第309回「2018年、韓国経済3つの不安要素その3 サムスン電子」

第309回「2018年、韓国経済3つの不安要素その3 サムスン電子」

■バックナンバー宣伝文

儲けても外資が持っていくならそれで韓国人が豊かになるわけではない。しかも、サムスン電子は韓国人の憧れある存在だけではなく、最も嫉妬する存在でもあるわけだ。そりゃ、サムスン電子に入社できるのは超エリートである。有力なコネでもない限りは超難関の採用試験に合格しないといけない。しかも、ライバルは韓国人だけではない。世界中のエリートである。そんなごく一部のエリート以外は何の関係もないのがサムスン電子である

配信日:2018年1月28日

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今週のメルマガも引き続き、2018年の韓国経済の不安要素について触れていく。絶好調だった2017年に比べて2018年における韓国経済の3つの不安要素を2つ解説したが、

最後にサムスン電子が残っている。

■韓国経済の3つの不安要素

1. ウォン高とFRBの利上げ(307回)

2. 原油高とUAE問題(308回)

3. サムスン電子(今回の範囲)

原油価格について毎日チェックしているのだが、今、66ドルまで上昇している。これが70ドルまで上がるかはわからないわけだが、66ドルでも十分、高いと思う。ただ、これもOPECの対応次第というところもあり、複雑に絡み合う中東情勢を読み解く必要がある。管理人はお手上げである。韓国経済だけでも十分、範囲が広いんだよな。もう、10年ほど経済サイトを運営しているが、まだまだ驚かされることが多い。では、サムスン電子について見ていく。

■サムスン電子がなぜ不安要素なのか

2017年のサムスン電子はDRAM市場でインテルを抜くという快挙を成し遂げた。ずっと首位を独占していたインテルが負けるなんて管理人は思いもしなかったが、それは仕方がない。どの企業も栄枯盛衰を繰り返す。サムスン電子の大躍進がどこまで続くかは知らないが、今のサムスン電子はDRAMだけで利益の7割ほど稼いでいるそうだ。一時はスマホだけで似たような利益を出していたわけだが、その頃とは桁が違うからな。3ヶ月で1兆円以上稼ぐのだから、既によくわからない。

このようにどう見ても最盛期と思えるほどサムスン電子は強いのだ、実はこれこそ不安要素である。経済ではこんな言葉がある。

「アメリカがくしゃみをすれば日本は風邪を引く」

これは対米輸出への依存度が高かった高度成長時代に言われた言葉だったのだが、出典は明らかではない。ただ、この言葉はもう間違っているんだよな。アメリカがくしゃみをすれば世界中が風邪を引くのだ。それがサブプライムローンからのリーマンショックである。今だって米国の景気が良くなれば日経平均はそれに釣られて上昇している。結局、今も昔もアメリカ一強であることにはかわりない。さて、この言葉を真似て韓国では「サムスン電子が転ければ韓国経済は転倒する」というのがある。今の韓国経済が3.1%成長したのもサムスン電子が牽引していることは明らかだろう。

だが、サムスン電子は既にグローバル企業である。確かに韓国のソウルに本社は存在するが、世界中に支社があるわけだ。そして、韓国の投資家より、外国人投資家の方が多い。こうしてみるとサムスン電子が韓国にどこまで貢献しているかは疑わしいわけだ。

儲けても外資が持っていくならそれで韓国人が豊かになるわけではない。しかも、サムスン電子は韓国人の憧れある存在だけではなく、最も嫉妬する存在でもあるわけだ。そりゃ、サムスン電子に入社できるのは超エリートである。有力なコネでもない限りは超難関の採用試験に合格しないといけない。しかも、ライバルは韓国人だけではない。世界中のエリートである。そんなごく一部のエリート以外は何の関係もないのがサムスン電子である。

サムスン電子の不安要素はズバリ、イノベーションである。確かに今、DRAMでは世界的なシェアを獲得してリードしているわけだが、台湾や中国勢が猛威しており、数年後には逆転が予想されている。DRAMで食べれなくなったらサムスン電子は次どうするのかである。

スマホと有機ELもあるが、DRAMほど利益を上げているわけではない。もっとも、有機ELディスプレイのスマホを製造できるのはサムスン電子のみらしく、アップルのiPhoneXはサムスン電子に1.6億台を注文した。これによってサムスン電子はギャラクシーS8売るより、iPhoneXが売れた方が儲かるという。

調査・分析企業のCounterpointによると、iPhone Xを1台販売するごとにサムスンが得られる収益はおよそ110ドル(約1万2000円)。Galaxy S8からの収益は202ドル(約2万3000円)という。しかし、ここで売上台数に半分以上の差が出るので儲かるのは、iPhoneXの方ということだ。

この事からわかる通り、今の時点ではスマホの有機ELディスプレイはサムスン電子の独占といってもいい。だが、ここにLG電子が量産体制を整えてくるし、日本のジャパンディスプレイも準備をしている。サムスン独占はそのうち崩れていく。

今は儲かっているが将来的に次のビジョンが見えてないのがサムスン電子である。そこをどうするか。次の時代はAIと自動運転化だと管理人は思っているが、他にも色々面白いのがある。韓国経済から離れるので紹介はしないが、サイトで何かの記事ついでにネタとして出すと思うのでその時を楽しみにして欲しい。サムスン電子がここまで大きくなればもう既存の技術やデザインをコピーして何かをするというのは使えない。自分たちでイノベーションを起こさないといけないのだ。そのビジョンが出てこない限り、サムスン電子は後、数年で苦しくなるだろう。サムスン電子が苦しくなれば韓国経済も悪化するというわけだ。

■今週の韓国市場

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

22日 2502.11 1070.10 873.09 326.27 -1756億←サムスン電子241万2000ウォン…2.19%↓

23日 2536.60 1070.20 894.43 330.93 2186億

24日 2538.00 1070.20 894.77 330.91 -128億

25日 2562.23 1058.60 898.60 334.08 3644億

26日 2574.76 1063.90 913.12  335.38 1826億←密陽(ミリャン)、世宗(セジョン)病院火災死亡者33人、サムスン電子253万9000ウォン…1.03%↑

今週の韓国市場はウォンが一時期、1056ウォンまで高騰したのだが、その後、1060ウォン台に戻している。ウォン高の圧力はまだまだ弱まる気配はないが、介入ラインなので慎重に見極めていることだろう。2017年の経済成長が3.1%と出た以上は株高、ウォン高は必至なのだが、それは普通に輸出業には不利となる。後、またもやセウォル号のような事故が起きている。病院で火災があり、41人が死亡した。しかも、この病院にはスプリンクラーが設置されていなかったようだ。うん。商業ビルと同じである。あっても作動しないのはお約束だが。

以上。今週はこれで終わるのだが、来週から平昌五輪特集となる。1ヶ月ほど平昌五輪ネタで行こうと思うのだが、多分、大丈夫だと思う。1ヶ月で尽きるようなイベントにはならないと思っている。来週は平昌五輪の開催直前の状態に触れていく。

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