済

アベノミクス、最大の被害国は「韓国」

日本政府の景気浮揚策が東南アジア諸国には「薬」になる反面、韓国には「毒」になるだろうという分析が相次いでいる。

HSBCとクレディスイスなど金融世界大手は21日、 日本の通貨緩和政策と10兆3000億円規模の景気浮揚策の最大の受恵国はタイとマレーシア、インドネシアなどになると分析した。日本企業が復活すること で原材料や部品の需要が増加し、投資も増えるためという説明だ。東南アジアは日本企業の伝統的な経済協力と投資地域だ。

HSBC香港のフレデリック・ニューマン代表は、「日本企業と銀行が東南アジアに投資を拡大するだろう。これは現地資産価格と投資、消費を刺激し、東南ア ジア諸国の今年の経済成長率を押し上げることになるだろう」と話した。これに対しこれら金融会社は日本の為替政策の最大の被害国として韓国を挙げた。

円安で自動車と電子、造船など日本と競合する産業の輸出競争力が弱まり少なくない打撃を受けるという見通しだ。INGグループ アジアリサーチ責任者のティム・コンドン氏は、「アジアの激しい通貨戦争で韓国が最前線に立っている」と評した。(途中省略)

一部では日本や米国などが通貨戦争で事実上無制限の量的緩和競争を行っている中でも、韓国は基準金利を相対的に高く維持しウォン高を自ら招いているという 分析も出ている。ひとまず物価不安が引き起こされない限り韓国も金利を下げ通貨価値を安定させる必要があるという見方だ。

韓国銀行は11日の金融通貨委員会で1月の基準金利を年2.75%で据え置き、金利引き下げを予想した市場にショックを与えている。だが、韓国銀行は「対 外経済環境の不確実性が晴れながら韓国の景気も緩やかな回復の流れを見せることになるだろう」と楽観論を展開している。

(<a href=”http://japanese.joins.com/article/083/167083.html?servcode=300& amp;amp;sectcode=300″>「アベノミクス」、最大の被害国は韓国 | Joongang Ilbo | 中央日報</a>)

これは1月22日の中央日報の記事。日本のアベノミクスで1番被害を受けるのは韓国。その理由は競争企業が多いからだと。日本のパクリ製品をウォン安で売 りまくって儲けたわけで、日本企業が攻勢に出れば、韓国製品が売れなくなるわけだ。同じ値段なら品質が良い日本製品が売れるのは言うまでも無い。まずはどれだけの商品が日本と被るのかを見て頂こう。

日本と競争が激しい輸出製品

(道中省略)操業日数も影響を与えた。昨年1月の操業日数は旧正月連休により24日にすぎなかった。今年1月は26日だった。1日当たりの輸出額は20億ウォン前後だ。今年は旧正月が2月にある。1月の輸出が増えたが、すでに政府が2月の輸出を心配している理由だ。

錯視を取り除くと円安の恐怖は脅威的だ。現代経済研究院は3日、今年の輸出が6%減少するとの見通しを示した。日本政府が目標にした対ドル7%の円安水準 を考慮して分析した数値だ。消費者の行動変化がすぐに現れる観光ではすでに現実化した。日本人観光客はこの4カ月間に18%減った。この傾向が続き日本へ 行く韓国人観光客もそれだけ増えると仮定すると、今年の観光収支損失は10億ドルに達すると現代経済研究院は分析した。

現代経済研究院のイ・ブヒョン首席研究委員は、「円安は沈黙の殺人者のように中長期的に韓国産業の競争力を落としてしまうだろう。日本に比べ韓国が劣勢に ある業種から打撃を受けかねない」と話した。劣勢業種には、米国では自動車・機械、中国では鉄鋼・機械・自動車、欧州連合(EU)では鉄鋼・機械などが挙 げられる。

実体経済より先行する証券業界ではすでに企業の第1四半期業績を一斉に下方修正した状態だ。証券情報業者のFnガイドによると、現代自動車に対する証券会社の第1四半期営業利益見通しは昨年末の推定より9.1%少ない2兆745億ウォンに引き下げられた。

KTB投資証券はウォンが100ウォン上昇するとSKハイニックスは5700億ウォン、LGディスプレーは4800億ウォン台の営業利益が減ると予想し た。サムスン証券のユ・スンミン投資戦略チーム長は、「円安の速度と水準により差があるだろうが1月よりは2月、第1四半期よりは第2四半期の企業見通し が悪化しかねない」と話した。

(http://japanese.joins.com/article/904/167904.html?servcode=300&sectcode=300)

輸出額を演出するために操業日数を増やしたようだ。それはともかく劣勢業種についてだ。アメリカでは自動車・機械、中国は鉄鋼・機械・自動車、EUは、鉄鋼・機械などとなっているようだ。次に中小企業が影響を受ける円安ウォン高の損失を見ていこう。

中小輸出企業の93%が損失

大韓商工会議所は5日、「先月末に中小輸出企業300社を対象に調査した結果、93%がウォン高にともなう損失を出している」と発表した。特に家電・自動 車業種では調査に応じた企業すべてが「損失を出している」と答えた。ゴム・プラスチック業種の97%、IT機器は96%、造船は93%の企業が影響を訴え た。電子製品メーカー関係者は、「ウォンが50ウォン上昇するごとに輸出額が6.7%ずつ下がる」と話した。企業の3割は何の対策もなくそのまま為替相場 変動にともなう損失を抱え込んでいることも明らかになった。(後は省略)

(http://japanese.joins.com/article/063/168063.html?servcode=A00&sectcode=A10)

そろそろ結論に入るが、結局、韓国経済が好調に見えていたのは、日本企業が円高のために輸出競争力が落ちていたことが最大の理由だったということだ。そこ には財閥優遇、ウォン安政策という明博政権によるものもある。だが、韓国製品が日本製品と同じ価格で戦えるほどの品質、価格競争力を維持出来るとは誰も 思っていないのが上のニュースだ。

つまり、ここ4年間にわたる民主党政権による日本の舵取りが韓国経済に1番大きく貢献していたわけだ。そして、円高で日本企業のエルピーダは破産、シャー プは倒産の寸前まで追い込まれた。日本人にとって皮肉な結果ではあるが、今からどう分析しようがその結果が覆ることはない。民主党を選んだ国民の選択が間 違いであったことは言うまでもない。

日本経済がデフレから脱却して、韓国経済が本当に沈むかどうかは正直判断するのは難しい。サムスンは生き残るだろうし、中国との関係を強化して通貨スワッ プなどで経済危機を脱する可能性は十分考えられる。しかし、本当の経済危機である家計債務の爆弾は確実に増加している。これがいつ爆発するのか。

今年の注目点としては、日本経済の復活で沈んでいく韓国経済というところだろうか。案外、韓国にとどめを刺すのは日本かもしれない。ただ、日本が今まで通 りの円高だったとしても、韓国経済が悪化していたのは事実なので、韓国メディアの報道は言い訳に過ぎないことに注意したい。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

04日 1953.21 1084.60 501.32 257.00 584億
05日 1938.18 1087.00 498.16 254.80 22億
06日 1936.19 1088.10 502.56 254.70 -878億
07日 1931.77 1088.30 501.78 254.35 719億
08日 1950.90 1095.70 504.94 257.90 509億

以上となった。先週、1100~1120とウォン推移を予測したわけだが、思ったよりはウォン安が進行しなかった。過度な介入はチャートを見る限りでは何 度かあったと思われる。ただ、その介入効果は弱いというところだ。おかげで1100を超えないで1095ウォンで止まった。しかし、来週は北朝鮮の核実験 懸念で1100ウォンを超えると思われるので、予想レートは1100~1110としたい。

ただ、韓国は9日から旧暦で正月を迎えているので、来週の市場は12日からとなっている。中国市場も休みなので、休み明けでも北朝鮮が核実験でも強行しない限りは大幅な値動きはしないだろう。

今週はこれで終わるが、来週は韓国の貿易状況を見ていこうと思う。ウォン高の効果が市場に現れるのはだいたい半年後なので、貿易に直接反映していることはないのだが影響が出るのは必至だ。輸出、輸入、外貨準備高、資本収支といったデータを中心に見ていきたい。

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第77回「今週は1090ウォンと急落。バンガード・ゴールドマンサックス、大手ファンドの撤退」

第77回「今週は1090ウォンと急落。バンガード・ゴールドマンサックス、大手ファンドの撤退」

配信日:2013年2月3日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは前回の予告通り、バンガード、ゴールドマンサックスの大手投資ファンドの撤退ニュースをお送りして、1090ウォンまで急落したウォン市場を振り返り、その原因を分析していく。では、記事のチャートを貼る。

記事のチャート

バンガードの撤退→ゴールドマンサックスの撤退→今週の韓国経済→急激にウォン安になった原因

バンガードの撤退

韓国の証券市場に「火曜日と水曜日のバンガード注意報」が出された。上半期は火曜日と水曜日ごとに米国系超大型ファンド運用会社のバンガードグループが韓 国株を大量処分する可能性が大きいという内容だ。韓国の証券会社が10日から16日間の1週間にわたりバンガードの動向を分析して下した1次結論だ。

バンガードは昨年末、「韓国株に投資した総額90億ドルを1月10日から抜いていく」と発表した。

投資基準とする指数をモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)からフィナンシャル・タイムズ・ストック・エクスチェンジ(FTSE)に変更したのに伴う。MSCIは新興国に韓国を含めているがFTSE新興国指数では韓国が抜けている。

バンガードは90億ドルを一度に処分する場合に韓国株式市場に及ぼす影響を考え、7月3日まで25週間にわたり金額基準で毎週4%ずつ減らしていくという 日程も出した。整理最初の週となる16日までに保有株式を96%に減らし、1週間後の23日までに92%とさらに縮小する形だ。

バンガードが毎週売らなければならない「4%」は3800億ウォン(約320億円)相当だ。サムスン電子を毎週907億ウォン、現代(ヒョンデ)自動車は 182億ウォン分ずつを売らなければならない。韓国の株式市場を揺さぶるのに十分な規模だ。証券会社がバンガードの「セルコリア」最初の週である 10~16日の動向に注目した理由だ。

分析の結果、バンガードの処分戦略は「火曜日・水曜日に売り、金になりそうな株式は処分を遅らせる」と要約された。ひとまず火曜日・水曜日である15日と16日に外国人はサムスン電子を540億ウォン前後売り越した。

ウリィ投資証券のチェ・チャンギュ研究員は、「15~16日の2日間にかけて外国系証券会社のC社とL社を通じサムスン電子の大量売り注文があふれた。バ ンガードが処分したのが有力だ」と話した。2日間に出されたサムスン電子の売り越し分1080億ウォンのうち相当部分がバンガードのものという話だ。

外国人は17日もサムスン電子株を956億ウォン売り越した。これについてある証券会社研究員は、「バンガードの保有分ではなく15~16日にバンガードの処分を確認した外国人が続けてサムスン電子株を売ったようだ」と解釈した。

証券業界ではインデックスに従い規則的に投資するバンガードの特性上、当面は火曜日と水曜日に韓国株の整理を繰り返す公算が大きいとみている。バンガード が大量に処分するサムスン電子のような株式は火曜日・水曜日に劣勢を見せる様相が繰り返される可能性があるという意味だ。

サムスン電子はバンガードによる処分が進められたとみられる15日と16日の2日間で株価が155万2000ウォンから149万2000ウォンに3.9%下落した。

バンガードは10~16日に金額基準で保有中の韓国株をきっかり4%売った。だが、銘柄別の処分比率は異なった。

大信証券によるとこの期間にバンガードは保有していた暁星(ヒョソン)の株式の25%、斗山(トゥサン)重工業と中小企業銀行の株式の20%を整理した。 これに対しサムスン電子は4%、現代自動車は1.4%を売るのにとどまった。保有する韓国株111銘柄のうち最初の週に売ったのは40銘柄だけだった。

大信証券のオ・スンフン研究員は、「投資比率があまりに大きいサムスン電子は4%ずつの原則を守るが、残りは期待収益により売却時期を調整するとみられる」と説明した。

東洋証券のキム・フジョン研究員は、「バンガードとともに新興国上場指数ファンド(ETF)の軸となっているiシェアーズを通じて韓国に投資資金が入ってきている。iシェアーズがバンガードの韓国株売却の衝撃をある程度吸収できるだろう」と話した。

(http://japanese.joins.com/article/092/167092.html?servcode=300&sectcode=310)

まずはこのニュースが掲載された時期の相場を確認して欲しい。

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

14日 2007.04 1056.10 513.44 266.40 -959億
15日 1983.74 1056.50 508.02 263.40 -2326億
16日 1977.45 1058.70 507.68 261.45 -915億
17日 1974.27 1058.10 506.35 261.95 -1227億
18日 1987.85 1057.20 510.71 262.45 319億

確かに下落はしているがそれほど大きなダメージがあったようには思えない。バンガードという大手投資ファンドの撤退で外国人が投げ売りしているといっても、ある程度は吸収できたというところだろう。次にゴールマンサックスの方を確認しておこう。

ゴールドマンサックスの撤退

米国ゼネラルエレクトリック(GE)が韓国の不動産市場から手を引く。韓国不動産に投資して10年ぶりのこと。GEの不動産投資部門であるGEリアルエス テート韓国支社は昨年、ソウル・論ヒョン洞、城南市(ソンナムシ)、大邱市(テグシ)のビルなど4000億ウォンに達する物件を売りに出した。

ゴールドマンサックス資産運用も韓国上陸から5年で撤退する。

韓国の不動産市場から外国系資本が離れている。業界によると現在韓国の不動産市場に残っている外資系投資会社は20社程度だ。これは2000年代半ばの30%水準だ。

R2コリアのキム・テホ理事は、「この2~3年間に損失を出した外資系投資会社が韓国の不動産市場では商売にならないと判断して手を引くもの」と伝えた。

「セルコリア」の風も激しい。不動産コンサルティング会社のメートプラスの調査によると、外資系投資会社は2011年に1兆1235億ウォンに達する韓国のオフィスビルを売った。

昨年は1803億ウォンを現金化した。米国系投資会社のマックスCIは昨年初めにソウル・汝矣島(ヨイド)のビルを現代カードキャピタルに925億ウォンで売った。

現在外資系投資会社が売りに出したオフィスビルだけで20件を超える。これに対し昨年の買い入れは全くなかった。

これら企業が韓国の不動産市場を離れる最も大きな理由は収益率の悪化だ。国土海洋部によると2008年の韓国のオフィスビル収益率は年13~14%に達したが最近は5~6%に下がった。

供給が増加しソウルの平均空室率は4.4%と1年間に1.5ポイント上昇した。(後は省略)

(Bye Korea…外国人が韓国不動産市場から撤退 | Joongang Ilbo | 中央日報)

ゴールドマンサックスのほうはあくまでも不動産市場からの撤退ということで、株価における影響は限定的であろう。ただし、韓国の不動産に魅力がなくなり、これ以上の投資は無意味だという判断には注目しておきたい。不動産バブルが崩壊してからずっとこんな感じだ。

今週の韓国経済

日付 KOSPI KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

25日 1946.69 1074.50 506.83 256.40 -5157億

28日 1939.71 1093.50 504.20 256.20 -5163億
29日 1955.96 1082.50 505.35 257.90 -150億
30日 1964.43 1085.50 502.80 259.10 -1334億
31日 1961.94 1089.00 503.67 258.30 -894億

2013年2月

01日 1957.79 1097.40 503.31 258.05 -336億

今週のウォンが暴落した。参考までに25日をあげておくが、28日のウォンと比較して頂きたい。

25日、1074.50ウォンだったのが、28日、1093.50ウォンである。管理人もウォン安になる可能性は高いと指摘したが一気に20ウォンも下がるとは想定外だった。それから少しウォン安の圧力が弱まったのだが、2月初日、1097ウォンまで落ちた。

さて、この急激なウォン安になった原因を取り上げた朝鮮日報の記事をあげておきたい。

急激にウォン安になった原因

28日のソウル外国為替市場では、ウォン相場が前週末に比べ19ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1093.50ウォンで取引を終えた。欧州財政危機が深刻化した2011年9月26日(29.8ウォン下落)以来1年4カ月ぶりの大幅な下落だった。

ウォン相場は米国の量的緩和に伴うドル安で、昨年9月以降は上昇を続けてきた。さらに日本も攻撃的な円安政策を取り、ウォンは大幅に上昇し、韓国の輸出企業からは価格競争力の低下を懸念する声が上がっていた。

今回のウォン急落について、市中銀行の為替ディーラーは「オフショア市場でウォン相場が下落していたため、ある程度の下落は予想していたが、国際金融市場が平穏だったにもかかわらず、20ウォン近く下落したのは異例で戸惑っている。

北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が死去した際にも下げ幅は16ウォンにとどまった」と指摘した。

専門家は今回のウォン急落が大きな材料ではなく、内外の複数の材料が同時に作用したためとみている。サムスン先物のチョン・スンジ研究員は「円安が続き、 韓国株式市場から外国人の資金が引き揚げられたこと、北朝鮮による核実験の脅威、欧州の銀行が欧州中央銀行(ECB)からの借入金を早期に償還することな どがウォン安材料となり、大幅な下落につながった」と分析した。

外国人投資家の間で、円安で最も被害を受ける国は韓国だという認識が広がり、外国人は株式市場で25日に5147億ウォン(約428億円)、28日に5053億ウォン(約420億円)を売り越した。

2日で1兆ウォンを超える株式を売り越したことになる。外国人が韓国株を売却して得たウォン資金を米ドルに換えるため、ドル買い注文を出し、ウォン安を誘発した格好だ。

欧州の銀行による負債早期償還の動きは、欧州の金融健全性が改善するシグナルと受け止められ、韓国に流入していた欧州系資金が回収されるとの見通しが広まったこともウォン安の一因となった。

市場関係者は「北朝鮮の長距離ミサイル実験以降、北朝鮮の核問題が地政学的リスクから世界的なリスクに変わったため、北朝鮮の脅威に為替市場が以前よりも敏感に反応する可能性がある」と指摘した。

ウォン安が一時的現象かどうかについて、専門家の意見は分かれている。ある為替ディーラーは「米連邦準備制度理事会(FRB)がこれまでの量的緩和を縮小するという見通しで、ドルがさらに買われる可能性がある」と分析。

大信経済研究所のキム・ユンギ経済調査室長は「ウォン安要因があるといっても、1日に20ウォン近く下落するのは行き過ぎた面がある。ウォンが一段安となるとは考えにくい」と述べた。

(Chosun Online | 朝鮮日報)

朝鮮日報にはこのようなことが書いてあり、ウォン安になったのは内外の複合的な原因だという。だが、管理人も先週そのような複合的な要因を見込んで分析 し、下がっても1080ウォンぐらいだと予想した。しかし、蓋を開ければ1093ウォンまで落ちた。どうもこれでは説明が付かない。

そこで管理人はウォンが投げ売りされているのに、KOSPIも下がったことに注目した。本来、輸出で食べている国なので韓国にとってウォン安になれば KOSPIは上がるはずなのだ。しかし、28日は下がっている。つまり、これは政府介入でもない限り、説明がつかない下落なのだ。

そして、このようなウォン安になって重大なニュースがもたらされた。それは中韓通貨スワップ協定の拡大措置で、元の貿易決済に使えるようにしたあのスワップを早速、韓国が使用したのだ。

発表どおりなら4000億ドルの外貨準備高が韓国にはあるにも関わらず、中韓通貨スワップを使用・・・・・・。これを使えば、外資へのウォン高の圧力は弱 まるが、今度は投げ売りされる可能性が出てくる。また、韓国が投資に関わる税金を増やそうというニュースもあった。そのようなニュースが流れて1097 ウォンまで落ちた。

韓国の適正為替レートは1100~1150である。今後、新政権発足までにこのレートに戻そうと、投資の引き締め、為替介入を行っていく可能性は高い。

来週は1100越えも視野に入れる必要がある。予想は1100~1120ウォンぐらいだと思われる。

もう一つウォン安の原因となるのがアメリカの経済である。現在、ダウは14000ドルを回復した。1月の雇用統計から緩やかな景気回復が続いているようだ。

これは次週のネタだが日本の安倍総理におけるいわゆるアベノミクスへの韓国の恐怖を韓国メディアが連日取り上げている。これも株価やウォンが下がる原因だ ろう。この辺りを分析すれば、韓国だけが日本の円安に異常な警戒をしていることが透けてくるはずだ。もっとも、まだまだ円安ではないのだが。

以上。今週はこれで終わるが来週はアベノミクスに怯える韓国経済を特集していく。

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