第77回「今週は1090ウォンと急落。バンガード・ゴールドマンサックス、大手ファンドの撤退」

第77回「今週は1090ウォンと急落。バンガード・ゴールドマンサックス、大手ファンドの撤退」

配信日:2013年2月3日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは前回の予告通り、バンガード、ゴールドマンサックスの大手投資ファンドの撤退ニュースをお送りして、1090ウォンまで急落したウォン市場を振り返り、その原因を分析していく。では、記事のチャートを貼る。

記事のチャート

バンガードの撤退→ゴールドマンサックスの撤退→今週の韓国経済→急激にウォン安になった原因

バンガードの撤退

韓国の証券市場に「火曜日と水曜日のバンガード注意報」が出された。上半期は火曜日と水曜日ごとに米国系超大型ファンド運用会社のバンガードグループが韓 国株を大量処分する可能性が大きいという内容だ。韓国の証券会社が10日から16日間の1週間にわたりバンガードの動向を分析して下した1次結論だ。

バンガードは昨年末、「韓国株に投資した総額90億ドルを1月10日から抜いていく」と発表した。

投資基準とする指数をモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)からフィナンシャル・タイムズ・ストック・エクスチェンジ(FTSE)に変更したのに伴う。MSCIは新興国に韓国を含めているがFTSE新興国指数では韓国が抜けている。

バンガードは90億ドルを一度に処分する場合に韓国株式市場に及ぼす影響を考え、7月3日まで25週間にわたり金額基準で毎週4%ずつ減らしていくという 日程も出した。整理最初の週となる16日までに保有株式を96%に減らし、1週間後の23日までに92%とさらに縮小する形だ。

バンガードが毎週売らなければならない「4%」は3800億ウォン(約320億円)相当だ。サムスン電子を毎週907億ウォン、現代(ヒョンデ)自動車は 182億ウォン分ずつを売らなければならない。韓国の株式市場を揺さぶるのに十分な規模だ。証券会社がバンガードの「セルコリア」最初の週である 10~16日の動向に注目した理由だ。

分析の結果、バンガードの処分戦略は「火曜日・水曜日に売り、金になりそうな株式は処分を遅らせる」と要約された。ひとまず火曜日・水曜日である15日と16日に外国人はサムスン電子を540億ウォン前後売り越した。

ウリィ投資証券のチェ・チャンギュ研究員は、「15~16日の2日間にかけて外国系証券会社のC社とL社を通じサムスン電子の大量売り注文があふれた。バ ンガードが処分したのが有力だ」と話した。2日間に出されたサムスン電子の売り越し分1080億ウォンのうち相当部分がバンガードのものという話だ。

外国人は17日もサムスン電子株を956億ウォン売り越した。これについてある証券会社研究員は、「バンガードの保有分ではなく15~16日にバンガードの処分を確認した外国人が続けてサムスン電子株を売ったようだ」と解釈した。

証券業界ではインデックスに従い規則的に投資するバンガードの特性上、当面は火曜日と水曜日に韓国株の整理を繰り返す公算が大きいとみている。バンガード が大量に処分するサムスン電子のような株式は火曜日・水曜日に劣勢を見せる様相が繰り返される可能性があるという意味だ。

サムスン電子はバンガードによる処分が進められたとみられる15日と16日の2日間で株価が155万2000ウォンから149万2000ウォンに3.9%下落した。

バンガードは10~16日に金額基準で保有中の韓国株をきっかり4%売った。だが、銘柄別の処分比率は異なった。

大信証券によるとこの期間にバンガードは保有していた暁星(ヒョソン)の株式の25%、斗山(トゥサン)重工業と中小企業銀行の株式の20%を整理した。 これに対しサムスン電子は4%、現代自動車は1.4%を売るのにとどまった。保有する韓国株111銘柄のうち最初の週に売ったのは40銘柄だけだった。

大信証券のオ・スンフン研究員は、「投資比率があまりに大きいサムスン電子は4%ずつの原則を守るが、残りは期待収益により売却時期を調整するとみられる」と説明した。

東洋証券のキム・フジョン研究員は、「バンガードとともに新興国上場指数ファンド(ETF)の軸となっているiシェアーズを通じて韓国に投資資金が入ってきている。iシェアーズがバンガードの韓国株売却の衝撃をある程度吸収できるだろう」と話した。

(http://japanese.joins.com/article/092/167092.html?servcode=300&sectcode=310)

まずはこのニュースが掲載された時期の相場を確認して欲しい。

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

14日 2007.04 1056.10 513.44 266.40 -959億
15日 1983.74 1056.50 508.02 263.40 -2326億
16日 1977.45 1058.70 507.68 261.45 -915億
17日 1974.27 1058.10 506.35 261.95 -1227億
18日 1987.85 1057.20 510.71 262.45 319億

確かに下落はしているがそれほど大きなダメージがあったようには思えない。バンガードという大手投資ファンドの撤退で外国人が投げ売りしているといっても、ある程度は吸収できたというところだろう。次にゴールマンサックスの方を確認しておこう。

ゴールドマンサックスの撤退

米国ゼネラルエレクトリック(GE)が韓国の不動産市場から手を引く。韓国不動産に投資して10年ぶりのこと。GEの不動産投資部門であるGEリアルエス テート韓国支社は昨年、ソウル・論ヒョン洞、城南市(ソンナムシ)、大邱市(テグシ)のビルなど4000億ウォンに達する物件を売りに出した。

ゴールドマンサックス資産運用も韓国上陸から5年で撤退する。

韓国の不動産市場から外国系資本が離れている。業界によると現在韓国の不動産市場に残っている外資系投資会社は20社程度だ。これは2000年代半ばの30%水準だ。

R2コリアのキム・テホ理事は、「この2~3年間に損失を出した外資系投資会社が韓国の不動産市場では商売にならないと判断して手を引くもの」と伝えた。

「セルコリア」の風も激しい。不動産コンサルティング会社のメートプラスの調査によると、外資系投資会社は2011年に1兆1235億ウォンに達する韓国のオフィスビルを売った。

昨年は1803億ウォンを現金化した。米国系投資会社のマックスCIは昨年初めにソウル・汝矣島(ヨイド)のビルを現代カードキャピタルに925億ウォンで売った。

現在外資系投資会社が売りに出したオフィスビルだけで20件を超える。これに対し昨年の買い入れは全くなかった。

これら企業が韓国の不動産市場を離れる最も大きな理由は収益率の悪化だ。国土海洋部によると2008年の韓国のオフィスビル収益率は年13~14%に達したが最近は5~6%に下がった。

供給が増加しソウルの平均空室率は4.4%と1年間に1.5ポイント上昇した。(後は省略)

(Bye Korea…外国人が韓国不動産市場から撤退 | Joongang Ilbo | 中央日報)

ゴールドマンサックスのほうはあくまでも不動産市場からの撤退ということで、株価における影響は限定的であろう。ただし、韓国の不動産に魅力がなくなり、これ以上の投資は無意味だという判断には注目しておきたい。不動産バブルが崩壊してからずっとこんな感じだ。

今週の韓国経済

日付 KOSPI KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

25日 1946.69 1074.50 506.83 256.40 -5157億

28日 1939.71 1093.50 504.20 256.20 -5163億
29日 1955.96 1082.50 505.35 257.90 -150億
30日 1964.43 1085.50 502.80 259.10 -1334億
31日 1961.94 1089.00 503.67 258.30 -894億

2013年2月

01日 1957.79 1097.40 503.31 258.05 -336億

今週のウォンが暴落した。参考までに25日をあげておくが、28日のウォンと比較して頂きたい。

25日、1074.50ウォンだったのが、28日、1093.50ウォンである。管理人もウォン安になる可能性は高いと指摘したが一気に20ウォンも下がるとは想定外だった。それから少しウォン安の圧力が弱まったのだが、2月初日、1097ウォンまで落ちた。

さて、この急激なウォン安になった原因を取り上げた朝鮮日報の記事をあげておきたい。

急激にウォン安になった原因

28日のソウル外国為替市場では、ウォン相場が前週末に比べ19ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1093.50ウォンで取引を終えた。欧州財政危機が深刻化した2011年9月26日(29.8ウォン下落)以来1年4カ月ぶりの大幅な下落だった。

ウォン相場は米国の量的緩和に伴うドル安で、昨年9月以降は上昇を続けてきた。さらに日本も攻撃的な円安政策を取り、ウォンは大幅に上昇し、韓国の輸出企業からは価格競争力の低下を懸念する声が上がっていた。

今回のウォン急落について、市中銀行の為替ディーラーは「オフショア市場でウォン相場が下落していたため、ある程度の下落は予想していたが、国際金融市場が平穏だったにもかかわらず、20ウォン近く下落したのは異例で戸惑っている。

北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が死去した際にも下げ幅は16ウォンにとどまった」と指摘した。

専門家は今回のウォン急落が大きな材料ではなく、内外の複数の材料が同時に作用したためとみている。サムスン先物のチョン・スンジ研究員は「円安が続き、 韓国株式市場から外国人の資金が引き揚げられたこと、北朝鮮による核実験の脅威、欧州の銀行が欧州中央銀行(ECB)からの借入金を早期に償還することな どがウォン安材料となり、大幅な下落につながった」と分析した。

外国人投資家の間で、円安で最も被害を受ける国は韓国だという認識が広がり、外国人は株式市場で25日に5147億ウォン(約428億円)、28日に5053億ウォン(約420億円)を売り越した。

2日で1兆ウォンを超える株式を売り越したことになる。外国人が韓国株を売却して得たウォン資金を米ドルに換えるため、ドル買い注文を出し、ウォン安を誘発した格好だ。

欧州の銀行による負債早期償還の動きは、欧州の金融健全性が改善するシグナルと受け止められ、韓国に流入していた欧州系資金が回収されるとの見通しが広まったこともウォン安の一因となった。

市場関係者は「北朝鮮の長距離ミサイル実験以降、北朝鮮の核問題が地政学的リスクから世界的なリスクに変わったため、北朝鮮の脅威に為替市場が以前よりも敏感に反応する可能性がある」と指摘した。

ウォン安が一時的現象かどうかについて、専門家の意見は分かれている。ある為替ディーラーは「米連邦準備制度理事会(FRB)がこれまでの量的緩和を縮小するという見通しで、ドルがさらに買われる可能性がある」と分析。

大信経済研究所のキム・ユンギ経済調査室長は「ウォン安要因があるといっても、1日に20ウォン近く下落するのは行き過ぎた面がある。ウォンが一段安となるとは考えにくい」と述べた。

(Chosun Online | 朝鮮日報)

朝鮮日報にはこのようなことが書いてあり、ウォン安になったのは内外の複合的な原因だという。だが、管理人も先週そのような複合的な要因を見込んで分析 し、下がっても1080ウォンぐらいだと予想した。しかし、蓋を開ければ1093ウォンまで落ちた。どうもこれでは説明が付かない。

そこで管理人はウォンが投げ売りされているのに、KOSPIも下がったことに注目した。本来、輸出で食べている国なので韓国にとってウォン安になれば KOSPIは上がるはずなのだ。しかし、28日は下がっている。つまり、これは政府介入でもない限り、説明がつかない下落なのだ。

そして、このようなウォン安になって重大なニュースがもたらされた。それは中韓通貨スワップ協定の拡大措置で、元の貿易決済に使えるようにしたあのスワップを早速、韓国が使用したのだ。

発表どおりなら4000億ドルの外貨準備高が韓国にはあるにも関わらず、中韓通貨スワップを使用・・・・・・。これを使えば、外資へのウォン高の圧力は弱 まるが、今度は投げ売りされる可能性が出てくる。また、韓国が投資に関わる税金を増やそうというニュースもあった。そのようなニュースが流れて1097 ウォンまで落ちた。

韓国の適正為替レートは1100~1150である。今後、新政権発足までにこのレートに戻そうと、投資の引き締め、為替介入を行っていく可能性は高い。

来週は1100越えも視野に入れる必要がある。予想は1100~1120ウォンぐらいだと思われる。

もう一つウォン安の原因となるのがアメリカの経済である。現在、ダウは14000ドルを回復した。1月の雇用統計から緩やかな景気回復が続いているようだ。

これは次週のネタだが日本の安倍総理におけるいわゆるアベノミクスへの韓国の恐怖を韓国メディアが連日取り上げている。これも株価やウォンが下がる原因だ ろう。この辺りを分析すれば、韓国だけが日本の円安に異常な警戒をしていることが透けてくるはずだ。もっとも、まだまだ円安ではないのだが。

以上。今週はこれで終わるが来週はアベノミクスに怯える韓国経済を特集していく。

読者様の購読に深く感謝する。これからも応援のほどをよろしくお願い致します。

Leave a Reply

avatar
  Subscribe  
Notify of