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第332回「低迷する韓国自動車を猛追する中国自動車」

第332回「低迷する韓国自動車を猛追する中国自動車」

■バッグナンバー宣伝文

韓国GMはある程度は予想できたものの、現代自動車の販売台数減少は気がかりである。これについては中国企業の台頭で中国や米市場で苦戦を強いられているのと、チリなどの新興国でも中国企業に猛追を受けている。簡単に述べれば。世界の韓国自動車のシェアが中国企業に取って代わられているようとしている

配信日:2018年8月12日

最新情報は→2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)

日本の底力→http://kankokukeizai.kill.jp/wordpress/

韓国経済危機&崩壊特集→ https://kankokukeizai.com/

今週の韓国経済は韓国の最新自動車事情について特集していく。まずは、韓国企業の販売台数を見ていこう。ここでは現代自動車・起亜自動車。韓国GM、ルノーサムスン。双柳自動車といった代表5社の数値を採用している。

■5社の全体的販売台数(7月の販売台数)

国内販売が13万3792台(前年同月比で-2.4%減少)
海外販売が50万5307台(前年同月比で-4.4%減少)

両方を合わせた数値だと-3%減少で63万9099台

5社の全体では-3%減少ということでメーカーによって事情は異なるが、全体的に減少傾向であることは確認できる。では、ここから5社の個別データである。

■個別の販売台数

現代自動車:国内6万367台(1.3%増加)。海外27万9327台(-8%減少)
起亜自動車:国内4万7000台(7.8%増加)。海外18万3878台(4.4%増加)
韓国GM:国内9000台(16.7%減少)。海外2万8046台(-8.4%減少)
ルノーサムスン:国内7602台(4.1%減少)。海外1万963台(28.7%減少)
双柳自動車:国内1万2916台(13.2%増加)。海外3093台(12.3%増加)

各メーカーの販売台数に大きな違いがあるのだが、現代自動車の海外販売が-8%減少は大きい。しかし、逆に国内ではわずかに増加している。ただ、起亜自動車は国内、海外と共に好調である。韓国GMは例の工場閉鎖の影響もあって、国内、海外も大きく落ちている。落ちた数値だけみればルノーサムスンの海外販売の28.7%減少も大きい。双柳自動車は生産台数そのものは少ないものの国内、海外販売は好調と。

韓国GMはある程度は予想できたものの、現代自動車の販売台数減少は気がかりである。これについては中国企業の台頭で中国や米市場で苦戦を強いられているのと、チリなどの新興国でも中国企業に猛追を受けている。簡単に述べれば。世界の韓国自動車のシェアが中国企業に取って代わられているようとしている。

チリでは吉利、長城、長安など中国メーカーは上半期にチリで3万1000台を販売し、シェア15.6%で1位に上がった。現代・起亜自動車が海外販売で中国メーカーにまけたのはこれが初とのこと。このチリのシェアを奪われたニュースを管理人は数値以上に重く見ている。だから、サイトでも取り上げたのだが、我々、日本人にはまったく馴染みがない。中国メーカーの自動車なんて…。

もちろん、現代車ですらバスぐらいしか、国内で走ってないので韓国製にも馴染みはない。だが、日本以外の市場で韓国製の車が大きなシェアを獲得してきたのは紛れもない事実である。それを奪われたのだ。これが勝者と敗者を分ける変わり目になる可能性がある。さて、もう一つ気になるのが現代自動車の低迷を示すニュース。現代・起亜自動車の2次下請け会社が相次いで倒産しているという。

■下請け会社の倒産

現代・起亜自動車の2次下請け会社で年商1000億ウォン(約100億円)のエナインダストリー(慶尚北道慶山市)が7月12日、不渡り手形を出した。自動車というのは細かく分ければ数万点を超えるたくさんの部品を組み合わせて製造されている。そのため。現代自動車を向けて部品を生産する下請け会社がかなりの数となる。

実際、部品を作るにしても、その材料や原料を運ぶ運送、整備、販売、ガソリンスタンドなどの関連事業を含めれば177万人の雇用が関係しているそうだ。韓国GMを韓国政府が潰せなかったのはこういった関連企業が多岐にわたるため。だから、現代自動車の低迷で、これらの関連企業の倒産が相次いでしまう。

ただでさえ、最低賃金引き上げで雇用の悪化が確実視されており、自営業の廃業が軒並み増えている状況で、韓国の自動車危機は失業者を一気に拡大させてしまう。そういう意味ではストライキやっている場合ではないが、現代労組はそんなことよりは自分たちの給料確保に忙しいようだ。会社が低迷して下請け会社が倒産しているのにストライキなんてすれば、それが自分たちに返ってくるなんてことを理解はしてない。

現代自動車の低迷は韓国の自動車危機を加速させる。そういう意味では、今のうちに取り上げておきたいテーマの1つだった。これからの韓国自動車の行方を観察する上で大事なことになると考えている。

■今週の韓国市場

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

06日 2286.51 1124.00 781.41 295.24 -46億
07日 2300.16 1123.80 784.70 297.18 569億
08日 2301.45 1119.90 783.82 297.19 1400億
09日 2303.71 1117.20 789.48 297.41←外人現・先物売却にも2,300線守って
10日 2282.76 1128.90 784.81 293.64 -1076億←トルコ リラ暴落余波…11.70ウォン↑

今週の韓国市場は米中貿易戦争の拡大懸念と、トランプ大統領とトルコの応酬でトルコのリラが大幅に下落してドル高となった。そのおかげで韓国ウォンが11ほど下がった。KOSPIも2300割れている。トルコのCDSは急騰しているが、この辺りの事情もややこしい。トランプ大統領がトルコに鉄鋼・アルミニウム関税に追加関税を発表したのだ。

世界経済だけではなく、韓国経済に余波があったのである程度は調べたのだが、日経によると実体経済は安定しているそうだが、外貨頼みに弱みがあるらしい。リラは今年に入って40%以上下落しているという。他の新聞だと、トルコの自宅で軟禁されているブランソン牧師の釈放を狙う圧力とかあるが、実際、そこまで欧州事情には詳しくない。動きはチェックしているが、大きな金融ショックまで引き起こすかはまだわからない。

以上。今週は終わる。次回は米朝首脳会談から2ヶ月経過したので、結局、米国と北朝鮮の非核化交渉に何か進展があったのか。特集してきたいと思う。

第331回「韓国SK建設によるラオスのダム決壊は人災の可能性が高い」

第331回「韓国SK建設によるラオスのダム決壊は人災の可能性が高い」

■バッグナンバー宣伝文

実際、事故から数日経過した村の状況をハンギョレ新聞の記者が撮った写真は2mの泥で埋まってしまった村の惨状だった。泥によって救助作業もほとんど進まない。多くの犠牲者は泥の中に埋まっていると推測されている。さらに、この洪水はカンボジアの人々が25000人避難することにもなり、ラオスだけではなく、カンボジアにまで被害がでている。

このような酷い惨状であり、実際、泥に埋まった村の復旧作業は困難を極めている。さて、そんな中、日本もラオス政府の要請で救援物質を送ったり、日本の公共団体が寄付などを呼びかけたりしている

配信日:2018年8月5日

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今週の韓国経済は予定を変更して、韓国のSK建設がラオスで建設中だったダムが決壊した事故について特集していく。

事故が起きたのは7月23日の午後8時頃。ラオス南東部アッタプー県でセピエン・セナムノイ水力発電所の補助ダムが決壊した。このダム50億立方メートルの水が突然放流されて周辺の6つの村を襲った。

ラオス当局によると現在まで数人が死亡し数百人が行方不明となった。住宅1370軒が被害を受け、6630人の被災者が発生したという。最新の状況では死者27人、行方不明者は数百名とのこと。ただ、これはラオス政府の発表でBBCによるともっと犠牲者が出ているというニュースもある。

実際、事故から数日経過した村の状況をハンギョレ新聞の記者が撮った写真は2mの泥で埋まってしまった村の惨状だった。泥によって救助作業もほとんど進まない。多くの犠牲者は泥の中に埋まっていると推測されている。さらに、この洪水はカンボジアの人々が25000人避難することにもなり、ラオスだけではなく、カンボジアにまで被害がでている。

このような酷い惨状であり、実際、泥に埋まった村の復旧作業は困難を極めている。さて、そんな中、日本もラオス政府の要請で救援物質を送ったり、日本の公共団体が寄付などを呼びかけたりしている。

さて、ここまでが事故の惨状なわけだが、実際のところは「人災」である可能性が非常に高い。例えば、建設中のダムを完成させる時期を4ヶ月前倒ししたことで2000万ドルのボーナスが出ていたという。さらに10億ドルで請け負っていたはずの工事の予算はなんと最終的には6億6800万ドルという大幅な削減までされていたことが内部告発の文章から明らかになっている。しかも、ラオスの村の人々は逃げ遅れたのに、韓国人だけが全員助かっていると中国メディアが報じている。

SK建設は事故当時に豪雨があり、それが決壊した原因であり、「天災」だと主張しているのだが、豪雨で壊れるダムなどあってはならないだろう。ダムは何のためにあるのか。大雨などで家が流されるなど、そういう水害を引き留めるためにあるのだ。水力発電をしてタイの人々に電力を売って儲けようというのはただの二次目的である。

その辺はラオス政府も韓国のSK建設の手抜き工事の可能性も考慮して、第三者の専門家を交えたダム事故原因調査委員会を構成した。韓国政府にも参加を要請しているそうだ。その委員会が正確な事故原因を調査してくれると思われる。手抜き工事だったかどうか。10億ドルという大きな投資案件なので世界銀行も委員会に参加している。

■賠償額によってはSK建設の倒産危機

さて、メルマガで予定を変更して大きく特集したわけだが、この対応次第では韓国は今後、海外のインフラ事業から外される怖れがある。こんな大惨事を引き起こしたのが手抜き工事だったと判断されたら、それはもう韓国と一緒に何か事業をしようなどという銀行は現れない。

SK建設も事故の賠償を全て背負うことになれば倒産は免れないだろう。SKグループだって危ない。その賠償額次第ではSKハイニックスを身売りするぐらいのレベルになる怖れもある。もちろん、韓国政府だってこの投資案件に関わっているので、SK建設だけが賠償するわけではない。政府もそれなりの責任を負うだろう。

仮に手抜き工事などが明白となれば、韓国の建設業におけるインフラ事業の未来はない。日本をライバル視して引き受けたにもかかわらず、こんな酷い惨状という。まともなダムを造れないのに引き受けたことを世界中が「報道」することになるだろう。

■今週の韓国市場

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

23日 2269.43 1131.40 756.98 294.56 -824億
24日 2280.20 1135.20 761.57 295.49 -628億
25日 2273.03 1126.30 748.89 294.85 -1738億
26日 2289.06 1119.30 765.15 296.95 1249億
27日 2294.99 1118.10 773.98 297.78 1634億

30日 2293.51 1120.20 769.80 297.29 1340億
31日 2295.26 1118.80 775.52 297.45 -714億←”電気料金累進制恐ろしくてエアコンつけられません”…政府改編検討
01日 2307.07 1120.60 790.25 298.69 1735億
02日 2270.20 1126.10 781.38 293.55 -470億
03日 2287.68 1127.60 788.81 295.61 1448億

先週、メルマガが5週目でお休みだったので2週間分、掲載しておくが、ざっと眺めているだけではたいした変化はない。ただ、米中貿易戦争が思ったより、長期化する怖れが出てきており、上海総合指数が下落して、ついに日経平均株価に逆転されてしまった。

次回はその辺りの韓国の影響について特集するのと同時に韓国自動車についても関連して取り上げたいと思っている。ただ、ラオスのダム決壊にも大きな動きがあれば知らせたいところだ。後、猛暑についても韓国だけではなく、日本も酷い状態だ。今週も暑いと思うので熱中症に注意して過ごして頂きたい。