第194回世界のスマホシェア争い。どうしてこうなった?サムスン電子だけが一人負けの状態」

第194回世界のスマホシェア争い。どうしてこうなった?サムスン電子だけが一人負けの状態」

■バックナンバー宣伝文

サムスンのスマホシェアの巻き返しは今後あるのか。それについて考えてみたい。正直いって、ブランド価値を高めてこなかったサムスンは辛いと思われる。たとえていうなら、カルビーのポテトチップスだ。日本では色々な企業がポテトチップスを販売している。しかし、最後は定番のカルビーに落ち着いてしまう。これは一体なぜなのか。

ブランド価値が浸透していると、その当時に気に入ったものが美化されやすい現象があるからだと管理人は感じている。子供の頃によく食べていたあの味は忘れられない。多くの人がそう感じたことがあるだろう。つまり、昔使っていたスマホの品質が良ければ、そのブランドは忘れないということだ。

配信日:2015年7月26日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

今週の韓国経済はサムスン電子の最新スマホ事情について取り上げる。数年ほど前から、世界一だったサムスン電子のスマホシェアが激減していったのは何度か紹介したが、その差は時間が経つごとに顕著となった。一体何が原因なのか。その辺りを分析していこうと思う。では、記事のチャートを張る。

記事のチャート

サムスン電子だけが一人負け状態→サムスンのスマホシェアが落ちていく原因→改善策はあるのか?→今週の韓国市場

サムスン電子だけが一人負け状態

>サムスン電子が4-6月期の世界スマートフォン市場において出荷台数とシェアがともに下落したことが調査された。

23日(現地時間)、市場調査機関IDCによると、今年4-6月期の世界スマートフォ出荷台数は昨年同期比11.6%増の3億3720万台だった。

4-6月期の出荷台数を基準とすると、世界スマートフォン市場シェア上位5社はサムスン電子(7320万台、21.7%)、アップル(4750万台、14.1%)、ファーウェイ(華為、2990万台、8.9%)、シャオミ(小米、1790万台、5.3%)、レノボ(1620万台、4.8%)だった。

サムスン電子は昨年同期に比べて出荷台数が2.3%減少した。しかし、上位5社のうち出荷台数が減少したのはサムスン電子が唯一だった。サムスン電子の市場シェアは昨年同期比3.1%ポイント下がった。

2位のアップルは前年同期と比べて出荷台数が34.9%急増し、市場占有率は2.4%ポイント上昇した。中国スマートフォン企業もサムスンを圧迫している。シェア上位5位中、ファーウェイ、シャオミ、レノボが3~5位を占めている。これら3社の市場占有率は19%で、前年同期16.5%から2.5%ポイント上昇した。

(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150724-00000032-cnippou-kr)

ここ、数ヶ月のスマホシェアのニュース。出荷台数は減っているがまだトップにいる。しかし、問題は他の上位4社が出荷台数を増やしていること。こうなってくると数年後には逆転現象が起きることになる。もっとも、出荷台数であって売上ではない。そこで、サムスンの最新スマホ、ギャラクシーs6の初回売上を見ておく。

調べたところ、4月10日のギャラクシーS6発売から20日間の販売台数(曲面ディスプレーの「S6エッジ」含む)は約600万台で、この期間で1000万台は出荷されたという。

S6の販売台数は前機種「ギャラクシーS5」より伸びた。しかし、アップルが昨年9月に発売した「iPhone(アイフォーン)6」と「iPhone 6プラス」の発売当初の週末の1000万台には全く及ばない。新作発売という重要な期間なのに、普通にiPhone6やiPhone6 プラスのほうが売れていたことになる。

出荷台数の6割は売れたから順調とみるのか。アップルに遠く及ばないのを危機とみるのかで評価はかなり変わってくるが、管理人は後者だと考えている。では、一体どうなったのか。7月7日のブルームバーグに書いてある。

>(ブルームバーグ):韓国サムスン電子 の4-6月(第2四半期)決算では、利益がアナリスト予想を下回った。スマートフォン(スマホ)「ギャラクシーS6」の供給不足により、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」や中国メーカーの安価モデルに奪われた顧客を取り戻せなかった。

同社の7日の届け出によれば、営業利益は前年同期比4%減の6兆9000億ウォン(約7500億円)。ブルームバーグがまとめたアナリスト33人の予想平均は7兆2000億ウォンだった。7四半期連続で減益となった。

ギャラクシーS6は発売当初、評判が高く、アップル「アイフォーン6」から顧客を奪い返せると期待されていた。しかし曲面スクリーンを搭載したS6モデルは生産の制限で販売が伸び悩み、同社は収益の柱としてますます半導体部門に頼らざるを得なくなった。<

思ったより半導体部門がまだ利益を出しているようで、それに救われた形である。だが、スマホを見れば期待外れだったと。供給不足?1000万台は出荷していたのにそれはない。

ちなみにアップルのiPhoneは前年同期比で売上高を59%増加、阪大台数は35%増加して4750万台に達したそうだ。あまりにも差が歴然としている。

このように、ギャラクシーS6はアップルや他の企業の顧客を奪い返せなかった。そして、一人負けとなった。では、評判が高いはずのギャラクシーS6はなぜ売れないのか。次でその原因を考えてみる。

サムスンのスマホシェアが落ちていく原因

まずはサムスンのスマホシェアが落ちていった原因を列記していく。

1.高付加価値を求める日本人が買わないから
2.安さでは中国勢、高級感ではアップルに勝てないから
3.ウォン高による価格競争力の低下
4.スポーツで世界一稼いだ男、マニーパッキャオがiPhoneを好むから

以上の4つである。

■高付加価値を求める日本人が買わないから

なぜ、高付加価値化を求める日本人が買わないのがスマホシェアが落ちていく原因なのか。実はこれはスマホから波及するアプリやサービスの全体が深く関わっている。どういうことなのか?

日本人はiPhoneが格好良いから、お洒落だから購入しているわけではない。見やすい画面、使いやすさ、アプリの充実などの高い機能性に加えて、シンプルなデザイン、タッチ操作が簡単でスピーディー。itunesやipadなどの連携。こういったアップルがもとになり、提供しているサービス全体の質が高い。

一方、日本製やサムスンの携帯は使いやすさでiPhoneにはかなわない。管理人は知人にSONYや格安スマホを触らせてもらったことで実感したが、かなり使いにくいのだ。まず、処理が遅い。タッチして直ぐに切り替わらない。ほんの0,5秒ぐらいの差でも、それが毎回となると気になってくる。アプリセンターがどこにあるかわかりにくい。ダウンロードもしにくい。全体的な処理レスポンスが遅い。これはメモリーの問題だと考えているのだが。

こういった品質的に直ぐにわかる違いは、日本人は気にする。youtubeの動画を見るときの読み込みや再生時間だってそう。ギャラクシーをひたすら売っていたDoCoMoがiPhoneを導入したことで、日本の携帯シェアはこiPhoneが独占する運命だった。

日本人の製品を見る目はかなり高いと管理人は感じている。日本で売れるものでなければ、世界には通用しない。ユニチャームの社長が述べたことだったと思うが、まさしくその通りである。

ギャラクシーS6はサムスンのロゴを隠してまで日本で売っている。だが、最初からロゴを隠すような手段に出て、日本人が買うわけがない。潔くないからだ。自社のロゴに誇りを持てない企業のスマホなんて誰が欲しがるのか。サムスン自体が日本では売れないとわかっていても、販売せざる得ない理由がここにある、しかし、その方法は日本人に嫌われるだけであった。

日本人が満足する品質なら世界でも通用する。それが長年、証明されているに過ぎない。この先、よほどのことがない限り、スマホシェアはiPhoneが伸ばしていくだろう。最新の製品は高いが、旧世代のスマホは安い。そういうのが世界中に普及している。そして、使いやすさを実感すれば、またiPhoneを選びたくなる。

ただ、管理人はSONYのXperiaシリーズに期待している。ハイゾレ音源を楽しめるため。発熱問題を解決してくれたら、そのうち買い換えるんだが。

■安さでは中国勢、高級感ではアップルに勝てないから

この問題については良く取り上げている。サムスンは薄利多売商法で、市場を食い荒らしてきた。DRAM、液晶テレビなどあげればきりがない。一部では焼き畑商法ともいわれて、多くの企業がその破格の安さにおける価格競争に敗れていった。これができるのがサムスンが韓国に支えられているためだ。

しかし、同じことするならパイが大きい方が勝つ理論がある。人件費がまだ安い、中国勢がサムスンと同じように薄利多売商法を仕掛けてきた。、それが近年、サムスンのスマホシェア低下に繋がる。同程度の品質で、ブランド価値がないギャラクシーを買うよりは、もっと安いのを選ぶわけだ。ここがアップルの旧製品と全く異なるところだ。

アップルの安い旧世代のスマホが世界中に普及していった結果、サムスンのギャラクシーは淘汰されていった。最新機種ですら日本で実質0円で売られている現状があるのに、旧世代のギャラクシーとか誰が買うのか。ただ、ギャラクシーS3はかなり良かったときいている。それ以外は駄目だが。

■ウォン高による価格競争力の低下

良く日本の円安が韓国企業に大打撃を与えるというが、スマホの世界では異なる。なぜなら、日本のスマホシェアは低く、サムスンの相手にはならないからだ。むしろ、円安になった分、日本の部品を安くで使えるようになった。サムスン電子にとっては悪くないだろう。日本製の機械や部品が安くで手に入るのだから。

現在、ウォン高といえる状況ではあまりないが、ここ数ヶ月で下がってきたので、今まではウォン高だった。そのウォン高による価格競争力の低下も原因の一つとみていい。もっとも、多少高くてもギャラクシーを選ぶブランド力があれば良かったのだが。

■スポーツで世界一稼いだ男、マニーパッキャオがiPhoneを好むから

読者様はボクシングの世界王者、マニーパッキャオをご存じだろうか。日本でも5月ぐらいにかなり取り上げられたので、知っていると思う。そのマニーパッキャオが最大のライバルといわれたフロイド・メイウェザーとラスベガスで対戦した。

その時のファイトマネーは二人合わせて、2億8000万ドル。日本円で336億円。試合はメイウェザーが勝ったので2億ドルは彼のものになったそうだが、それでも1時間で稼ぎだす金額としては世界最高レベルである。チケット、海外放映料などを全部合わせたら1試合で7億ドルがうごいたという。ボクシングファンでなくても、その巨額な金額に驚いただろう。

そのマニー・パッキャオはiPhoneを使っている。それが大事である。こういった世界的な大スターが自社製品を好んで使うのはスポンサーの関係であるが重要なことだ。余談だが、この前、コカコーラー社で働いている人が、ペプシを飲んだだけで解雇されたというニュースがあった。このニュースからわかるとおり、イメージは大事なのだ。

最後はわりと余談名感じもするが、このようにサムスンのスマホシェアが落ちていく原因は様々。では、最後に改善策があるのか。

改善策はあるのか?

では、サムスンのスマホシェアの巻き返しは今後あるのか。それについて考えてみたい。正直いって、ブランド価値を高めてこなかったサムスンは辛いと思われる。たとえていうなら、カルビーのポテトチップスだ。日本では色々な企業がポテトチップスを販売している。しかし、最後は定番のカルビーに落ち着いてしまう。これは一体なぜなのか。

ブランド価値が浸透していると、その当時に気に入ったものが美化されやすい現象があるからだと管理人は感じている。子供の頃によく食べていたあの味は忘れられない。多くの人がそう感じたことがあるだろう。つまり、昔使っていたスマホの品質が良ければ、そのブランドは忘れないということだ。

そのスマホにはたくさんの思い出がある。毎日使っているものだから愛着もでてくる。この差こそが、今後のスマホシェアに大きく貢献すると管理人は感じている。それに加えて、アップルはスマホの創業者という高い名誉がある。スマホが世に出て十数年。この先、スマホでもブランド価値が物言う時代が必ず来る。

これを覆すには一点突破を狙ったマイナーな魅力を追求したスマホの開発である。シェアは取れないだろうが、その分、利益を高くすれば需要はある。管理人はアップルに足りないのは音楽の品質だと思っている。SONYはハイゾレ音源をスマホに対応することで、その音楽ファンのシェアを拡大させた。こういったターゲットを絞った戦略こそが、今後、大事となる。

一度ファンがつけば、それの期待にこだわらないアップデートを重ねて少しずつブランド価値を高めていく。サムスンが全くしてこなかったことこそ、巻き返しの方法なのだ。薄利多売には限界がある。100円ショップがどれだけ普及しても天下は取れない。マクドナルドがどれだけ安くても、売上は激減した。どれもブランド価値がないからだ。

頑張っていれば、見てくれる人はたくさんいる。今はインターネットで記録の時代である。検索して、その商品が良ければ購入してくれるのだ。ギャクラシーを検索すれば、その評価は低い。蓄積された情報はそのまま人から人へと伝わる。

今後、サムスンの巻き返しがあるかは難しいとおもうが、生き残りをかけるならそういった戦略をとらざる得ないだろう。

今週の韓国市場

20日 お休み
21日 2080.62 1158.30 781.99 249.90 -1284億
22日 2064.73 1153.60 776.57 247.70 -3769億
23日 2065.07 1165.10 776.99 247.45 -1887億
24日 2045.96 1167.90 776.26 244.75 -2633億

今週の予想レートは1135~1160だった。予想より、かなりウォン安が進行している状況だ。その原因が中国市場と国内市場の不信。どちらも悪材料となってウォンを投げ売りさせている。どうやら、韓国政府はウォン安を容認するようなので介入は見られない。となれば、まだまだ下がる可能性が高い。たいした材料もないのにこれだけ下がるのだ。9月までに1200ウォン以下もあり得る事態だ。

予想レートは1150~1180にしておく。

以上。今週はこれで終わる。次回の予定だが、8月に入り、今年も9月危機が迫っている。2015年、9月危機のポイントがどこにあるかを何周かに分けて特集したいと思う。この週だけ読めば、韓国を知らなくても、韓国経済の構造や、今抱えている現状、9月危機に何が起きるのか。そういったのをわかりやすく伝えたい。

読者様の購読に深く感謝する。これからも温かい応援の程をよろしくお願い致します。

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