第211回「韓国が5年後にGDPが日本へ追いつくという嘘の主張」

第211回「韓国が5年後にGDPが日本へ追いつくという嘘の主張」

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因みに一人当たりGDPで1番の国はルクセンブルクである。人口10万人もいないのだが、欧州ではわりと重要な国際都市らしい。では、日本はルクセンブルクに負けているのか。多くの日本人はルクセンブルクが何をしているかすら知らないだろう。管理人も知らないし、向こうもあまり日本のことは意識していないだろう。つまり、一人当たりGDPで勝った、負けたという主張自体が劣等感の表れなのだ。

配信日:2015年12月06日

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今週、韓国経済のメルマガが韓国が5年後にGDPで日本へ追いつくという主張を特集する。韓国には永遠に来ない5年後や10年後があるわけだが、そもそも、このGDPは一人当たりGDPというものを示している。つまり、主張の大部分は一人当たりGDPで日本を抜ける=韓国が日本に勝ったという謎理論である。

因みに一人当たりGDPで1番の国はルクセンブルクである。人口10万人もいないのだが、欧州ではわりと重要な国際都市らしい。では、日本はルクセンブルクに負けているのか。多くの日本人はルクセンブルクが何をしているかすら知らないだろう。管理人も知らないし、向こうもあまり日本のことは意識していないだろう。つまり、一人当たりGDPで勝った、負けたという主張自体が劣等感の表れなのだ。では、前置きはこれぐらいにして記事のチャートを張る。

記事のチャート

一人当たりGDPとは何か→韓国が5年後に日本に追いつく主張→現実は追いつくどころか衰退→先週と今週の韓国市場

一人当たりGDPとは何か

一人当たりGDPとは、国家全体を測るのがGDPだとして、国民一人当たりの経済力・生活水準を示す量。日本は現在は27位。日本のGDPを追い越した中国は89位である。これは国民がどれだけの経済力・生活水準を示すといいながら、物価への加味がされてないので、計算方法が主に二通り。それが、為替レートベース、購買力平価ベースとなる。

為替レートベースは米ドルを基準にして、日本人が一人当たり、外国からどれだけ商品を購入出来るかといったことを知るのに使う。購買力平価ベースは物価を加味したもの。

これは少し難しいのだが、例えば、同じタイプの缶コーヒーが日本なら100円。でも、米国1ドルだとする。為替相場は両国の物価が釣り合う水準へと変化していくので、缶コーヒーが1ドル=100円で売られていて、実際の市場価格が「1ドル=120円」だったとする。これでわかるのは米ドルは物価水準からみた通貨の相対的な本来の価値より、20%割高に評価されていることになる。

ただ、20%割高になっている米ドルは輸出では不利なので、為替レートは適正価格へと戻っていくことになる。円安が輸出に有利だというのは基礎的な知識であるが、購買力平価ベースで他国との物の価格を調べたら、適正レートがどれだけ逸脱しているかが理論上はわかる。

しかし、この購買力平価には関税やら、材料費、サービスや質、さらに企業努力といったものが含まれていないので、全く同じ条件で比べないと正確な数値は測れない。なぜなら、10年前と現在とでは買える商品の質は確実に上がっているからだ。液晶テレビなんて特にそうだろう。10年前に42型を20万で購入したことがあるが、今なら42型なんて下手したら5万切っている可能性があるぐらいだ。しかも、10年前より性能は遙かに良い。今、20万出せばもっと凄いテレビが買えるだろう。

だから、管理人はこの購買力平価という考え方自体がそれほど信憑性があるとは思っていない。では、用語の説明も終わったので韓国の主張を見ていこう。

韓国が5年後に日本に追いつく主張

【ソウル聯合ニュース】国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しデータベースによると、韓国の1人当たりの名目国内総生産(GDP)は昨年の2万7970 ドル(約340万円)から、2020年には3万6750ドルと31.4%増加すると予想される。日本は昨年の3万6222ドルから6.0%増の3万8174ドルにとどまる見通しで、韓日の開きは大きく縮まる。

1990年に韓国の1人当たりGDP5513ドルに対し、日本は2万5140ドルだった。2005年に韓国は1万8658ドルに拡大したが、それでも日本は3万5785ドルと韓国のほぼ2倍だ。その後、韓国は徐々に差を詰め、2020年には日本に迫ることになる。

国全体の経済規模をみると、1980年に韓国の名目GDPは652億ドル、日本は1兆870億ドルと韓国の16.7倍だった。1990年が11.1倍、 2000年が8.4倍、2005年が5.1倍と差は縮み、昨年は韓国が1兆4104億ドル、日本はその3.3倍の4兆6024億ドルとなった。2020年には韓国が1兆8988億ドル、日本が4兆7469億ドルにそれぞれ増加する見通しだ。日本は韓国の2.4倍にとどまる。(後、省略)

(http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2015/11/05/0500000000AJP20151105000500882.HTML)

このように書いてある。でも、この一人当たり名目国内総生産(GDP)はどちらで計算しているのかは乗っていない。名目なので為替レートベースなんだろうか。為替レートベースにすると、各国の通貨レートで変わってくるので、韓国が凄まじい1000ウォン以下のウォン高になり、日本が150円ぐらいの円安になるなら、逆転もあるかもしれない。最もウォン高になれば、韓国の輸出は低迷するので一人当たりGDPは伸びなくなる。しかも、5年後にGDPが30%上昇するという謎理論の行き着く先でもある。

韓国の貿易輸出が2015年の上半期がピークなのにこれ以上、どうやって伸ばす予定なのか。韓中FTAで30%上昇するなんてことはないだろう。IMFに聞きたいところであるのだが、答えは掲載されていない。

現実は追いつくどころか衰退

>韓国の先月の輸出が今年に入り最大幅で減少した。産業通商資源部が1日に明らかにしたところによると、10月の輸出額は435億ドルで前年同月比15.8%減少した。これは8月の輸出減少率15.1%より振るわない数値だ。

その上物量基準でも先月の輸出は1年前より9.4%減少した。今年に入り輸出額が1年前より減少するケースはあったが、輸出量自体が 減ったのは2月のマイナス1%、4月のマイナス0.8%、5月のマイナス3.1%程度だった。6~9月は物量基準で輸出が増加に転じたが、先月は大幅に減 少した。これは輸出不振が単純な単価下落により現れているものではないとの意味だ。

先月の輸入は368億ドルで1年前より16.6%減少した。これに伴い貿易収支は67億ドルの黒字を記録し、45カ月連続の黒字記録 も継続した。だが、輸入減少率と輸出減少率の格差が狭まっている。これまでは輸出より輸入の減少幅が大きいことで黒字幅が大きくなっていた。しかし今後輸出が輸入よりも大幅に減ればこれまでの黒字基調を維持するのも難しくなる。 <

(http://japanese.joins.com/article/776/207776.html)

このニュースは11月1日の中央日報の記事。5年後に追いつくなら輸出拡大は急務なのに実際、韓国経済は縮小している。特に輸入が減少しているのがその兆候である。輸入が減少すれば、輸出はただの在庫処分がほとんど。それらの在庫がなくなってようやく製品の生産するために輸入が増えるわけだが、売れないから在庫がたまっているのだから。これがすぐ方向転換されるとは考えにくい。

このように、一人当たりGDPを5年後に30%も上昇させる未来が管理人には思いつかない。また、日本が僅か6%しか増えないという試算も納得が行かない。そういった意味では多くの日本人にも頑張ってもらい、一人当たりGDPを増やして欲しい。

先週と今週の韓国市場

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

23日 2003.61 1158.50 688.46 246.65 -1037億
24日 2016.29 1153.80 687.86 247.60 -1855億
25日 2009.42 1143.30 688.78 247.35 -2094億
26日 2030.68 1147.30 693.42 250.30  667億
27日 2028.99 1153.00 694.21 249.70  -407億

今週の予想レートは1130~1160だった。予想範囲内ではあるが、23日に1160ウォンまで下がっている。それから少しずつ上がっていき、1142ウォンまでいくとまた下がっている。つまり、ジェットゴースターである。ヮロス曲線とまでは行かないが、それなりに変動があって楽しめた。

今後も同じような流れが続くだろう。12月に米国の利上げがあれば変化すると思うが、その発表タイミングがいつかわからない。もし、利上げすれば大きくレートが変わりそうなので注意。ただ、次回も1130~1160にしておく。12月入っていきなり利上げはないと考えているためだ。

■(12月5日追記)

30日 1991.97 1158.10 688.38 244.85 -5468億←、外国人の大規模資金離脱、人民元SDR入りが決定
01日 2023.93 1158.00 691.95 248.50 1086億←貿易黒字104億ドル突破
02日 2009.29 1164.80 690.32 246.80 -3190億
03日 1994.84 1164.90 690.97 244.60 -2596億
04日 1975.00 1156.50 688.24 241.70 -3597億

管理人はうっかりしていて先週のメルマガが休みだったことを今頃気づいた。お詫びを申し上げるとともに、今週のウォン市場についても書いておく。

今週の予想レートより若干ウォン安となったのだが、まさか、IMFが人民元を主要通貨に認めるとは思っていなかった。これによって外国人の大規模な資金離脱が起こり、KOSPIが2000以下を割った。それが30日だが、12月に入って、貿易黒字が過去最高の104億ドル突破ということで逆に買われる。もっとも、輸入が大幅に減っての貿易黒字なので喜んでばかりもいられない。

さて、来週はアメリカの雇用統計の発表があり、それによって利上げが行われる日が決まる可能性が高い。そのため、次週はウォン安傾向が強まると見ている。さらに中国の元、SDR入りで韓国経済から資金が逃げている。KOSPIのただ下がりがそれを象徴しているかのようだ。予想レートは1150~1180程度にしておく。

以上。今週はこれで終わる。11月30日、韓中FTAの年内批准が決定した。管理人はこれに注目しているので、次週は韓中FTAを特集する予定だ。関税撤廃の対象商品を扱う企業の株価は上がると思うのでKOSPIの変動にも注視したいと書いたが、12月5日の時点で結果が出てしまっている。

数日は上がったは良いが結局、人民元のSDR採用には勝てない。外国人投資家の韓国売りは加速している。その辺りも含めて韓中FTAでどう変わるかを見ていく。

読者様の購読に深く感謝する。これからも温かいの応援の程をよろしくお願い致します。

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