第321回「米国からの輸入禁止を食らったZTEは今後どうなるのか」

第321回「米国からの輸入禁止を食らったZTEは今後どうなるのか」

■バックナンバー宣伝文

数ヶ月前から始まった米中貿易戦争で中国が勝つとか、たまに謎の主張があって管理人は大笑いしていたわけだが、スマホ1つでこれである。中国企業は米の技術なくして製造が成り立たないことにすら気付いてもいなかったわけだ。2050年に中国は米国に追いつくとか予想する専門家もいるわけだが、ガッチガチの基幹特許にどうやって中国企業が勝てるのか。戦争したところで特許は奪えないという

配信日:2019年5月20日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

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今週のメルマガは中国の通信機器大手のZTEを特集していく。前回の最後に触れたが、ZTEはイランへの輸出を禁止していた制裁に違反して、罰金を受けた後も、そのまま輸出を続けていた。そのため、米国はZTEへの米製品の輸入禁止という致命的な結論を出した。因みにZTEはスマホを製造するのに6割は米製品を使用している。その中で一番多いのはスマホで絶対王者の米クアルコムである。

クアルコムチップがなければAndroid搭載のスマホは造れない。Androidそのものすら禁止される。Androidがなければスマホを販売しても生き残ることはできない。米アップルのiOSの抜け道もあるが、こっちもアメリカ製である。つまり、詰んでいると。

しかし、トランプ大統領の思惑は別にZTEを潰すことにあるわけではない。このZTEを使って中国政府にさらなる市場開放を迫る交渉をするわけだ。中国は当然、このままでは多くの失業者が出てしまうので、米国の要求を受け入れざるを得ない。

■米国に追いつくという幻想

数ヶ月前から始まった米中貿易戦争で中国が勝つとか、たまに謎の主張があって管理人は大笑いしていたわけだが、スマホ1つでこれである。中国企業は米の技術なくして製造が成り立たないことにすら気付いてもいなかったわけだ。2050年に中国は米国に追いつくとか予想する専門家もいるわけだが、ガッチガチの基幹特許にどうやって中国企業が勝てるのか。戦争したところで特許は奪えないという。

中国がどれだけ大きくなっても、アメリカには適わない。それを今、中国は痛感したのではないか。なら、やることは新分野の基幹特許の研究・開発である。特にこれから重要となる第4世代の技術。AI,自動運転などといったものだ。しかし、一から特許を侵害せずに物を作るのは難しい。結局、中国の覇権はアメリカと戦争で勝つこと以外では入手できない。

そういう意味でZTEへの処置は中国に今の自分たちの立ち位置とこれから目指す場所を教えてくれたのではないか。米国に及ばなくてもナンバー2であることにかわりはない。韓国のような小国ではない。だから、日本も中国とは近づかず、離れすぎずに付き合うことが求められる。

さて、米市場でZTEは一体どれだけ輸出しているのか。これについても調べておいた。

■米市場の2018年1~3月期のシェア(出荷台数ベース)

1位:米アップル38%

2位:韓国サムスン電子26%

3位:韓国LG電子15%

4位:中国ZTE11%

このようなシェアとなっている。あくまでも出荷台数ベースであるが、ZTEは韓国勢にあと少しで追いつこうまでシェアを伸ばしてきた。まあ、実際のところ、中国政府はZTEを放置しないと思うので、何かの市場開放で手を打つと思われる。このまま制裁を続けるならサムスン電子やLG電子にとっては実にありがたい展開となるだろう。

しかし、14日に米ZTE規制猶予の条件に中農産物高率関税撤廃というニュースがあり、その2日後、それが合意された。これによって倒産危機をZTEは免れたわけだが、米国の農産物が中国市場に一気に入ってくるようになる。決して中国側にとって良かったとはいえない。

ただ、見ての通り、サムスン電子もAndroidを使用しているわけなので、いつでも、このような事態になりうるわけだ。今まで許されてきたことが、トランプ大統領になってから許されないこともわりとある。韓国のダンピング関税や米韓FTA再交渉などもそうだ。そういう意味でも米韓同盟が最も重要なのは「アメリカを敵に回さないこと」だとおもう。

文在寅大統領は赤化を目指しているわけだが、アメリカを敵に回して中国の傘下に入ったところで、ご覧の有様である。韓国経済の視点から見れば赤化は悪手そのものでしかない。

■今週の韓国市場

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

14日 2476.11 1068.00 858.70 317.72 -898億←米ZTE規制猶予…中農産物高率関税撤廃

15日 2458.54 1073.80 862.92 314.94 -2410億

16日 2459.82 1077.60 850.29 315.97 -50億 ←ゴールドマンサックス”米金利引き上げ衝撃、韓国が最も大きくて”、米ZTE制裁緩和-中農産物関税撤回取り引きを合意したようだ

17日 2448.45 1081.20 855.62 314.29 -2716億

18日 2460.65 1077.60 869.45 315.37 -411億

今週の市場はそこまで大きな動きはなく小幅であった。ただ、ゴールドマンサックスが米金利引き上げの影響を一番受けるのは韓国とのこと。原油価格の高騰で影響に続いて、このような分析。韓国経済のファンダメンタルズは脆弱過ぎる。

以上。今週はこれぐらいにしておく。さて、次回の予定だが、米朝首脳会談の行方が怪しくなってきたことで、優先はこの情報だと思うのだが、アメリカで米韓首脳会談が22日に開催されるようだ。この手の話題が中心となると思われる。今は経済よりも、米朝首脳会談が行われるか、行われないかが世界的に見ても重要なニュースとなっている。しかし、そんな中、北朝鮮が韓国に様々な踏み絵を用意しているので、状況は悪化しているといえる。

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