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第117回「クネノミクスVSアベノミクス~成長率・経常収支で韓国優勢、株価は日本が上。そもそも比較対象が間違っている」

第117回「クネノミクスVSアベノミクス~成長率・経常収支で韓国優勢、株価は日本が上。そもそも比較対象が間違っている」

配信日:2013年12月15日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは、安倍首相の経済対策、いわゆる「アベノミクス」と、韓国の大統領である朴槿恵氏の経済対策「クネノミクス」の比較である。はっきりいって、今年の流行語大賞に「アベノミクス」が選ばれない時点で、恣意的な運用を感じている。

つ まり、日本は左翼メディアに牛耳られている現状が透けて見える。それは政治的な話なので置いとくとして、なぜか、韓国がパクってクネノミクスという言葉を 作った。しかし、実際は全くもって異なる。まずは比較記事を掲載してから詳しく見ていく。では、記事のチャートを張る。

記事のチャート

クネノミクスVSアベノミクス→成長率→経常収支→アベノミクスが上→輸入増加率と株価→今週の韓国市場

クネノミクスVSアベノミクス

朴槿恵(パク・クネ)政権スタート初年度の今年、韓国経済は安倍晋三総理率いる日本経済に比べて成長率と経常収支などで上回ることが確実視される。ただし、株価の面では日本が優位だ。

8日、国際通貨基金(IMF)と韓国銀行、韓国開発研究院(KDI)等によれば、今年の韓国は経済成長率と経常収支など主要マクロ指標が日本を上回ると見 られる。IMFは韓国の経済成長率が昨年、2.0%で今年2.8%、来年は3.7%で順次右肩上がりの曲線を描くと予想している。

日本の経済成長率については昨年1.9%で今年2.0%に上がりピークとなって来年は1.2%で再び落ちると見ている。この予想通りなら成長率で韓国は今年日本に比べて0.8%、来年には2.5%も高い。
前分期比成長率で韓国が1分期に0.8%だった後、2分期と3分期連続で1.1%を記録したが、日本は1分期1.1%以後2分期0.9%、3分期0.5%と鈍化した。

特に、経常収支は韓国が今年、史上初めて日本を追い越すと予想される。今年韓国の経常収支黒字予想値は630億ドル(韓国銀行)、690億ドル(KDI)等なのに比べ日本総合研究所など日本機関が予想した日本の経常収支黒字は600億ドル程度だ。

しかし、経済政策の鮮明性の側面ではアベノミクスが上という評価が出ている。日本は無制限量的・質的緩和に象徴される3大戦略を提示し、名目国民総生産 (GDP)3%、物価上昇率2%という目標を掲げた。これに比べて韓国は景気活性化を旗印に掲げたが、経済民主化などの問題のため、方向性が明らかでない という評価だ。特に経済活性化法案102件は国会で寝ている。

水火も辞さないアベノミクスの追求力で11月末基準の円・ドル為替レートは102.31円で昨年末より19.9%切り下げられた。反面、先月末基準ウォ ン・ドル為替レートは1062.1ウォンで0.01%切上げられた。IMFは日本円の価値切り下げなどにより今年、日本の総輸出(物量基準)が昨年より 4.1%増えると予想した。昨年は-0.1%であった。 今年の総収入増加率は2.3%で昨年(5.4%)よりは鈍化すると観測している。

IMFの韓国輸出増加率推定値は5.7%、輸入増加率は4.1%水準で昨年と比較すると輸入増加率がさらに急だ。株価は昨年10395.18で締め切った日本の日経225指数が現在15000線をふわりと越えて50%上昇率に近づいている。 これに比べて昨年1997.05で締め切ったコスピ指数は1980.41で元金さえも取り返せなくなっている。

物価は日本が去る6月プラス(0.2%)に切り替わり、10月1.1%まで5カ月で上昇幅を拡大しデフレ脱出可否が注目されている。反面、韓国は3カ月連続0%台の上昇率を記録、14年ぶりに最も低い物価上昇率を経験している。

また、日本の小売り販売が8月1.1%、9月3.0%、10月2.3%増加する間、韓国は2.5%、-1.2%、1.6%と騰落が交錯した。イ・ブヒョン 現代経済研究院研究委員は「日本銀行とその国の政府が強力体制で政策方向を鮮明に導いた点を高く評価する」とし、「韓国は係留された民生法案を通過させれ ば、経済がもう少しはずみをつけることができるだろう」と語った。

ソースは韓国語なので2chより記事掲載

全文は長いと思ったのだが、今回はこの記事が中心となるのでしっかり読んでいただきたい。上から順に見ていく。この韓国人の記者は日本と韓国がまるで同レベルの国みたいに扱っているわけだが、既にその時点で大きな勘違いである。

■成長率

成長率というのはいわゆる昨年のGDPから、今年は何パート増えたかという話だが、先進国である日本と、新興国である韓国ではGDPの規模が6倍ほど異なるわけだ。日本と韓国の2012年の実質GDPと名目GDPは以下の通りだ。

■2012年、日本と韓国のGDP

実質GDP(物価変動の影響を加味して調整したもの) 

日本 519,335.20(単位は円)
韓国 1.104,214.70(単位は10億ウォン)

名目GDP(対象年の市場価格により算出したもの)(単位は10億USドル)

日本 5,960.27
韓国 1,129.54

実 質GDPは通貨が異なるので比較するなら、名目GDPで単位を10億USドルに統一したほうがわかりやすい。先ほど規模差は6倍と書いたが、ドル換算する と5.5倍ぐらいになるようだ。ただし、2013年は日本は円安が進んでおり、韓国はウォン高になっているので、名目GDPの差は縮まる。差は5倍ぐらい になるかもしれない。

>今年の韓国は経済成長率と経常収支など主要マクロ指標が日本を上回ると見られる。IMFは韓国の経済成長率が昨年、2.0%で今年2.8%、来年は3.7%で順次右肩上がりの曲線を描くと予想している。<

この時点で疑問に思わざる得ない。先週取り上げた設備投資の話からしても、どう考えても来年3.7%も成長するとは思えない。右肩上がりで成長するとある が、ウォン高が進行しているのに輸出のみで食べている韓国に追い風が吹くとはあまり思えない。ただ、世界経済の回復兆しがあるので、アメリカやEUが景気 を回復していくなら、韓国経済には好材料となる。IMFがそれを見越して述べたのかは判断できない。問題はウォン高をどうするかであるが。

>日本の経済成長率については昨年1.9%で今年2.0%に上がりピークとなって来年は1.2%で再び落ちると見ている。この予想通りなら成長率で韓国は今年日本に比べて0.8%、来年には2.5%も高い。<

確かに日本の経済成長率を上回っているわけだが、むしろ、韓国が望んだ通りの成長率を達成したとしても、日本には一生追いつけないのはGDPを比較すればわかるとおりだ。韓国が先進国相手に成長率で勝ったといわれても、それで日本が危機意識を持つ理由さえ存在しない。

もっとも韓国が危機意識を持つ理由がある。それは基準金利のことだ。新興国で基準金利が低い場合は危険である。一般的に景気が良くなれば、基準金利を上げて熱を冷ますわけだが、その基準金利が低ければ投資家は韓国と疎遠になる。

輸 出依存、不健全な経済構造、北朝鮮リスクなどがあり、決して安全とは言えない韓国に投資するには金利が高いという魅力が必要なわけだ。リスクを考慮すれ ば、新興国なら、普通に考えれば3.5%の基準金利は欲しい。現在、韓国の金利は2.50%と7ヶ月連続の据え置きとなっている。成長率が2.8%なの に、金利は2.5%である。今後もしばらくは現状維持だろう。

■経常収支

>特に、経常収支は韓国が今年、史上初めて日本を追い越すと予想される。今年韓国の経常収支黒字予想値は630億ドル(韓国銀行)、690億ドル(KDI)等なのに比べ日本総合研究所など日本機関が予想した日本の経常収支黒字は600億ドル程度だ。<

経常収支については前回のメルマガで取り上げたのでそちらを参照してほしい。輸出は増大したものの、輸入や設備投資がそれに追いついてないことに触れた。つまり、このままの状態が続けば、来年の経済成長率はそれほど上向かないと思われる。

■アベノミクスが上

>しかし、経済政策の 鮮明性の側面ではアベノミクスが上という評価が出ている。日本は無制限量的・質的緩和に象徴される3大戦略を提示し、名目国民総生産(GDP)3%、物価 上昇率2%という目標を掲げた。これに比べて韓国は景気活性化を旗印に掲げたが、経済民主化などの問題のため、方向性が明らかでないという評価だ。特に経 済活性化法案102件は国会で寝ている。<

1年のアベノミクスの達成評価でいうなら半分ぐらいだろうか。物価上昇率2%はいってない。成長率も2.0%ぐらい。もっとも、民主党の経済政策に比べれば 遙かにましなわけだ。それは日経平均が15000円を超えたり、1ドル、102円を見ればわかるとおり。

もっとも、まだ3年あるので、今後の経済対策でアベノミクスの真価が問われる。増税するのは時期尚早だと意見には同意するが、ボーナスが増えたり、景気が良くなったと思う企業も、中にはでてきているので、様子見だと思われる。

一方、韓国のクネノミクスは経済対策で何したかというと実は何もしていない。ああ、ばらまきと徳政令みたいなことはやったかな。しかも、最後が酷い。

経済活性化法案の 102件は成立すらしていないと。既に、予算すら成立するか怪しかったので、なんというか本当に韓国国会は仕事をしていない。最初から人事も決まらなかっ たので、こうなることは目に見えていた。だから、管理人は朴槿恵大統領は無能だと述べたわけだが、外交でも無能だった。外遊する先々で日本批判しかしてい ない。それで支持率が高いんだから楽でいいとおもう。

■輸入増加率と株価

>IMFの韓国輸出増加 率推定値は5.7%、輸入増加率は4.1%水準で昨年と比較すると輸入増加率がさらに急だ。株価は昨年10395.18で締め切った日本の日経225指数 が現在15000線をふわりと越えて50%上昇率に近づいている。これに比べて昨年1997.05で締め切ったコスピ指数は1980.41で元金さえも取 り返せなくなっている。 <

韓国はEUとアメリカでFTA協定を締結 した。それが輸入増加率が上昇した大きな要因だ。それで、外国の自動車に国産車が押されてきている現状がある。ヒュンダイの自動車より、ドイツや日本が 作った自動車のほうが性能が良いのはあきらかだし、関税が安くなれば、当然、値段も似たようなレベルになってくる。他にもブランド品、衣服やバック、食べ 物などもそうだ。今後、輸入増加率は増えるだろう。

韓国の株価は一年前と比べてたいして変わっていない。日本の場合は二倍になったというが、株価に対しては民主党政権が実質下がりすぎていたと思うので、実際、15000円ぐらいが今の日本経済の現状ではないのだろうか。

韓国のKOSPIは上がりすぎだと思われる。今の現状なら1800程度でいいだろう。実際、明博大統領の時の成長率より、かなり低いのに株価が高いというのは仕込みとしか思えない。もっとも、株価が想定値より高い理由はサムスンに大半あるわけだが。

最 後に少しだけ韓国の物価上昇率について触れておくが、典型的なデフレスパイラルである。今年、韓国はインフレから急激なデフレとなったが、平均賃金や雇用 率があまり上がっていない。となれば、デフレというよりはデフレスパイラルという、日本の20年と似たような状況に陥る可能性がある。

もっとも日本は日本市場がそれなりに大きいので、20年でもほぼ現状維持をなんとかできた。韓国の場合は市場が狭いため、日本と同じような現状維持は難しいだろう。明暗がくっきり分かれてくるかもしれないので、今後、注目したい。

今週の韓国市場

日付 KOSPI ウォン KODAQ 先物 外国人(ウォン)

09日 2000.38 1053.00 502.23 263.95 754億
10日 1993.45 1052.20 497.72 262.40 -891億
11日 1977.97 1052.10 494.78 259.50 -2151億
12日 1967.93 1051.00 495.64 258.95 -6915億
13日 1962.91 1052.60 494.36 256.90 -2704億

今週の予想レートは1055~1065だった。管理人は1055切れば介入すると踏んでいたのだが、どうやら大きな介入はしなかったようだ。そのため、 1050付近までウォンが上がっている。特に外国人が連日売り越しており、それに連動してKOSPIが下がっている。

12日の-6915億ウォンというのはかなり大きな売り越しである。アメリカの雇用統計が微妙だったり、韓国の基準金利が据え置きされたこともあるが、ここまでの投げ売りには驚かされた。

今後、介入ラインは1050以上だと思われるわけだが、来週は1050台の攻防が続くのではないかと見ている。つまり、1050~1060辺りだろう。 1050ウォン以上のウォン高になると韓国の輸出業は利益はまず出ないので苦しい状況となる。そのため、1050はデッドラインである。来週はここを終値で突破できるか注目したい。

以 上、今週はこれで終わるが、来週はアップルとサムスンの特許訴訟関連を特集したい。アップルとサムスンの特許訴訟はまだまだ続いているのだが、最近、サム スンが不利な判決が色々出ている。しかも、その判決が韓国の裁判所も含むのだから驚きである。次回も楽しみにしていただきたい。

読者様の講読に深く感謝する。これからも温かい応援の程をよろしくお願い致します。

第116回「10月の経常黒字は95.1億ドルで21ヶ月連続!果たして韓国経済は順調なのか?」

第116回「10月の経常黒字は95.1億ドルで21ヶ月連続!果たして韓国経済は順調なのか?」

配信日:2013年12月08日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週のメルマガは韓国の経常黒字について特集していく。韓国政府の予想なら今年の経常黒字は730億ドルとなり、日本を追い抜くことが確実とされている。さらに、21ヶ月連続で経常黒字が続いている。

このように韓国経済は順調で日本を上回ったと見方が出来る一方、経常黒字には不況の時でも出ることがある。果たして、韓国の経常黒字はどちらなのかを解説していく。では、記事のチャートを張る。

記事のチャート

経常黒字とは→21ヶ月連続で黒字達成→半年の経常黒字→韓国の経常黒字は不況型→今週の韓国経済

経常黒字とは

経常黒字というのは、経常収支が黒字のことを指す。経常収支とは、国際収支を評価する基準のひとつで。これらは大きく分けて次の4つで構成される。

1.貿易収支
2.サービス収支
3.所得収支
4.経常移転収支

それぞれの項目を簡単に解説しておくと、「貿易収支」はモノの輸入と輸出の差額から算出される。「サービス収支」はサービス取引や特許権使用料、旅行、運賃、保険料などのサービスの受け取り。

所得収支は対外直接投資や証券投資の収益。

経常移転収支は政府開発援助(ODA)のうちの医薬品など現物援助を表す。

この中でもっとも大事なのが韓国の場合は貿易収支である。これは韓国が貿易依存率96%という極めて高いことでもわかるだろう。貿易収支はいわゆる、輸入 と輸出の差額ことなのでほとんど意味はそのままである。輸出から輸入を引いてプラスなら貿易黒字、マイナスなら貿易赤字となる。

また、貿易収支の中に商品収支というのがあり、サムスンの利益増額のニュースを見てもわかるが、スマートフォン、自動車が商品収支拡大の大きな要因となっている。

他にも、サービス収支なら、海外でも建設工事受注や、中国人旅行客の増大によって経常黒字収支に大きく貢献した。それ以外の収支はたいしてかわらないので韓国の場合は無視しても構わない。

21ヶ月連続で黒字達成

我が国の10月経常収支が月間で史上最大を記録して、21ヶ月連続の黒字になった。輸出と輸入が同時に増えて’不況型黒字’からやや抜け出す姿を見せた。サービス収支の黒字幅も建設および事業サービス収支改善などで、前月より拡大した。

韓国銀行が28日発表した’2013年10月国際収支(暫定)’によれば、先月の経常収支は95億1000万ドル黒字を記録して、前月(65億4000万 ドル)より黒字規模は23億6000万ドル増加した。これまで最大の経常黒字を見せた5月の86億4000万ドルを上回った。

これで昨年2月から21ヶ月連続で黒字になり、今年1~10月の累計経常収支黒字額は582億6000万ドルとなった。この傾向が続けば、今年の韓銀展望 値(630億ドル)を大きく越えるのはもちろん、韓国開発研究院(KDI)の今年展望値である690億ドルも達成できる展望だ。

商品収支黒字額は70億3000万ドルで、前月(56億7000万ドル)より13億6000万ドル増加した。輸出が輸入より増加幅が大きかった。輸出は522億3000万ドルで前年同月比8.2%増加し、輸入も452億ドルで5.6%増えた。

輸出が大きく増えたのは、9月に自動車業界のストライキが終了した影響があった。9月には前年同月比で輸出と輸入は、それぞれ2%と4%減少した。韓銀関係者は”明確な理由なしで輸出と輸入が最近大きく増えたが、景気が多少良くなった結果と見ることができる”と話した。

通関基準で品目別輸出を見れば、自動車部品(23.5%)、情報通信機器(22.4%)、乗用車(19.8%)の増加幅が大きかった。石油製品 (-16.1%)、ディスプレイパネル(-15.2%)は減少した。輸入は消費財と資本財輸入が、前年同月比でそれぞれ16%と12.4%増えたが、原材 料は0.2%減少して前年に近い水準だった。

サービス収支では、建設サービス収支黒字が14億3000万ドルで前月(10億3000万ドル)より4億ドル増えたほか、知的財産権使用料は赤字幅が4億ドルから2億3000万ドルに減少した。旅行収支赤字も5億4000万ドルから3億3000万ドルに減った。

所得収支黒字は配当支払減少などで、前月の3億2000万ドルから7億9000万ドルに大きく拡大した。移転所得収支は3億2000万ドル赤字から5000万ドル黒字に切り替えた。 (後は省略)

ソースは韓国語なので2chより記事掲載

少し長いのだが韓国の10月の経常黒字について取り上げた記事。ここで、管理人が調べている半年分の経常黒字データを出しておこう。

半年の経常黒字

05月 86億4000万ドル、
06月 72億4000万ドル
07月 67億7000万ドル
08月 56億8000万ドル
09月 65億4000万
10月 95億1000万ドル←過去最高

韓国の経常黒字は不況型

初めて日本の経常収支を上回るということで、さぞかしお祭りムードかと思えば、韓国の経済紙はそれほど楽観視はしていない。なぜなら、韓国は自国の経済はわりとまともに見ている記者が多いからだ。

数値を見ればたいしたものだが、過去のメルマガでも何度も取り上げてきたとおり、経常黒字は「不況型」である。

貿易輸出が増えているのに、貿易輸入があまり増加していないことでの経常収支大幅黒字なのだ。韓国の場合は原油や材料、機械などを輸入して、それを組み立てて製品にして輸出する。

しかし、輸入が増えないということは、輸出が増加した分は、簡単に言えば、今まで作っていた商品の在庫が売れたことを意味する。

もちろん、それだけではないが、先ほどの記事によると、輸入は消費財と資本財輸入が、前年同月比でそれぞれ16%と12.4%増え、原材料は0.2%減少して前年に近い水準だったという。原材料は「前年に近い輸入」であった。管理人が在庫処分といった意味はここからだ。

商品が売れていて大幅な経常黒字なら本来、輸入もそれに追加して増加しなければならない。しかし、現状に原材料の前年水準だということは、材料が足りていることを意味する。なにやらおかしいと思わないだろうか。実はここで大事なのが「設備投資」である。

前回、メルマガでサムスンの配当率が上がったことを特集したが、あの時、設備投資をしなければ、利益拡大を目指せないようなことを述べた。これも、全く同じで設備投資が増えなければ、いくら輸入が増えても、そのうち縮小していく。

すなわち、生産設備の拡大と雇用の増加がなければ成長したとはいえないのだ。そこで、韓国の設備投資を見てみよう。

資料によると、2013年1~6月の設備投資は前年同期比で8.2%のマイナスとなっている。7月、8月は少し増えたが、設備投資が減ってるのに利益が増えている。原材料は前年に近い水準ということは、機械を増やさずに必要最低限の材料のみを輸入していることになる。

サムスンや現代自動車によって、スマートフォン、自動車の輸出は伸びた。しかし、設備投資がこれほど弱いのを見れば、楽観視など到底できるものではない。 なぜなら、サムスンのスマートフォン拡大も限界が見え隠れしており、自動車も絶好調とは言いがたい。しかも、知っての通り、「ウォン高」である。

今年辺りからウォン高が進行しており、現在は1060ウォン辺りである、輸出で通貨高では辛いのは言うまでもない。韓国はアメリカから為替介入国として監視されている。過度なウォン安への介入はアメリカの圧力が強まる恐れがある。

以上のような理由から経常黒字が過去最大で日本を追い抜いたと述べても、中身を知れば、楽観的には考えられないわけだ。確かに良いニュースであるが、そもそも、韓国企業が儲かっているのはサムスンや現代自動車など一部の財閥だけである。

まとめると、スマートフォン一つで韓国経済の明日の命運が左右されることになる。中々、面白い状況である。

今週の韓国経済

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

02日 2030.78 1057.20 512.69 268.30 556億
03日 2009.36 1061.20 508.16 264.90 -627億
04日 1986.80 1060.50 506.28 261.50 -4046億
05日 1984.77 1059.60 506.80 260.80 -3203億
06日 1980.41 1058.00 506.32 261.20 -981億

今週の予想レートは1055~1065だった。予想通りの推移であるが、最後は少しウォン高となった。また、4日連続で外国人が売り越しているにも注目。 KOSPIも2000台を切ってしまった。先ほど、経常黒字が過去最高といっても、投資家にはそれほど期待されていないわけだ。

また、年末に入って取引規模が今年最小であった。来週も似たような感じだと思われる。

値動きするにもアメリカの雇用統計発表次第なので、この雇用統計が何処まで改善されるかで数値が変化するだろう。問題は雇用統計が悪化すれば株価が下がる という話ではなくなり、規制緩和を厳しくするのか、維持なのかが焦点なのでややこしい。ただ、1055ラインを突破するのは難しいだろう。

来週も1055~1065にしておく。

以上。今週はこれで終わるが、来週はアベノミクスとクネノミクスを比較している面白い記事を見つけたのでこれを特集していく。最も、GDPに6倍の差があ る、日本と韓国において、韓国の成長率が日本を数%上回っても、計算上は生涯追いつけないのだが・・・特集する前に結論を書いてしまったが、具体的な詳細 に次メルマガで触れていく。

読者様の購読に深く感謝する。これからも応援のほどをよろしくお願い致します。

もう一つ、最近、インフルエンザが流行しているのでくれぐれも気をつけていただきたい。忘年会シーズンで付き合いが多いと思われるし、年末は人と接する機会も増えるため、感染しやすい。