第352回「2018年の韓国経済の成長率は2.7% 政府ドーピングしながらも朴槿恵前政権より下という結果に」

第352回「2018年の韓国経済の成長率は2.7% 政府ドーピングしながらも朴槿恵前政権より下という結果に」

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しかも、実は昨年の9月~12月に1%ほど成長してようやく2.7%だった。そして、2.7%成長にしようと政府様々な物を買い入れて支出してようやく達成した数値という。それは政府が金を使えば成長はするだろう。しかし、それだけ財源に影響するので、毎回というわけには行かない。しかも、物品を購入しただけではない。

配信日:2019年1月27日

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今週の韓国経済は2018年の韓国経済を振り返る。とはいっても語っていくのは昨年の成長率なので別に情報が古いわけではない。それで、韓国の2018年の成長率は2.7%となった。なんと、これは韓国銀行の成長見通しと同じ結果なのだ。つまり、韓国経済は韓国銀行の想定内の成長を遂げたことになる。表向きにはだが。

まず、韓国銀行の最初の成長予測は3%だった。それがどんどん下方修正していって、昨年の10月で2.7%となった。しかも、これは政府ドーピングである。つまり、最終的に帳尻を合わせるために年末に政府が支出を増やしたのだ。決して2.7%は文在寅大統領が「韓国の経済指標、悪くない」という言葉通りの意味ではない。では、もう少し詳しく見ていく。

■昨年の9月~12月の成長率は1%!

昨年の韓国経済の成長率は2.7%だが、この成長率は政府の支出が1番多い。半導体よりも貢献している。多い順に並べていくと、政府消費5.6%、半導体輸出4.0%、民間消費が2.8%だった。この数値は2007年の6.1%以来、11年ぶりの最高水準だそうだ。

しかも、実は昨年の9月~12月に1%ほど成長してようやく2.7%だった。そして、2.7%成長にしようと政府様々な物を買い入れて支出してようやく達成した数値という。それは政府が金を使えば成長はするだろう。しかし、それだけ財源に影響するので、毎回というわけには行かない。しかも、物品を購入しただけではない。

例えば、建設投資も昨年は酷くマイナスだったのだが、これが最後は1.2%になった。さらに設備投資も3.8%になった。これも自治体のインフラ事業などの影響で建設投資が増加、政府が輸送装備を購入して設備投資も増えたそうだ。まさに投資を良くしようとするドーピングである。その反面、民間部門の成長寄与度はマイナス0.3ポイントに落ち込んだ。 どれだけ3ヶ月間の多額の出費で成長率を引き上げたかがよくわかるだろう。

しかし、建設投資や設備投資も1年のトータルで見ればいくらドーピングしても、マイナス4%、設備投資もマイナス1.7%も減少した。特に建設投資は1998年の通貨危機以後の20年間で減少幅が最も大きいという。設備投資もリーマンショック以降で最も減少が大きい。ドーピングしてなんとか経済成長率2.7%にしたといっても。実際はもっと酷い成績だったわけだ。では、ついでに輸出も見ておこう。

2017年、2018年の韓国経済は半導体需要によって輸出はかなり好調であった。年間6000億ドルという過去最大級の輸出額も達成した。しかし、この輸出も昨年の9月~12月期は2.2%減少している。これは半導体輸出が減少したためである。 半導体の世界的な需要がビットコインなどの仮想通貨のマイニング需要の終焉。FacebookなどのSNSで大規模なビッグデータに使う半導体投資の減少などで半導体輸出に陰りが見えてきた。2019年もそれなりに維持はするだろうが、昨年のようには行かないということだ。

■朴槿恵政権4年間の経済成長率よりも下

文在寅大統領がどれだけ経済的に無能だったかを考えるなら、前政権である朴槿恵政権の成長率と比べればすぐにわかる。しかも、朴槿恵政権は欧州危機などの世界的な経済危機ということもあり、厳しい状況に追われていたわけだが、それでも、2.8%~3.3%の成長率を維持した。

それに反面、半導体輸出でサムスン電子の怒濤の勢いがあり、2018年にも米中貿易摩擦はあったが。世界的に経済は好調だったといえるのにこの有様である。つまり、文在寅大統領の所得主導型経済成長は朴槿恵前大統領のよくもわからない創造経済にすら劣っているわけだ。わりと輸出はボーナスステージだったにも関わらずだ。これが左翼政権に経済を任せた結果ということだ。しかも、今年もそう簡単に良くはならないという。

既に今年の経済成長予測は2.5%前後と出ている。まだ1月なのでデータが少ないので管理人も予測は難しいのだが、2.3%前後だと管理人は見ている。今年の韓国経済も中々、楽しめそうではある。ただ、一時期2000を割ったKOSPIは2177と大幅に回復しているので、今年で経済破綻というのはないと思われる。

管理人の予測している経済破綻は2020年。残り、2年あるわけだが、これも別に韓国輸出ではなく、家計債務危機からなので、根本的に理由が異なる。どちらにせよ。輸出が振るわなければ全体的な債務は増える。そういう意味でも輸出がどうなるかは注目だろう。

■今週の韓国市場

日付 KOSPI ウォン KOSDAQ 先物 外国人(ウォン)

21日 2124.61 1128.10 695.62 274.00 563億
22日 2117.76 1130.50 694.56 272.71 1264億
23日 2127.78 1127.30 695.63 273.87 -1740億
24日 2145.03 1128.60 704.41 276.61 4956億←今年金利凍結…鷹派指向消えること”
25日 2177.73 1121.30 711.39 281.67 8139億

今週のKOSPIは好調であった。韓国企業の業績が良かったわけではないが、特に24日、25日の外国人売買はかなり多い。もっとも中国市場が上昇している勢いもあると思われる。ただ、韓国だけの事情を見ると半導体頼りが続く。今年もなんとか半導体は頑張ってくるとは思うが、中国がどこまで追い上げてくるか。この予想が難しい。

以上、今回はこれで終わる。さて、次回は中国経済の最近の動向についてみていく。韓国経済を語る上で中国の景気はもはや、外せないものとなっていて、今年、中国経済次第で韓国の輸出も大きく異なってくる。そういう意味では中国を一度、見ておくのは悪くないだろう。

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