第351回「頼みの半導体需要や米アップルに陰り サムスン電子の今年の行方」
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サムスン電子はギャラクシーS10で巻き返しを狙っているのだが、実際、iPhoneの減産ということは世界的にスマホが人々に行き渡り、また目に見える進化が難しくなったこともある。多くの企業はインスタ人気にカメラ性能の強化を打ち出しているのだが、売上減少に歯止めをかけるのは難しい。アップルのiPhone不振は価格の高騰による新規顧客の減少があげられるが、実際、今年のiPhoneは5G対応にならない可能性がある
配信日:2019年1月20日
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今週のメルマガはサムスン電子の話題を特集していく。まずは昨年のサムスン電子について振り返ろう。
2018年のサムスン電子は2017年から引き続き世界的な半導体需要が好調であったのだが、2018年の終わり頃からその半導体需要に変調が見えてきた。
サムスン電子の2018年の10月~12月期の売上は59兆ウォン(日本円で5兆9000億円)、営業利益は10兆8000億ウォン(1兆8000億円)と発表されたわけだが、この売上は1年前の同じ時期、65兆4600億ウォン(6兆4600億ウォン)より、9.9%。営業利益は過去最大だった同時期の17兆5700億ウォン(1兆5700億円)に比べて38.5%ほど減少した。
売上や営業利益が減っても凄まじい金額に変わりないのだが、明らかに半導体需要の限界というものが見えてきた。しかも、半導体は毎年、大きな投資をしていかないと行けないので、営業利益の数兆円は今年の半導体投資に使われると思われる。
しかし、そこに中国の国策プロジェクトとして、半導体の攻略を仕掛けている。サムスン電子が逆転されることは大規模な投資が出来る限りは大丈夫だとは思うが、実際、半導体需要が減れば、その価格も下がる。今までのようなボロ儲けがいつまで出来るとは限らない。サムスン電子はこの決算について次のように述べている。
「一部データセンター顧客が積み上げていたメモリー半導体の在庫縮小に出て需要が予想より大幅に減った」「昨年10-12月期にメモリー半導体出荷量が7-9月期より減少し、価格下落幅も当初見通しより大きかった」
このように半導体需要の減少がサムスン電子の勢いを止める形となっている。しかも、これは半導体需要で好調に見えていた韓国経済の輸出にも大きく影響する。そのため、今年のサムスン電子と半導体については注目している。ただ、サムスン電子についてはこれだけではない。もう1つがスマホ需要縮小である。
これは米アップル社のiPhoneの減産によるサムスン電子の液晶、有機ELなどのディスプレイ需要などが落ち込む見通しとともに、ギャラクシーシリーズなどのサムスン電子製のスマホの売上低迷もある。まずは2018年のサムスン電子のスマートフォンの販売量を見ておこう。
サムスン電子の2018年のスマホ販売量は2億9460万台。これは2017年の販売台数は3億1750万台に比べて2200万台減った。しかも、今まで数年ほど続いていた3億台販売も達成できなかった。業界関係者の予測によると、サムスン電子のスマートフォン部門の10-12月期の営業利益は1兆5000億ウォン-1兆9000億ウォンと推定されている。半導体と比べたら10分の1程度になっている。
サムスン電子はギャラクシーS10で巻き返しを狙っているのだが、実際、iPhoneの減産ということは世界的にスマホが人々に行き渡り、また目に見える進化が難しくなったこともある。多くの企業はインスタ人気にカメラ性能の強化を打ち出しているのだが、売上減少に歯止めをかけるのは難しい。アップルのiPhone不振は価格の高騰による新規顧客の減少があげられるが、実際、今年のiPhoneは5G対応にならない可能性がある。
一方でサムスン電子は、今年、3月末発売するであろう新型スマホ「ギャラクシーS10X」を5G対応にすることで、シェアを取り戻したいわけだが、そこにはファーウェイといった中国企業が後ろから迫っている。もっとも、ファーウェイはスパイチップ疑惑で世界の5Gから追放される危機もあるので、サムスン電子にとっては有利なこともある。
以上の情報をまとめると5Gがどこまで普及させることができるか。後は価格のどこまで抑えることができるか。これによって今年、スマホシェア1位が決まる。おそらくサムスン電子は1位を守り切ると管理人は考えている。アップル社が迷走しているので、サムスン電子にとっては今のうちに差を付けておきたいところだろう。
■今週の韓国市場
日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)
14日 2064.52 1123.00 683.09 264.99 956億
15日 2097.18 1120.70 690.39 269.77 1208億
16日 2106.09 1120.10 693.38 271.23 993億
17日 2107.06 1122.50 686.35 271.88 2323億←「好況終わり」世界半導体市場、M&Aも「停滞」昨年17.4%の減少、中「不動産不況」ショック、関連企業の株価1日で80%急落
18日 2124.28 1121.90 696.34 273.88 1108億
今週の韓国市場はKOSPIが2100回復、ウォンもそこまで変わりなく、外国人も投げ売りしてないということで順調だった。ただ、17日のニュースでいくつか気になることがある。まずは、世界半導体市場のM&Aも停滞していると。そして、もう一つ中国の不動産不況である。これ香港市場で80%ほど急落していた。管理人はヘッジファンドの空売り攻勢だと思っているのだが、いきなりバブルが弾けたからと80%も大暴落するのは異常過ぎる。まあ、気になるが中国の動きは中々、掴めないのでどうなるかは今後に注意したい。
以上。今週はこれで終わる。最近、韓国のニュースが色々出ており、韓国経済を扱う管理人のサイトも日々、賑わっているわけだが、徴用工問題を経済的に1番重要視している。しかし、それ以外にも話題が事かかない。
また、最低賃金引き上げが新年から始まっているわけだが、それで韓国の物の値段が急上昇しているという。来週はその辺の経済ニュースを中心に見ていくつもりだ。