第88回「現代自動車の第1四半期の利益15%減益 最悪の労働団体における損害額は8200億ウォン」
配信日:2013年4月28日
最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)
今週の韓国経済のメルマガは第88回というぞろ目を迎える。大体1年半ほど韓国経済の情報を書いてきたわけだが、韓国企業における最大の問題点というのは「労働者の質」だと思われる。
工場で働きながら数時間は新聞を読んだり、雑談したりしているために最悪の生産性とも言われている。
また、ストライキしてても給料が支払われるおかしな法律のせいもあるが、特に、現代自動車の労働組合は世界最悪と言われるほど。サムスンが労働団体を絶対に成立させない理由がここにある。
今回は現代自動車とその労働団体がいかに腐っているのかを紹介しよう。企業側にとって日本の労働団体が春闘で賃上げ要求するぐらいなら神様と思えるほどだ。では、記事のチャートを貼っていく。
記事のチャート
世界最悪の労働団体→現代自動車・起亜自動車のリコール→現代自動車、ストライキの損失は8200億ウォン→今週の韓国市場
世界最悪の労働団体
現代自動車だけに限らず韓国の労働団体におけるストライキがいかに激しいのか。まずはこちらの2010年に起きたストライキの様子が撮影された動画をご覧頂きたい。
メルマガではリンクしか張れないのだが、視聴するととんでもないことになっているのがよくわかる。
11/20現代自動車スト 会社側の襲撃隊と全面激突! – YouTube
なにも現代自動車のストライキが特別酷いわけではない。もう1本動画のリンクを張ろう。
韓国双竜自動車工場占拠闘争―最後の決戦.mpg – YouTube
事情を知らない人が視聴すると韓国の企業は酷いなと思うかもしれないが、実は韓国双竜自動車は経営破綻している。しかも、関連子会社50も破綻寸前。そして、経営破綻によって親会社が中国やインドの企業と変わっているのだ。
ストライキしている間に給料を支払う会社が危機という事情なんて全く理解していない。整理解雇を要求されたので戦う。本当に斜め上としか言いようがない。
管理人は双竜自動車については過去のブログで徹底特集したので良く覚えている。一部ブログのリンクを張っておくので、読んでみて欲しい。
双竜自動車平沢工場(京畿道平沢市)、まるで戦場のような様相(韓国経済危機)
動画は上手くまとめてある。まさに戦場のような様相だった。この動画を視聴して韓国人を雇用したいと思う経営者はいないだろう。このように韓国企業にとって内部の敵とも言えるのが労働団体である。
さて、現代自動車の話に戻るが、このような労働団体を抱えつつ、現代自動車はアメリカでの燃費水増ししたカタログでの企業ダメージ、円安、ウォン高の影響、そして、ブレーキ、エアバッグなどの欠陥からのリコール、さらにストライキの4重苦が重なる。
前者の燃費水増しカタログ、円安、ウォン高の影響は過去に取り上げてきたのでここでは割愛する。残りの二つ、リコールとストライキは最新情報なので紹介していく。
現代自動車・起亜自動車のリコール
>現代・起亜自動車グループは3日、米国で販売された約190万台をリコール(無料の回収・修理)すると明らかにした。
ブレーキスイッチとエアバッグの不具合が理由だという。AP通信がデトロイト発で報じた。(道中省略)
米国の安全規格当局はブレーキスイッチの不具合で、運転手がブレーキペダルを踏んでも停止しなかったり、思ったような
運転ができないことを見つけたという。
これが4月3日の聯合ニュース。アメリカの安全規格当局が見つけたようだが、相変わらず致命的な欠陥の不具合が発生している。
ブレーキスイッチもエアバッグもどちらも乗っている人間を事故から生命を守る上でかかせないものだ。その不具合とか、韓国車には一生乗りたくないな。では、次はストライキのニュースだ。
ストライキの損失は8200億ウォン
>現代自動車の韓国国内の工場は、労組が週末特別勤務を拒否しているため、13日にも操業ができなかった。3月以来、6週連続で週末の操業 がストップしている。現代自側は、週末の操業ストップにより生産が4万1000万台ほど減少し、およそ8200億ウォン(約713億円)の損失が発生した と推定している。
現代自の労使は今月3月、平日の深夜勤務をなくす日中連続2交代制を導入したが、週末特別勤務については労使間で合意に至らず、現在も交渉が続いている。
新しい勤務体制の導入により、平日の日中勤務の最大3.5倍に上っていた「週末徹夜特別手当」がなくなったが、現代自労組は週末に勤務する場合、手当がなくなった分の実質的な補填(ほてん)を会社側に要求している。
一方の会社側は、深夜勤務がなくなった以上、特別手当に当たる額を以前の水準通り補填するのは困難との立場だ。労使は6週間にわたる交渉で、賃金補填額をめぐって多少の歩み寄りは見られるものの、最終的な合意には至っていない。
一方、現代自の1次、2次の協力会社の代表団は先ごろ、現代自に対し週末特別勤務の再開を訴えた。代表団は「週末特別勤務の停止により、親企業だけでなく協力会社まで被害を受けている。労使が一日も早く交渉を進め、特別勤務を再開してほしい」と要求した。
(朝鮮日報より)
このようにストライキが発生している。おもしろいのは深夜勤務がなくなったのに特別手当を増やせと要求するところ。手当の意味を理解しているのか。さらに 凄いのはストライキ以外の別の工場で生産すればいいわけだが、仕事は回さないという労働者たち。本当に意味不明すぎる・・・。
まあ、韓国社会ではごねれば意見が通るという風潮があるのはご存じだろう。現代自動者側が一度折れているので、労働者側は強気である。
「週末深夜勤務はしないが週末特別手当は以前の水準を要求するニダ」
現代自動車もそろそろ決断するときが迫ってるのではないだろうか。管理人はどう考えてもこんなストライキは割に合わないと思うので韓国を捨てればいいと思う。
ごねるだけなら世界一優秀な韓国人の労働者なんて韓国人経営者でも使いたくないということだ。そして、このようなストライキの成果で現代自動車は国内20万台の生産数が減少すると発表した。
損失額は8200億ウォンとなり、気がつけば北朝鮮が封鎖した例の団地の損害額とたいして変わらないことになった。
そして、ロイターによると、現代自動車の第1・四半期決算は、純利益が2兆1000億ウォン(18億8000万ドル)となり、前年同期から15%減少となった。理由は操業停止や円安・ウォン高が減益要因とのこと。
以上。これでも純利益が出ているのは韓国人以外の労働者が頑張っているからということになる。現代自動車も東南アジアに生産拠点を増やしているので、韓国の労働者そのものがいつ首を切られることになるだろうな。
まあ、首を切られるとわかった瞬間、またストライキすると思うのですぐにニュースになるだろう。
今週の韓国市場
日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)
22日 1926.31 1121.20 547.10 252.00 -97億
23日 1918.63 1120.80 554.37 250.70 -1187億
24日 1935.31 1117.70 563.81 253.20 -241億
25日 1951.60 1112.10 559.40 254.70 -496億
26日 1944.56 1112.30 565.35 254.40 -1169億
以上。今週の予想レートは1110~1120だった。まあ、まずまず予想通りだったということになる。さて、次週ではあるが、二つの懸念事項がある。一つは北朝鮮リスク、もう一つは当局の微調整介入(スムージングオペレーション)のことだ。
北朝鮮リスクとしては韓国が例の開城団地から韓国人関係者を全員撤収させると発表した。これは北朝鮮が会談を拒否したためだ。つまり、韓国の見え見えの脅しなど通じなかったということになる。人質に取られるよりはましだという見方もある。
つまり、北朝鮮リスクは今後、韓国経済にさらなる悪影響を及ぼす可能性が高まったということだ。
もう一つはウォン高を防ごうとする韓国銀行の介入である。26日は1107ウォンまで高騰したウォンだったのが、微調整の介入リスクによって1112ウォンまで下がっている。
韓国企業の適正ウォンのレートは1100~1150ぐらいまでなので、1100を切れば介入する可能性はなくはない。
この二つの懸念事項のどちらを重きに置くかで予想レートは若干変化するのだが、次週は1105~1115辺りとみている。
実際終値1100は切らないだろう。また、急激なウォン安も北朝鮮の動向次第でもあるが、ただの威嚇程度ならそれほどウォンに影響しないのではないだろうか。
以上。少し長くなったが今週はこれで終わる。さて、来週はLG最新情報を取り上げたいと思う。LGといえば家電なわけだが、日本のシャープもそうであるように、今、テレビ事業は苦戦している。また、あまり、おもしろい情報が少なければサムスンのほうも取り上げたいと思う。
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