第129回「4月11日、150カ国で発売予定のサムスン、ギャラクシーS5は売れるのか」
配信日:2014年3月9日
最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)
今回の韓国経済特集はサムスン電子が来月の11日に発売するギャラクシーS5についてである。すでに以前のメルマガでも述べた通り、サムスン電子の営業利益の7割はスマートフォン関連で稼いでいる。
他の事業はほぼ赤字であるため、スマホで転ければ、サムスン電子は後がない。現在、それ以外に売れる商品が存在しないのではっきり言えば、そこでサムスンが終了することになる。それまでに売れる新商品が開発出来たらいいのだが、残念ながらそう簡単には行かないようだ。
そして、サムスンの生き残るかを見るために大事なのが、このギャラクシーS5の売れ行きということになる。サムスンのギャラクシーシリーズの性能の悪さは 今さら語るまでもないのだが、その性能の悪い物が世界中に売れているという現実がある。また、基本はiPhoneシリーズのパクリである。そのため、アッ プル社に数年前から訴えられている。
さらに数日前、アップル社に1000億円近い巨額な賠償を支払うことが決定したわけだが、これぐらいでは売れた代金には到底及ばない。もちろん、特許訴訟 自体はまだまだたくさんあるので、サムスンがさらなる賠償を求められることになるのは言うまでもない。そのようなニュースはあるが、現在、サムスン電子が 市場シェア1位を獲得していることは疑いようがない。
日本じゃほとんど相手にされないが、各国では使用されているわけだ。ただ、同然の投げ売り価格で販売していても使っていることには変わりはない。ギャラク シーS5が同じ道を辿るかは知らないが、まずは基本事項をおさらいして売れ行きを考えていく。では、記事のチャートを張る。
記事のチャート
ギャラクシーS5の性能→ギャラクシーS5は売れるのか→今週の韓国市場
ギャラクシーS5の性能
>5.1インチ、1920 x 1080 SuperAMOLED搭載、革風の背面カバーは交換可能で、指紋センサーを搭載するほか、心拍数も計測可能。指紋センサーは iPhone 5s のようなホームキーがセンサーになっています。microSDカードスロット搭載。IP67サポートの防水防塵モデルとなります。
カメラは背面16MP、正面2.1MP。HDR撮影もサポートするほか、AF速度は0.3秒。また、撮影後にフォーカス位置を変更できる機能なども用意しています。カメラの下に心拍センサーを搭載しています。
4コア 2.5GHzの Snapdragon 800 プロセッサ、2GBメモリ、ストレージは16GB/32GB。
LTEは下り最大150Mbps に対応し、「どの地域でも利用できる」としています。IEEE802.11 a/b/g/n/acをサポートし、WiFi MIMOが利用可能。NFCやBluetooth 4.0に対応。
大きさは142.0 x 72.5 x 8.1mm、重さは145g。2800mAhバッテリーを搭載し、「Ultra Power Saving Mode」という省電力モードがあります。<
(http://japanese.engadget.com/2014/02/24/galaxy-s5-5-1-android-4-4-kitk/)
これがギャラクシーS5の性能なのだが、これだけ見ても良いかどうかはわからない。そこで、iphone5Sの性能を見てみる。これは見ればわかるのだ が、ギャラクシーS5の方が性能が良い。それは新製品なので驚くことではないが、とりあえず、今、主流の5.1インチで、1920 x 1080という大きな液晶が特徴である。iPhone5sの液晶が、1136×640なのでかなりの大きさといえよう。バッテリーが取り外し可能なのもわ りと良いと思う。iPhone5sは出来ない。他にも、指紋認証で決済が可能という。
さらに、日本の最新携帯の性能を見てみると、どうやらソニーの2013年発売機種エクスペリアZ1とほぼ同等、カメラやワンセグ、フルセグといったテレビ の性能は負けているが、スペック自体はそれほど差はない。つまり、現時点でのギャラクシーS5は2013年の日本で発売したスマホ最新機種レベルより一段 階下であるといえる。
上回っていないじゃないかと突っ込むかもしれないが、世界のスマホが日本の最新機種と同じレベルになっているわけでもない。日本人は高性能品を求めたがる 傾向があるが、現時点ではほぼ最高性能だと思われるので、日本の携帯と比較すると見劣りしてしまうのは事実だろう。けれども、iphone5Sを上回る性 能なので悪くはない。
もっとも、サムスン電子の製品は性能以上に品質の問題が付きまとうし、本当にその性能かどうかは発売して手にとって見ないと分からない。正規のバッテリーが爆発したり、色々なごまかしがあるからだ。
ただ、以前のギャラクシーS4との性能を見る限りではほとんど変わっていない。これで買い換える需要が生まれるかは難しい。
性能比較はこれぐらいにして、次は価格に移ろう。中央日報によると、今の最新価格動向は以前のモデルより低い80万ウォン台後半~90万ウォン台前半(8万6000円前後)となっている。そして、先ほどの性能で示したとおり、ハイスペックにこだわっているわけではないことがわかる。
>ギャラクシーS5発売直後に世界のIT業界ではサムスン電子が高級化競争 から抜け出し「価 格競争」に戦略をシフトしたとの分析が出てきた。メモリーは3ギガバイトの「ギャラクシーノート3」より少ない2ギガバイトだけ搭載し、ディスプレーも1 年前のモデルである「S4」と同じフルHD解像度であるためだ。これに対しサムスン電子関係者は「前モデルより低い価格で発売する方策を検討中だが80万 ウォン台ではないだろう」と話した。 <
(http://japanese.joins.com/article/610/182610.html?servcode=300§code=330)
性能、価格と見てきたわけだが、これが世界でどのように評価されるか。次はそれをテーマにする。
ギャラクシーS5は売れるのか
調べて思った正直な感想は「あまり売れない」と思われる。
これは管理人がiPhoneユーザーやソニーを応援したいからというわけでもなく、ギャラクシーS4と大きく変わるのが防水防塵、指紋認証決済やカメラが 多少良くなった程度で、それほど大きな変化はない。むしろ、これが最新機種の性能だとして、他の携帯会社は当然、こんな低スペックで勝負しないと思われる ので、2014年で売上トップ独走などは夢の話だろう。
何かとんでもないオマケでも考えているならともかく、性能だけを見ればお話にならない。S4からの乗換需要もそれほど期待出来ない。まとめると、他社が1年前に売りにした機能を詰んだだけの新機種といえる。贔屓目に見ても、これが欲しいとは思えないのが現状である。
携帯機種の技術進化は凄まじく速いので、これからどんどん高性能な物が出てくるのに、これで2014年戦うのはかなり難しいだろう。さらに価格競争でもそうだ。86000円の本体価格。色々な割引サービスで6万円前後だとしても、それほど安くなっているわけでもない。
今、日本のエクスペリアZ1なら、これよりももっと安くで買えたりするのでギャラクシーS5を待つ理由がまったく存在しない。当然、ソニーは2014年に エクスペリアZ2を出してくるだろうし、アップルもiPhone6を発売するだろう。他メーカーだって続々と2014年の新機種開発を頑張っている。明ら かにその中で、ギャラクシーS5をわざわざ選択する理由がない。
性能や価格も駄目。じゃあ、後で何で勝負するのか。デザインか、おまけか。この二種類になるわけだが、デザインについてはどうだろうか。デザインについてはこちらの動画を見て欲しい。
このつぶつぶで穴がはいた背面のデザインはどうなのか。色によって何か微妙だと思うのだが、デザインについては深くは触れない。これは好みの問題であるためだ。
まとめると、性能、価格では2013年の新機種より劣る。ギャラクシーS4の乗換需要もあまり期待出来ない。機能面はわりと強化されている印象はあるが、 元が悪すぎた性能をS4でまともにした程度であり、S5で少し向上させたところで確かに使いやすくはなった。では、8万円払えるのかと考えると、難しいだ ろう。
今週の韓国市場
日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)
03日 1964.69 1070.20 529.86 256.00 -749億 ←ウクライナ情勢で新興国通過が不安定、北朝鮮ミサイルも影響?
04日 1954.11 1073.50 531.54 255.30 -1474億
05日 1971.24 1070.90 536.77 257.35 109億 ←ウクライナ情勢が緩和。各国の株価が続騰、ただ米国の経済指標は振るわず。
06日 1975.62 1064.10 540.33 257.65 887億 ←中国で社債の初のデフォルト
07日 1974.68 1060.60 543.76 257.35 212億
今週の予想レートは1060~1080だった。どんぴしゃで当たったわけだが、思ったよりウクライナの情勢回復が速かったことが1080台まで行かなかっ た要因ではある。北朝鮮ミサイルもあるが、今のところ、それほど市場に影響は感じられない。来週もウォン高の圧力が強くなるだろう。
問題は1060より上だと介入懸念があること。どこがマジノ線なのかは微妙なところだが、1055、1050といったところが怪しい。ここを超えるような ウォンの動きは介入する可能性が高いので、1050を上回ることはないだろう。なら、1050~1070の間だと思われる。逆にウォン安になる材料があま り見当たらないので、来週は現状維持、もしくはウォン高と思われる。
円の方も1ドル=103円台に突破したこともあり、日本経済は順調に回復してきている。日経平均は15274円で、だいたいこの付近を足踏みしている感じ だが、そろそろ好材料が欲しいところだ。ただ、アメリカは日本と韓国が対立するのを快く思っていないので、日本にアプローチを仕掛けてきている。
ただ、ウクライナでの安倍総理の対応を見る限りでは、ロシア側とはこれからも交渉を継続していく姿勢が見て取れた。アメリカ寄りではあるが、EUの各国が ロシアを嫌ってソチパラリンピックの閣僚を欠席させるようなことはしなかった。これは、安倍総理の手腕であろう。アメリカ追随では今後の日本を取り巻く環 境には対応出来ないということだ。珍しくアメリカが日本と交わした談話を軌道修正したので、日本が折れなかったようだ。
このようにウクライナ情勢が安定するかは次の選挙次第ということもあるが、もう一つ、中国で初の社債デフォルトが発生している。この影響が今はそれほど出ていないが、氷山の一角に過ぎないだろう。もし、立て続けに起こるなら韓国経済は覚悟したほうがいい。
中国の債務は2150兆円らしいのだが、成長目標を維持したことでさらに膨らむ可能性があるという。このように中国経済の不安定さが韓国経済に悪影響を及ぼしている。もっとも、そうしたのは韓国自身なので自業自得といえるのだが。
以上。今週はこれで終わるが、来週は出来るだけ最新データを集めて、韓国の借金が現在、どの程度まで増えているかを検証する。2年ほど前は韓国の全ての負 債はおよそ7000億ドルと述べていたわけだが、あれから2年経った。減ることはあり得ないので、これがどれだけ増えたかを見ていく予定だ。
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