第316回「米中貿易戦争で板挟みにされる韓国経済は両国に完全敗北!?」

第316回「米中貿易戦争で板挟みにされる韓国経済は両国に完全敗北!?」

■バックナンバー宣伝文

中国経済が衰退すると韓国株がそのまま売られるという動きは数年前に中国市場の大混乱の時に起きた事だ。交渉が中国有利に運ぶことはまずないので何らかの貿易制限が課せられたら、それだけで韓国株は売られる。実際、今の韓国株は半導体株だけが急上昇していて、他はお通夜状態だといっていい。サムスン電子を除く大企業のほとんどが利益をあげていない。現状維持が関の山である。

配信日:2018年4月1日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

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今週のメルマガは米中貿易戦争を特集していく。先月、トランプ大統領が世界中の国に対し鉄鋼とアルミニウム関税を課そうとしたことで世界経済は大きく揺れた。それで、最後はカナダやメキシコなどが免除されたわけだが、米国における鉄鋼輸出3位の韓国も含まれていた。しかし。ただで免除してもらったわけではない。結果から述べると韓国の完全敗北である。

■韓国の鉄鋼免除の条件

1. 数量枠が規制されて30%減少

2. 米韓FTA再交渉における自動車関税が大幅譲歩

既に1で気付いているとおもうが、これ関税が免除されても、数量枠が規制されて30%減少したので単純に考えて輸出量と利益が3割減少する。韓国の米鉄鋼輸出は3兆ウォン(3000億円)。これの3割減少なので最大で9000億ウォン(900億円)削減することになった。2015年~17年の韓国の米鉄鋼輸出は平均383万トン。これの7割の268万トンが上限となった。

この時点で敗北決定だが、さらに同時期に交渉していた米韓FTAでは、韓国製ピックアップトラックの関税維持という。もっとも、この韓国製ピックアップトラックは輸出すらされていない。つまり、韓国は免税を免れるために米国と2国間交渉を行ってしまい、韓国不利な条件で再契約させられた。トランプ大統領はこの成果をすぐさま発表した。まさに韓国だけが1人負けとなった。

このような米国の通商圧力に対して麻生財務大臣は29日午前の参院財政金融委員会で「これをてこに2国間の個別交渉に引きずり込まれないようにするのが一番肝心なところだ。我々はこれだけは断固拒否する」と述べている。つまり、日本は日米FTA交渉など、二国間の交渉は行わない。TPP11を優先するということ。韓国の完全敗北した同じ鉄を踏まない。

これもTPP11という巨大な枠組みがあってこそ、韓国の場合は二国間で交渉可能なFTA政策を重視してきた。これは先月、逮捕された元明博元大統領から続く外交の流れだが、どちらが最終的に有利にことを運べるかは一目瞭然だろう。確かにTPP11の交渉には5年以上も費やした。しかし、そのTPP11があるからこそ、日本は主導権を握れるわけだ。もっとも、管理人はアメリカがTPPを抜けてくれたことを大歓迎したわけだが。TPP11を抜けたのはトランプ大統領の悪手だったと思う。

■米中貿易戦争で韓国経済危機に

このように韓国は完全敗北したわけだが実はまだ終わっていない。ここから米国と中国が、いわゆる「米中貿易戦争」を勃発させたからだ。韓国経済にとってはかなり痛い。

中国経済が衰退すると韓国株がそのまま売られるという動きは数年前に中国市場の大混乱の時に起きた事だ。交渉が中国有利に運ぶことはまずないので何らかの貿易制限が課せられたら、それだけで韓国株は売られる。実際、今の韓国株は半導体株だけが急上昇していて、他はお通夜状態だといっていい。サムスン電子を除く大企業のほとんどが利益をあげていない。現状維持が関の山である。

しかし、それで韓国市場が崩壊するかと考えるとそれはないと見ている。サムスン電子が好調なら韓国経済は安泰なわけだ。裏を返せばそれだけサムスン電子一極ということだ。

そして、それも米国の貿易規制にかかっている。韓国の専門家はこの貿易規制は韓国の主力分野である自動車部品、半導体などにも及んでくるのではないかと見ている。さらに韓国は例の為替相場操作国指定というのもある。つまり、サムスン電子がこの先も好調であるための条件がどこまで維持されるかはまだまだわからない。トランプ大統領次第ということだ。もっとも、半導体分野では中国が大規模な工場を建設中である。稼働は今年の秋から冬といわれている。

■今週の韓国市場

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

26日 2437,08 1081.10 853.69 314.89 -1018億

27日 2452.06 1070.30 858.84 316.34 91億←錦湖(クムホ)タイヤ破局に突き進むか…産銀は”賛否投票” vs労組”拒否” 、セックススキャンダルにもトランプ支持率42%で反騰…11ヶ月の間最高

28日 2419.29 1070.80 850.97 311.81 -2524億←韓米FTA,車だけ渡したことでなかったか…’為替レート介入抑制’約束まで

29日 2436.37 1065.90 865.99 313.82 -2710億←サムスン電子245万2000ウォン…0.70%↑

30日 2445.85 1063.50 871.09 314.61 ←韓国GM労使臨時団体協議交渉決裂…”資金難打開難しくなった

今週の韓国市場は米中貿易戦争の影響か、韓国ウォンが急上昇している。1063ウォンまで上昇。ここまで行けばウォン高なのだが、1000ウォンぐらいまではなら韓国企業は耐えられると思う。もっとも、為替介入したくても、米国の為替相場操作国指定が怖くてできないのだろう。米韓FTA交渉では為替レート介入の抑制を約束までしていた噂がある。真偽はまだわからない。後、韓国GMの交渉が伸びている。4月に延期されている。これは工場閉鎖まで間に合わないか。韓国の労働組合と交渉がどれだけ難儀なことなのかがよくわかる。

以上。今週はこれで終わる。次回はクムホタイヤの法定管理か、中国のダブルスターからの資本誘致で経営再建のどちらを韓国の労働組合が選択かしたかを見ていく。どちらに転んでもクムホタイヤの価値は意外と高いようで法定管理なら清算という。

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